静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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三十路会な訳だが.

30代に昨日なった.昨日は昨日で出張〜残業と言う記念日には相応しくない日で何も考える気力すらなかったので,色々と考えてみた.

学生の頃は「30歳」って言うと「おっさん」って言うイメージになってしまっていた訳なんだが,自分がいざ30歳になってみると「おっさん」って言う事を内面から全然感じない訳で.いや,確かに徹夜なんかやった時は一日しんどいとか,酒も弱くなった(飲めない訳じゃないけど,飲む頻度がかなり減っている)とかって言う部分では「若くは無いなぁ」って思う所はあるんだが,相変わらず学生の頃の友人と付き合って激しくヲタ活動をしたりとか(いや,それでも多少は濃度は薄くなった)って言う感じで,学生の時以来十年一日な生活を送っている訳で.そんな感じでいるから「まだ大学を出て2,3年目と言った若手」って言った感じが全然抜けなくて困っている.んまぁ,今居る職場じゃ正職員としては一番若手の部類に入るわけだから,確かにそんな部分が抜けないのは事実.
だけど,最近になってよく言われるのは「お前,そろそろ身を固めた方がいいんじゃないのか?」って言う事.確かに心配も分かるし,自分自身も家庭に対する憧れ的なものを結構持っているのもまた事実な訳で.んまぁ,色々と言い訳をするのは簡単なんだが,一番の根本に「怖さ」って言うのがそこにある.何が怖いかと言えば,変な話ではあるが「自分自身」が一番怖い.
何で自分が怖いのか?と言えば「経験が無に等しい」って言う所な訳で.いや,確かに付き合った人は居るがあくまでも「友達」レベルでの付き合いに終わってしまい,そこから先に踏み出す勇気を持てなかった自分の不甲斐なさに振られてしまったって言う事もあるわけで.正直,今でも悔やんでいる.あのとき,何で応えられなかったんだ,って言う事は.

確かに,その頃の自分を振り返ってみると「他人に構っちゃられなかった」ってのがあった.その頃会社で受けていた上司からの職務命令を越えたイジメ.正直に言えば,その頃に出来てしまった自分自身の卑屈な態度ってのは今でも治ってはいない.14日間連続勤務,毎日毎日の残業(下手をしたら徹夜なんて言う事もザラだった),そして,何度もダメ出しを受けてOKを貰った筈の書類が翌日にNGになった事,それも「気に入らないから」と言う一言で.しまいには,残業をして居るときに飲んで来た上司が事務所に入ってきていきなり説教を受けたとか,その説教の中で「お前の親もダメな奴だ,そんな奴はとっとと会社辞めて一家心中した方が楽じゃないのか?」と言われた事もあった.
 上司と喧嘩をするだけの気力は無かった.何故ならば,仮に会社を辞めたとしても次の職場を見つけるだけの自信は無かったし,何よりもここで辞めたら向こうの言いなりになってしまう,と言う浅はかな勘違いをしていた訳で.それでも仕事そのものは好きだったし,同僚は本当にいい奴ばかりだった.
 だが,結果的には会社を辞めた.事業部長に上司の悪行も全部話し,対処を依頼したが結果としては結局何も変わらなかった.耐えきれなかった.そこまでして一生の仕事にするだけの価値がない,そう思ったとき,素直に退職願を書く勇気が生まれた.

 そんな中で付き合っていた人も居たが,結局「俺のような奴には他人を幸せにする事が出来ない.正直,このままの状況だと俺も負担だから,ここで終わりにしよう」と自分から言ってしまった.ゲームセット.負け.相手の想いを受け止められずに試合を放棄.最低.20代の最大の過ち.27歳の冬の寒い日.

 自分に自信を持ちたい,その想いで一心に仕事をして来た.

 本当に自分自身に自信を持てるようになったのか?これだけの事をやっていると胸を張って言えるのか,いや,「こんな俺だけど,一緒に歩いていこう」と言えるだけの自信を持てるようになったのか?自問自答する.分かんない.確かに上司には怒鳴られながら仕事を今でもしている.けど,違うのは「確かに誰かのために仕事をしているんだな」って言う実感と誇り,「もっといい明日を創りたい」と言う強い想い.それを毎日の仕事の中で感じているし,

 今ならば,あの日の答えもこう言えるのかも知れない.

「こんな俺だけど明日を見捨てちゃ無いし,まだ出来る事は色々あるはず.だから,恐れずに一緒に歩いていこう」

 さぁ,30代.
 何が起こるか分からないけど,明日は明るいと信じて歩こうとしましょうか.