静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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くろみちゃん2

普通だったら[ダメ人間]って言うカテゴリーに含むべき話ではあるが,どうも「くろみちゃん」の場合にはダメ人間,って言うカテゴリーで話をしてしまっては失礼と言うような気がするので,敢えて[雑件]と言うカテゴリーで話をしてみることにします.その点ご容赦下さいませ.
監督が大地丙太郎さん,作画監督渡辺はじめさん,と言うラインだけでヲタ的には相当来てると燃える(決して「萌える」ではない!)作品なのだが,そんなヲタ的観点を排しても鑑賞に堪えうるのではないだろうか?と思うわけで.
え〜っと,話の内容は↑のリンクを踏んで貰えれば分かると思うんですが,一言で言ってしまえば「アニメーションの現場に来た新人が色々な修羅場を乗り越えて頑張っていくお話」って言うわけなんですが,どうも見ていると「別世界のお話じゃん,それって萌え第一主義者の俺らには関係ないよねぇ」って言えない部分があるんですわ.その部分って言うのは「熱さ」って言う所じゃないかと思う.
自分自身も,今の産業振興って言う職に就いてもう3年目と思う反面で,やっぱりその中で2年間は総務で出納の仕事をスケジュールに追われながらやっているだけあって,やっぱり現場の事は知らない.そのうち(って言っても何年後の話になるのかは分からないけど)現場に出るときになったら,やっぱりその時は新人.業務を見ている中で色々と知った事やら何やらで完全な新人とは言えない訳になるかもしれないけど・・・やっぱり新人.で,その上タチが悪いことに「産業政策のありかた」なんて言う研究をしている訳で,今の段階では.目的や希望は確かにあるかも知れないけど,その新しい部署に入った日には「余計な考え方持ちやがって」って言われる事は正直目に見えている.
こう考えてみると,この話の主人公のくろみちゃんとおいらのそのうち迎える立場って言うのはどこか似ているって言う気がする.いや,別にヲタだからどうこうって言った訳じゃない.「日本のアニメは私が作る!」と言う主人公くろみの心意気と,「もっと賑やかな,活気のある地域は俺が作る!」と言う今のおいらの心境〜確かに言い過ぎかもしれないし,正直言えばこんな事言うのは恥ずかしい.けど,誰だって何かを始めるときにはこんな大きな志を持っているのではないだろうか?そう思わなくては何事も出来ないんじゃないかと思うし,その志があってこそ時代は変わるんじゃないのだろうか〜はどこかに共感するものを感じるわけで.けど,その想いって言うのは絶対に忘れちゃならないものだと思う.と言うか,おいらはその想いを忘れたくはない.
けど,その一方でこの話の中に出てくる高島平〜言うなれば,仕事の結果だけに目を奪われてしまい,その方法は問わないと言うような人〜も確かに自分の心の中に居るのは事実かもしれない.「とにかく時間までに仕上げればいいや」と言うような心,そして,そのためには手段を選ばないと言う行動.確かにそんな冷めた目を持つ必要はある.けど,だからと言って「結果だけが出ればいい」とは思わない.いや,正直言って前の勤務先で営業の数字が上がらなかった頃,悪魔に魂を売ってでも数字が欲しい,そう切に願った事はあったし,実際に悪どい事も正直言ってやった.けど,その結果はやっぱり「悪魔に魂を売った」結果であった.得たものと失ったものを考えたとき,やっぱり失ったものが多かった.熱くなれない.どこかに後ろめたさを持ちながらやっている訳だから正々堂々としていることができない.それが正直言って耐えられなかった.
それだったら,やっぱり「馬鹿」だの「アホ」だの罵られようとも真っ直ぐに走っていきたいし,走っていく中で色んな事を経験してそれを知識に変えればいい.妥協をする事も必要だけど,無理だと分かっていても真っ正面から突っ込んでいくだけの勇気,そして,あたりから「お前,うざい」と言われる位の熱さは本当に持っていたいと思う.
某社のCMじゃないけど「この国に欠けているのは,大きな志だと思う」.大きな志を持つためにはどうしたらいいのか,そして,何をしなくてはならないのか,それを考えるきっかけになるのがこの「くろみちゃん」と言う作品じゃないのかと思う.