静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

そりゃ無ぇんじゃねぇの?

 少し古いですが、こんな新聞記事が。


 熱海市の斉藤栄市長があらためて撤回拒否を表明した「市財政危機宣言」をめぐり、熱海商工会議所など業界団体が反発を強めている。20日の市議会本会議で小差で可決した観光施策の補正予算は、「関係業界との協議を経た上で執行する」という異例の付帯決議付きのため、せっかく予算が通っても、業界の協力が得られずに執行できない事態となりそうだ。
 問題となっているのは、斉藤市長の選挙公約で、12月定例会提出の補正予算に盛り込まれた「観光戦略室」の設置。議会の可決を受けて年明けにも準備室を立ち上げる予定だったが、戦略会議の主要メンバーになってもらう予定の観光団体がいずれも委員就任を拒否。22日も商議所、観光協会、旅館組合のトップの元を市長、助役が直接訪問したり、電話で要請したりしたが「危機宣言の撤回が先」と断られた。
 危機宣言をめぐっては市内の観光9団体が「誤解を与え、観光地のイメージを損ねる」として2度にわたり宣言の撤回を要請。「せめて、穏当な言葉に直してほしい」と譲歩しても、突っぱねられた。ある観光団体トップは「(観光業界をピンチにしている)危機宣言が、観光戦略室と矛盾していることを理解していない」と怒りをあらわにする。
 斉藤市長は、議会が20日の本会議で「財政危機宣言の撤回を求める要望」を決議しても、撤回の意思は示さず「危機という言葉を使ったのは正しかった」と言い切った。熱海商議所の大野英市会頭は「行政は議会とはもちろん、市民、業界と一丸となって取り組まなければうまくいくはずがない」と指摘する。
観光団体が協力拒否 熱海市長公約の戦略室設置静岡新聞 12/27確認
 何か不毛な対立してるなぁ・・・って思いながら、そう言えばこの人って「落下傘」なんだよな、って思って経歴を見直すとこんな感じ。

早稲田大学環境総合研究センター客員研究員
1963年東京生まれ
1988年東京工業大学大学院修了(土木工学専攻)、国土庁(現国土交通省)入庁、都市整備、地域振興、交通体系整備、土地利用、防災などの国土行政に携わる
1999年国土庁を退職、学校法人グループにおいて、福祉と教育の現場を体験
2003年国会議員政策担当秘書
米国デューク大MBA
著書「まちづくりから日本を変える」海南書房、「官僚が嫌われる理由」PHP研究所
静岡県熱海市在住
斉藤栄の熱海ブログ
 確かに今の熱海は危機的な状況にあると思いますよ、正直な話。観光的な面から見た場合にはどうしても他の地域と比べると魅力が今ひとつ欠けていますし(このあたり、旅行屋さんフィルターが今でもかかっていますが)、今まで熱海の旅館があぐらをかいてた、って言うのもまた事実。で、結果的に「熱海は行く気しないよねぇ」って言うような感じになっているのもまた事実な訳で。
 で、そこに「何とかしたい」って言う想いを持っている人が市長さんになるのはいい事だと思うんですよ。その事に関しては否定しませんし、むしろ必要な事だと思うんですよね。市長さんの経歴を見ても、かなり色んな経験を積まれているって思いますし、外部の視点を内在化させるためには必要だと思うんです。
 正直言って、市長も市長だし観光業者も観光業者なんですわ。
 まず、観光業者側の問題点。
 この記事の中で「危機宣言をめぐっては市内の観光9団体が「誤解を与え、観光地のイメージを損ねる」として2度にわたり宣言の撤回を要請。」って言うくだりがありますが、旅行会社の中の人や観光客って言うのは「そのまちの雰囲気」ってもんをよく見ているって思いますよ。はっきり言えば旅行会社はかなりシビアに見るでしょうね。だって、自分たちでは精一杯の手配をしたとしても、現地に着いてまちの様子や旅館のサービスがかなりgdgdだったら「誰があの旅行会社を二度と使うか!」って言う事になりますから。正直、その部分をあんまり理解してないんじゃないの?って思うんです。
 確かに「危機宣言」って言う言葉の響きは正直な話無茶苦茶悪いと思いますよ。けど、今までのものに胡座をかいた十年一日の事をやっていれば「危機宣言出さなくっちゃやっちゃらんねー」って思う部分が出てくるのは必然だと思うんですよね。自分たちの経営だけじゃなくって、結果として地域そのものの魅力も失われてしまう訳ですから。
 で、行政側って言うか市長の方にも難ありだと思うんです。
「斉藤市長は、議会が20日の本会議で「財政危機宣言の撤回を求める要望」を決議しても、撤回の意思は示さず「危機という言葉を使ったのは正しかった」と言い切った。」って言う部分は、それだけ行政側が危機意識を持っているって言う事の現れでしょうし、むしろ押し切る位の意志を持っているって言う事は必要だと思うんです。けど、市長さんの経歴を見るに、どっかで「驕り」があるような気がしないでも無いんですよね。Blogの方を見るとあちこち回っているみたいではあるんですが、さて、本当に地元の人の考え方を理解しているのか?って言うと著しく疑問なんですわ。
 恐らく、行政側も業者側も「いまのままじゃかなり不味い」って言う事を理解しているとは思います。ですが、たった一つの言葉でこんな不毛な状況に陥るなんて・・・何か地元に住んでいる人を馬鹿にしちゃいませんか?って言うように思うんですよね。「こうしたい」って言う意志を持っている人をコケにしていると言うか何と言うか。お互いに同じ事を考えているんだったら、本音トークで話をするって言うのが一番大事なんじゃないのかなぁ・・・って思います。
 まぁ、行政と市民との対立って言う事で言ってしまえばそれでおしまいかもしれませんが、熱海にある色んな資源を使うって言う事を考えると、あまりに無駄なような気がしないでもないです。