静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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雪ミク電車(札幌市電)撮影案内(私家版) 2015年版

 今年も札幌まで忘年会に出かけ、美味しい石狩鍋をつついて来ました。
 が、8月30日、大阪の某ライブ会場で聞いた「今年も市電ラッピングは11月中旬から運行開始します」と、札幌市の中の人からの情報です。

 だったら、全力で撮るだろ。「雪ミク電車」を。

 と言うわけで札幌忘年会の翌日、雪の舞う中で撮り鉄してきました(今年もかよ)。

 この記事の趣旨は、雪まつりで「雪ミクエスト2015」をされる皆さんへ向けて、どこで撮れば「札幌らしい」風景で「雪ミク電車」を撮影できるか、と言うことと、効率的に「乗る」「撮る」に関する情報を提供することにあります。ぜひともご参考にして頂ければ幸いです。

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その1 基礎的な話
■そもそも「札幌市電」ってどこを走ってるの?
 札幌市電は、札幌市の中心部である「西4丁目」から「すすきの」までの間を走っている路面電車です。昔は色々と路線があったみたいですが、今ではこの1系統のみです(昔はディーゼルカー路面電車?もあったとか)。



バスサービスマップ」様内「■札幌市内バス路線図 2014冬ダイヤ版(12/1変更)」より許可を得て掲載
 上の地図の「西4(丁目)」と「すすきの」の間をぐるっと回って走っている黄色のラインになります。
 「西4丁目」と「すすきの」は歩いて5分程度で行くことができる場所なのですが、札幌市電はこの間をぐるっと回って約50分程度かけて走っています。沿線の観光地にはもいわ山ロープウェイがあったりとか、中島公園(すすきのの裏手になるのですが)がありますが、正直に言えば大きな観光地はありません。本当に「沿線の方の気軽な足」として日々活躍している路面電車です。
 雪まつりのメイン会場である大通公園は「西4丁目」、「西8丁目」、「中央区役所前」(ミクさんの雪像が設置される西11丁目会場はこの「中央区役所前」電車停留所が最寄りです)になるほか、ライブが開催されるZepp Sapporoの最寄り電車停留所は「山鼻9条」になります。

■運行時間を確認する
 次に、「運行される時間」を確認しましょう。

公式サイト→札幌市交通局雪ミク電車時刻表
  札幌市電は西4丁目停留所とすすきの停留所の間を走っていますが、この区間、歩くとたかだか5分もかからないで着いてしまいます。ですが、実際に市電に乗ると約50分程度かかります。そこを雪ミク電車は1台だけ走っていますので、当然ではあるものの概ね2時間に1本程度しか乗るチャンスはありません。
 そのため、乗る前には運行する時間を確認する必要があります。
 なお、平日と土休日ではダイヤが異なりますのでその部分に注意が必要なほか、運行上の都合(車両の修理や点検)などで、予定された列車が他の車輌になることもあります。また、「市電」と言ってもJRなどの電車とは異なり、道路上を他の自動車に混ざって走っているので、道路の混雑などで遅れが出る場合もありますので、その部分には注意をすることが必要です。

 なお、個人的に作った時刻表(新型車両「ポラリス」と「雪ミク電車」の運行時間が入っています)も参考に置いておきますので、自己責任でご利用ください(いずれも休日の時間のみなのでご注意を。なお、「ダイヤ」に関しては表の読み方が分かる方のみご利用ください)。

西4丁目→すすきの 休日時刻表
すすきの→西4丁目 休日時刻表
雪ミク電車&ポラリス ダイヤ 

■切符&お得なきっぷ
 札幌市電はどこの停留所から乗って、どこの停留所で降りても1回大人170円で乗車することができます。
 また、札幌市電(市営地下鉄・JR北海道バス・中央バス・じょうてつバス)ではICカードSapica(札幌市内バスなど)、Kitaca(JR北海道)、Suica(JR東日本など)、PASMO(首都圏私鉄)、manaca(名古屋市営地下鉄名古屋鉄道など)、TOICA(JR東海)、PiTaPa(関西地区私鉄)、ICOCA(JR西日本JR四国)、はやかけん(福岡市交通局)、nimoca(西日本鉄道など)、SUGOCA(JR九州)が使用可能になっています。
 ですが、「土日祝日か年末年始の間、1日に2回以上市電に乗る」場合には「どサンこパス」(下写真)を購入することをお薦めします。

