静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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有効活用。

 で、何か上のエントリだけでは「ネタ」日記扱いされてしまいそうな訳なんだが。
 個人的にはこのDMVと言うハードは確かに面白いと思うし、実際見てきても非常に面白かったわけで。実際、富士市はこのDMVの導入で以下の路線を考えていると言う。


東田子の浦駅→道路→岳南江尾駅→鉄道→ジャトコ前駅→道路→富士駅→鉄道→道路→新富士
DMVデモンストレーション走行パンフレットより(発行:富士市都市整備部都市計画課)
 実際、自分自身富士市に住んでいた事はあるのだが、最近の状況に関しては正直な話あんまり理解していない。だが、確実に言えるのは「渋滞して岳南鉄道のダイヤに支障が出たらどうすんの?」って言う部分である。これは、東京における湘南新宿ラインの運行開始における遅延の首都圏(どころか静岡支社管内も影響を受ける)全域に対する波及と言う問題に近いものがある。まぁ、極論かもしれないが。
 実際、一番需要が多いと考えられる朝夕に関してはどうしても道路交通の渋滞が考えられる訳で、問題はその道路部分(特に富士駅〜ジャトコ前間だろう)をどうやって切り抜けるのか?って言う事になる。それこそバス専用レーンを整備したりとか、DMVで運行するバスが接近した場合には優先的に交通信号を切り替えると言ったDMVと言うハードの持つ優位性を確保するような道路交通側の施策がまず必要になるのではないだろうか。現状、バス優先レーンに関してはそんなに静岡県内では事例を見かける事はない訳だし。「そんなDMVなんてもんに金をかけるんなら」って言う自動車側の声も出てくるのではないだろうか。受益者が少ない、と言う観点から。さらに言えば今日1/14も、次回運行の1/21も日曜日である。岳南鉄道の最大の顧客である紙貨物輸送も少ないから出来た、と言う事も出来ないのではない。
 これが恒常的になった場合、実際の運行主体である岳南鉄道はどう動くのか、そして、富士急静岡バスはどう動くのか。何らかの形で補助金のスキームは組上がるのかもしれないが、あくまで両社とも民間の会社であり採算ベースに乗らない限りは動かないと考える。その「儲け」をどうやって担保するのかが気になるところである。運行区間は確かに長いが、その利便性を享受しない人に対してどのように行政が説明をするのか。
 ハードとしては、後は車両定員の問題を解決すれば問題はないような気がする。だが、そのハードを活かすためにどのような様々な仕掛けを作っていくのか、ここがこの富士市における都市型DMV実用化の鍵を握るのではないだろうか。