静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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また合併なの?

会社に来た夕刊の見出しを見て驚いた。


 県市町村合併推進審議会による小規模自治体の合併の枠組み検討が進む中、伊豆南部の経済界に賀茂6市町合併(下田市、東伊豆、河津、南伊豆、松崎、西伊豆町)を求める動きが出てきた。過疎と少子高齢化、観光低迷で、行き詰まりつつある行政基盤の強化を図るのが狙い。現状では団体間で温度差が見られるが、足並みがそろえば同審議会、関係市町への大きなアピールとなる。
 「まず、賀茂を1つに」。こう提唱するのは萩原聡治下田商工会議所会頭。6市町の商工会長、観光協会長に呼び掛け、12月1日に初の市町村合併勉強会を開く。
 背景には市、町の財政難に伴う商工会などへの大幅な補助金削減がある。下田商議所の場合、本年度30%近く削られた補助金が、来年度はさらに50%カットの見通し。職員人件費を削っても、中小企業や商店への経営指導、支援事業の停滞は必至で、地域活性化は遠のく。
 県などが10月にまとめた財政シミュレーションは、賀茂の多くの市町は「数年先には今以上に財政がひっ迫する」と示唆する。萩原会頭は「住民投票結果や合併協議会破たんのいきさつもあり、行政側から合併推進を唱えにくい実情がある。経済界が旗振り役となりたい」と強調する。長田裕二郎南伊豆町商工会長は「経済圏が広がる」と期待する。竹内幸夫東伊豆町商工会長は「将来は必要だが、町が単独で努力する考えの時、われわれが先走れない」と慎重姿勢。斉藤文彦松崎町商工会長は「様子を見たい」と話す。
 一方、市町長側は「県の構想が出た時点で対応を考える」(片野武東伊豆、鈴木史鶴哉南伊豆町長)との見解が主流だったが、変化の兆しも見え始めた。27日の町長選で再選を果たした深沢進松崎町長は「大きい合併を目指すべき」とし、石井直樹下田市長も「大きな枠組みが必要」とみる。賀茂郡町長会長の桜井泰次河津町長は「実現には県の支援策が不可欠」と主張する。
 歩調がやや異なるのは賀茂村と合併し、4月に新町のスタートを切った西伊豆町。藤井安彦町長は「合併したばかり。すぐ次の合併では住民が納得しない」とし、周囲の動向を静観する構えだ。
賀茂6市町 合併へ動き 伊豆南部経済界が旗振り静岡新聞 11/30確認
 まぁ、まだ確定って言うわけではないので要注意ではあるんだが、果たして商工会・商工会議所の思惑通りに事が進むのか?って言う事では正直言って疑問な訳で。確かに県の財政事情は逼迫しているし、ましてや町部の財政事情を考えると確かに分かる。伊豆の方も近年の観光構造の変化で以前のような確実にお客さんが来るって言う状況にはなってないし、これから先本当にどうすればいいのか?って言う事を真剣に考えないとならないんじゃないのかな?って思うわけで。
 けれども、確実に言えるのは経済界の思惑だけで進んでいったらダメだよ、って言う所になると思う。個人的に不思議に思うのは「経済圏が広がる」って言う部分。静岡や浜松の場合には、核となる都市があったが故に合併してもそんなに経済的な所ではおかしい部分はないと思うし、特に静岡・清水の場合には実質的に同じ経済圏を形成していた訳で。しかし、この賀茂地区の場合には一体どうなるのだろうか?
 松崎にせよ、下田にせよ、河津にせよ、それぞれが明確な形での「温泉」をベースにした地域資源を持っている訳だし、まずはこの「地域資源」をどうやって活用するのか?って言う事を最初に考えなくてはならないと思う。まぁ、そのためのかかりつけ湯構想ではあるんですけどね、と全然関係ない人間が言ってみる(笑)。実際、河津から松崎の方へ抜けるには婆娑羅峠を越えなくてはならないと言う地勢的条件が存在しているし、その地勢的条件の上に存在する文化、って言うものを考えると河津と松崎に同じような文化が存在するとは思わない。で、この文化の特色を消してしまっていいものか?って言えば、それはそれでNoと言わざるを得ない訳で。
 しかし、行政基盤が安定し、有る程度の財政的な基盤を持てば様々な施策を実施する体力を持つ事になるはず。また、回遊性を持たせた地域作りができるのではないのかな?とも思うわけで。どこかに違和感を感じながらも、やっぱり一つになる必要性があるなぁ・・・って言うのは実感している訳で。
 蒲原の合併問題も、色々とあるようで。しかしながら、今から時計の針を戻すような事は出来ない。少なくとも思うのは、地域の将来像を現実に即して明確に描いた上で、その将来像を実現できるような体制作りをする必要がある、って言う事だと思う。