静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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ナイスパス


遠州鉄道は二十日、電車とバスの乗り降りがスムーズにできるICカード「ナイスパス」を本格導入した。電車とバスの共通ICカードの導入は全国初。十九日までに三千人がすでに購入の申し込みをしており、同社は十五万人の利用を見込んでいる。同日、浜松市新浜松駅では本格導入を記念したセレモニーも行われた。(中崎裕)
 遠州鉄道浜松市や国、県が進める「オムニバスタウン事業」の一環で、精算時間の短縮などが狙い。平成十三年から一部のバスで試験運用してきた。駅の改札口とバスの運賃箱に専用の機械が設置され、あらかじめ入金処理しておいたカードを機械に近づけるだけで料金の支払いができる。電車では切符の購入、バスでは整理券を取って小銭を運賃箱に入れる必要がなくなる。
 遠州鉄道新浜松西鹿島間の全駅と、遠鉄バス全線で利用可能。
 カードの販売は駅の窓口やインターネット、郵送で行う。カードへの入金は駅やバスの車内でできる。
 来年四月三十日までは、カードを買う際に必要となる預かり金五百円を、名前などを申請した人に限り無料とするキャンペーンを継続する。 
近づけるだけで精算OK 遠州鉄道がICカード導入 -中日新聞 in しずおか
 いささか旧聞に属しますが、いよいよスタートって言う事でNHKのローカルニュースでも報道されていました。JR東日本JR西日本のような大手鉄道会社で使われているサービスが静岡の鉄道会社でも提供されるって言うのは個人的にもすげーって思うと同時に、その背後にある「浜松の特殊性」って言うものも正直言って感じてしまいます。静岡(この場合は中部、って言う事で)とは違って鉄道駅を中心としない都市構造が出来上がっている分、自家用車のような個人的な交通手段との競合が激しく、その中で公共交通機関の持つ優位性をどのようにアピールしていくのか、そして、今まで言われていた公共交通機関の持つ不利な所をどうやって解決していくのか、それを浜松と言う地域で示そうとしている心意気を感じます。まぁ、尤も、この地区の輸送機関が遠州鉄道1社で独占されている(JRや天竜浜名湖鉄道もあるけど)って言う事を活かした施策でもあるんですが。かく言う私も、今は殆ど無いんですが、部署が変われば浜松方面への出張が多いので早速インターネットから申込みしておきました。でも、一体いつになったらチャージをするんだろうか?って考えると暫くは鉄ヲタじみた行動になってしまうんですけどね。まぁ、遠州鉄道保険部には漏れの名前が顧客名簿に載っているんだから、別にこの会社に個人情報を送るのは苦じゃなかったりする(苦笑)。
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 まぁ、恐らく静鉄なんかの県内他事業者でもこのICカード乗車券は導入されると思います。特に、静鉄なんかは浜松市と同様に静岡市が「オムニバスタウン事業」の都市に指定されているだけに、公共交通機関のユニバーサルデザイン化を進めていますからね、と言いながら、旧清水市にあるJR草薙駅は相変わらずの旧態依然のまんまなんですねどね(怒)。駅舎の建て替えも新幹線の絡みでなかなか話が進まないとか。新幹線は静岡にとってやっぱり邪魔者なんだろうか、と言ってみるw。
 そう考えると、やっぱりJR東海が言っている「ICカード乗車券を導入する考えはさらさらありませんが、何か?」って言うのが正直言って「何考えているんじゃ、ボケ」って言うようになってしまうんだよなぁ。確かに新幹線の単価が高いって言うのはよく分かるし、儲かるところには投資をしないとなんないって言うのはよく分かるんだけど、「地域の足」って言う観点で言えば正直疑問。場所によっては自家用車も確かに必要だけど、県内の公共交通機関のユニバーサルデザイン化を進めると言う観点から見たときには、JR東海ICカードを導入しないって言うのは思い切り足を引っ張るって思うんだが。
 恐らく、遠州鉄道の「ナイスパス」の結果がある程度見えた時点で、県内他事業者もICカード乗車券を導入する可能性は大きいと思う。その時にJR東海も導入へ向けた動きを見せてくれれば、って思うんだけどなぁ。まぁ、それこそ、県が補助金をマジで出してもいいと思うぞ。(あ、これをやってしまうと伊東線各駅に導入したJR東日本にも出す必要があるか(苦笑))。