 1枚310円ですので、2回乗ればそれだけで元が取れてしまうと言う美味しい一日乗車券。ただし、土日祝日と年末年始のみ使用可能ですので、平日は使えないことに注意が必要です。車内で運転士さんから降車時や信号待ちの時に購入可能ですので、この切符を使って一日中雪ミク電車を追いかけるのもまた楽しいかと思います。

 いや、市電だけではなくてサッポロファクトリーまでねんどろいどfigmaを迎えに行く時や、Zepp Sapporoで開催されるライブに向かうのに、地下鉄や市内のバス(JR北海道バス北海道中央バスじょうてつバス)にも乗る、と言う方には「共通1DAYカード」がオススメです。大人1000円で、市電車内や地下鉄駅の自動券売機で販売しています。

その2 沿線を歩いてみる。
 と言うわけで沿線を歩いてみることにしましょう。(なお、地図は昨年のエントリで使いまわしたものです)


より大きな地図で 雪ミク電車撮影ポイント を表示

■西15丁目電停付近

12/6 9:03頃撮影


12/7 10:21頃撮影


12/7 10:21頃撮影

 まずは西15丁目付近電停。
 この付近は近くにNTT札幌病院がありますが(あまり関係ない)、西へ向かっていた電車が南に向きを変える所になります。線路の東側には空き地がありましたので、晴れている場合は午前中に撮影をするのをお薦めします(1枚目の写真がいい例です)。昨年も書きましたが、コンデジでも2枚は撮影できるのではないかと思いますが(車に被られなければ)。パターンとしては、すすきのからやってきた電車を撮影し、ここで20分位待ってから今度は西4丁目から来た電車を撮れば4枚は撮影可能ではないかと思います。
 ちなみに、今回の撮影行では12/6は雪が全く無く「え、これで北海道なのかよ・・・」と雪を見ると喜ぶ静岡民は思ってしまいましたが、翌日の12/7は朝起きたら一気に雪景色となり「本気かよ・・・」と思ってしまったのは言うまでもありません。

■中央図書館前電停付近

12/7 11:03頃撮影


12/7 12:49頃撮影

 次は中央図書館前電停。
 2015年の雪ミク電車は右側側面・左側側面でラッピングが異なっており、恐らくは両方の側面ラッピングを撮りたいと言う方も多いと思います(少なくとも俺がそうでしたが)。その場合、まずは中央図書館前電停で「すすきの行」を側面からまずは撮るのをお薦めします(上写真)。この電停は出発時に交通信号に引っかかる場合があり、そこで車が途切れる時間帯があります。光線の加減は恐らく昼頃がいいのかなとは思いますが、ゴメンナサイ。撮影した時は曇っておりましたので良くわからないです。
 あと、藻岩山を少し入れた走行写真を撮影することも可能です(下写真)。ここも札幌らしい風景の中を走る雪ミク電車を撮影できるスポットではないかと個人的には思います。

 この中央図書館前電停は、いわば札幌市電の中での一番の奥地。ここで撮影すると雪ミク電車は30分以上待つことになりますので(すすきの行・西4丁目行とも)、待つ間は寒い方も居ると思います。中央図書館の地下1階には簡単ではありますが食堂もあります。


中央図書館地下1階食堂メニュー

 カレーとかラーメンならまだしも、「餃子ライス」や「ウインナライス」とか、「日替わりランチ500円(たまに)」などのような「ある意味気になるメニュー」もありますので、ここでランチをするのもいいかと思います。次回は餃子ライス行ってみましょうかねぇ・・・、と冗談めかして書いていますが、ランチを食べる場所も正直無いかと思いますので、ここで冷えた体を暖めながら食事をして一休みもありです。


ササラ電車除雪車

 また、雪の降る中沿線で撮影をしていると「ササラ電車」に遭遇することがあります。線路に詰まった雪をタワシの要領で掻きだす除雪電車なのですが、この雪を跳ね上げる様はなかなか格好いいです。なお、ダイヤは雪の状況によって決まる上、事前に公表もされていないので、東海道山陽新幹線の「ドクターイエロー」のような「撮れたらラッキー」な電車です。
 雪ミク電車の運行を影で支えるこの「ササラ電車」にもぜひご注目ください。

■山鼻9条電停付近

12/7 11:35頃撮影


12/7 11:36頃撮影

 中央図書館前電停付近でも書きましたが、もう片方の側面を撮影するのは山鼻9条電停で、「西4丁目行」を撮影するのをお薦めします。ここも出発は交通信号に左右されますので、上手く行けば下写真のように手前に車がない状況で撮影が可能です。
 また、ここはすすきの方面から電車がやってくるのを見ることが出来ますので、「札幌の街なかを【当たり前のように走る】雪ミク電車を上写真のように撮影することが可能です。丁度撮影した時は雪が降っており、雪の中を走る光景を見ることができました。今回撮影した中では一番「札幌らしい風景」だと思うところです。

