静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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暗黙知を形にしてみる。

 諸事情あって、海外旅費の内規を作っているんですが。特に上長からやれって言われた訳ではないのですが、幸いにして必要性って言うものは理解して貰っています。まぁ、通常業務や監査関係の資料作りが優先事項になっていて、プライオリティは低いんですけどね。
 実際、旅費制度そのもに関しては本庁のものを下敷きにして作っている訳ではあるんですが、やっぱり本庁と同様のシステムを使っている訳ではないので、どうしても色んな部分で齟齬が発生していたりします。まぁ、そこらへんは別に「別法人ですが、何か?」とアカウンタビリティーを確保すればいいんですけど、やっぱりそれ相応の合理性が求められる訳で。そう言う面では特に海外出張って言うのはレアケースなので国内出張の場合を基本にして決裁権者を引き上げるとか言う措置をしていたり。あと、各事業課で旅費計算を行うのではなく、総務で一括して旅費計算をしてみたりしています。
 で、これを内規とは言え規程と言う形にする事は、今まで持っていた「考え方」と言うものを文書化する訳で。やってみると案外難しいものです。たとえば、「国際線の航空運賃」と言ったときに、羽田(国内線)関西(国際線)海外と言う乗り継ぎをする場合、どこから「国際線の航空運賃」とするのかとか、現地で現金で支払いを行った場合、帰国後の精算の際に使う通貨レートはどうするのか?とか言った「別にそんなのどうでもいいじゃん」的なものまで考えてしまう訳で。やればやるほどドツボにはまっていきそうなような自分が居ます。
 けれども、個人的に一番「どうなのかなぁ」って思うのは「この規程を作った時に考えていた事とか周辺状況って一体どこまで後々引き継がれていくのかな?」って言う部分なんですよね。一応は自分自身旅行屋さんで仕事をしていたわけですし、一応はそれ相応の知識はあったりします。マニアって言う部分もあるんですが、まぁ、それはそれで別としても。そう思うと「暗黙知をどうやって顕在化させるのか?」って言う問題の難しさに通じるものがあるんじゃないのかな、って思うんです。
 恐らく、この海外旅費内規が出来て、正式に決裁が取れれば旅費関連規程として効力を持つようになるとは思うのですが、問題は実際にその内規を使って仕事をする人だと思うんです。恐らく「何でこんな事書いたんだろ」とか言う部分も出てくると思いますし、社会状況が変われば「何でこんな小難しい事をやってんだろ?」って思う人も居るのかもしれません。暗黙知もそんなもんなんじゃないのかな?って思います。周辺の社会状況やそこに居た(居る)人によって形成されたものがコミュニティ内で共有される。その共通のコードが理解出来れば仕事も何でも良く進む。けれども、そのコードが理解できなければなかなか上手く行かない。恐らくこんな事はどんな社会にもあるんじゃないのかなぁ・・・って。
 ああ、こんな事を考えながら仕事をしている間にもう11月も終わりそうだよ。一体どうなる事やら、今年の年末はorz。