静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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藁科線に行ってみた。

 東海道昼特急号に乗って東名静岡を出発すると、すぐに大きな川を渡る。
 安倍川。その源流はその昔金が産出されたという梅ヶ島に発し、静岡市内を潤しながら駿河湾に注いでいるが、その安倍川に途中から合流する河川がもう一つある。その名前は「藁科川」と言う。 
 その藁科川沿いに走っているしずてつの在来線に「藁科線」と言う路線がある。その「藁科線」が気になって仕方なかったので、ある土曜日、自宅から車を走らせてみた。
 本業での話になるが、その藁科川沿いにお客さんがあり、年に何回か訪問をしており、今年も何回か訪問することになる。そんな中で見かけたのが「谷津ターミナル」と行先表示器に出ている車両であった。

 谷津、と言う所があるのは知っていた。だけど「谷津ターミナル」って一体何なんだろうね?と言う事で気になって仕方なかったのである。実際、今年の4月1日から藁科線の運行系統が大きく変わり、谷津ターミナル以遠の藁科線は昼間時間帯を中心としてデマンドバスでの運行を行うと発表されていたものの、デマンドバスそのものも見たことないし、実際に自分自身も藁科川方面へ行く用事はその仕事の時だけしか無いのでてんで状況が分からない。
 そんな中で、勤務先にその近所に住んでいる人にどんなところなんだ?と聞いてみたところ

 1 新東名高速の橋の下にある。
 2 昔はこのバス停の1つ前(中小屋)までしか行ってなかったが、4月1日からはこのターミナルまで入るようになって便利になった。
 3 だけど、新静岡から中小屋を越えて行く本数が少なくなって不便になった。

 と言う話を聞くことをできた。ならば、と言う事でこの谷津ターミナルに行ってみようと思い、車を走らせてみた。

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 自宅から約40分程度でその「谷津ターミナル」に到着。

 確かに新東名の橋の下にあって、ここで休憩しているバスを見ることができる。乗り場は静岡市内方面行と、更に奥に向かう系統が発着するだけなので1面1線・・・と言う言い方が妥当かどうかはよく分からないが、非常に小じんまりとした乗客スペースとなっている。また、乗務員さんの休憩所やトイレ(共用)の他、地元の方向けの無料駐車場も整備されており、「ターミナル」としての機能はひと通り揃っていた(流石に乗車券発売所は無いが)。
 

 そんな中に、新静岡からやってみた谷津ターミナル止まりの系統が折り返していく様子を見ることができた。確かにここで折り返した方が色んな意味で都合がいいところであるワケで、実際に乗客も少ないものと考えられる。それがゆえに

 こんな感じの「デマンドバス」に谷津ターミナル以遠は置き換えられたワケで。しかし、色を見れば見るほど高速色の車両に見えてしまうのは気のせいだろうか(確かに似ているものの、手元の画像と比べてみると塗り分けパターンは結構違う。かつ、高速線は金色が使われているのに対し、デマンドバスは緑色)。そんなこんなで撮影を終えて「そんじゃぁ、新東名で新清水インターまで走ってから【やませみの湯】でも行こうか」と思った所、静岡のまちなかから「日向」行のバスがやってきた。これは行かざるを得ない!と言う事で車を走らせて山間へと入る想定外の行動を取る事になった。

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 と言うことで国道362号線から県道60号南アルプス公園線を走らせて、やってきたのが小島バス停。当然「どこか安全に車を停める事ができて、かつ、写真うつりがいいところは無いかのぉ?」と言うことを考えながらであるが。
 適当な空き地があってのでそこに車を止め、バスがやってくるのを待つ。すると近所の人から「何か故障でもしたの?」と聞かれる。「いや、バスの写真を撮りに来ました」と答える。嘘を言っても仕方ないので(苦笑)。

 そして、待つこと約15分、日向行のバスがやってきたのを写真に収め、更に山奥に車を走らせることにした。
 実はこの当たりに来るのは初めてなのだが、以前から「日向」と言う地名が気になっていた。山の中なのに「日向」とは一体どう言う事なのだろうかと。

静岡市葵区の西北部、藁科川の上流に位置する大川地区は、山々に囲まれた自然豊かな地域です。
日向はかつて、旧安倍郡大川村に属し、村役場が置かれていました。日向という地名は、昔、源頼朝の命令で名馬を探していた武将、日向太郎が旅宿とした地だから…といわれています。
 また、日照のよい南・東向きの場所を示す場所ともいわれています。
日向 ( ひなた/大川地区 )・地名の由来静岡市葵区自治会連合会(7/20確認)

 実はこの話を一度だけ高校の頃、通っていた校長先生から聞いたことがある。今では他界してしまった外国人の校長先生ではあったが、静岡市内の様々な事に非常に造詣が深い人であった。ひょっとしたら、このお手軽撮影行もこの話を聞いていなかったら行っていなかったのかもしれない。
 車を走らせること約15分程度でこの「日向」地区に着く。確かに周囲の山々がここだけ途切れ「日当たりの良い南・東向きの場所」であると言うのを見ることが出来、その由来に納得したところである。
 そして、更に車を奥に走らせ富士見峠へ・・・と言うのは流石にしなかったが(と言うかできない)、途中の「湯ノ島温泉」でひと風呂浴びて帰ることにした。

 実はここまで藁科線のデマンドバスが来ているが、どうやら4月1日のデマンドバス化に当たってここまで延長した模様である。ダイヤを見ると、湯ノ島温泉での折り返し時間は20分程度しか無く、始発便で入ったら最終便で下りないとならないと言う状況。しかし、折角ここまで来るのならば、お湯もいいことだし、休憩室でのんびり昼寝して帰るのもいいのかもしれない。そんな感じの山の中にある温泉場である。

 ちなみに、今回入った温泉は静岡市営の「湯ノ島温泉浴場」。なかなかヌメヌメしていていいお湯ですので、機会があれば是非・・・なんですが、乗りバスのついでで来るとなると、東京方面からだとドリーム号で来ると言うコースになってしまうんですよね。う〜ん。(静岡民でもバスで行くとなると丸一日潰す覚悟が必要なんですが)

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 機会があれば、今度は乗りバスで行ってみたいところであります。

(おまけ)
 しずてつの丸子営業所では独自のBlogをやっているみたいで。確かにこんな情報はそれぞれの沿線に行かないとわからないですよね・・・