■電車事業所電停付近


12/7 13:42頃撮影
 
 内覧会のあった電車事業所前電停近くの交差点で低いアングルから、西4丁目行を撮影しました。
 ここは西側に藻岩山があり、撮影した12/7ですと14時くらいには太陽が山陰に入ってしまいますので、晴れていれば13時頃の光線で「走行写真」的に撮影することが可能です。こう見るとなかなか迫力があるような気がしないでも。

■西線9条旭山公園通電停付近

12/7 14:23頃撮影

 背景に余り色気はありませんが、晴れて太陽が顔を覗かせていればここでの撮影もお薦めします。遮るものもありませんので影ができる心配もありませんからね・・・。

その3 知っておくと便利な話
JRバスでショートカット。
 この札幌市電、「環状線の一部がが欠けている」と言うのは一番上で書きましたが、これを逆手に取って「西線9条旭山公園通」で撮影した電車に「山鼻9条」で乗ることが可能です。
 この「西線9条旭山公園通」電停の交差点の近くにJR北海道バスの「旭山公園通15丁目」と言うバス停があり(すすきの行から見た場合、交差点の右側70mほどのところ)、ここから「中島公園経由啓明ターミナル行」に乗って「南9条西7丁目」と言うバス停で降りると市電の「山鼻9条」電停がすぐ近所にあります(バス停時刻表:http://www.busdia.com/pol/pol/15611.htm 場所に関しては、一番上で紹介した「バスサービスマップ」様内の「■札幌市内バス路線図 2014冬ダイヤ版(12/1変更)」を見て頂くとわかりやすいと思います)。運賃は210円、時間は約5分程度です。ただ、本数が昼間は1本or2本/時間なので事前に行動計画を練った上で使うと言うのもありです。
 私も今回は「西線9条旭山公園通」で撮影した電車に「山鼻9条」で乗ってすすきのまで行くと言うことをしました。

■歩いてショートカット
 また、時間の無い方には「資生館小学校前」と「西8丁目」の間を歩いてショートカットすると言う手もあります。
 例えば、西8丁目電停を出発するところの写真を取ってから、歩いて資生館小学校前電停まで向かい、そこで西4丁目行の電車に乗って山鼻9条などの沿線へ向かって撮影をする、と言うことも可能です。
 なお、このショートカットをするのには事前に時刻表で時間を確認することが必要ですので、その部分は抜かり無くご準備を。

■日によって電車の向きが変わります。
 「電車の向きって同じじゃないの?」って思う方が居るかもしれませんが、札幌市電は電車営業所(=車庫)内の線路配置の関係上、一度車庫に入ると電車の向きが変わります。ある日はすすきの方に「パンタグラフ」(架線から電気を取る機械)が乗っていれば、その翌日は西4丁目方にパンタグラフが乗っている、と言う事になります。
 そのため、前面・側面それぞれ違う今年の雪ミク電車を撮影する際には可能な限り1日で片付けてしまった方がいいかと思います。

その4 最後に
 去年と同じことを書きますが・・・市電の撮影は、他の車が被ってくることがあり、正直一発で「これは!」と思う写真を撮ることが難しいと思います(このあたりは電車よりもバスの撮影と共通する部分があります)。車と被られても仕方ない、と言う前提で撮影をして頂ければと思います。
 雪ミク電車を見かけても、走るのは控えた方がいいと思います、特に雪の無い所から来た方は。自分も雪とは全く関係ない静岡民なのですが、普通に歩いても凍結しているところでは転びそうになってしまいました。くれぐれも慌てて走ってスッテンコロリンで怪我して撮影出来ない・・・と言うのだけは気をつけましょう。
 あと、何よりも重要なのは「車道に出ちゃダメ、ゼッタイ」です。雪道ですと、どうしても歩道と道路の区別がつきにくいです。雪ミクさんへの愛で車道に出てしまいそうになるのかもしれませんが、そこはグッと押さえて、事故にならないようにして下さい。

 また、電車は「色んな方」が乗っています。お年寄りの方、小さな子を連れている方、仕事で移動中の方などなど。特に車内では他の方の迷惑になるようなことはしないようにしましょう。来年も走るかどうかは、自分も含めたミクさん好きの方々の態度で決まってくるのかもしれません。

 それではどうぞ、「雪ミク電車」をこの冬も楽しんで下さい。