静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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高速ツアーバスのビジネスモデル(1)

何かこのビジネスブログも「バス業界」の話からスタートしている部分も多いのですが、それは仕様として諦めて下さい。だって、中の人がバスヲタ、それも筋金入りの高速バスヲタですから(苦笑)。でも、基本はどんな業界にも考え方は応用できます。
今日から暫くは、「高速ツアーバスのビジネスモデル」と言う事で連載っぽくやってみたいと思います。何か某大学校での実習を一人でやるような勢いですが(謎、それはそれでいいとして。
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1 外部環境分析ー法的視点から

まずは「バス業界」と言うものを法的視点から見てみたいと思います。
どんな業界に関しても「法的規制」はある程度存在しますが、バス業界に関しては「道路運送法」と言う法律で規制がかかっており、普段見かけるバスも「道路運送法」で見ると幾つかのカテゴリーに分けることができます。

バスの種類 大まかな区分 法律上の区分
70系統県立総合病院行 路線バス 一般乗合旅客自動車運送事業
駿府ライナー 路線バス 一般乗合旅客自動車運送事業
渋谷・新宿ライナー静岡号 路線バス 一般乗合旅客自動車運送事業
社員旅行の時のバス 貸切バス 一般貸切旅客自動車運送事業
Oレンジツアー 貸切バス 一般貸切旅客自動車運送事業

大体イメージ付いたでしょうか・・・って、露骨に静岡市内の方向けなんですが(苦笑)、日頃見ている「バス」と言っても「路線バス」と「貸切バス」の2種類がある事がおわかり頂けたかと思います、イメージとして。では、今度はいつお金を、誰に払うのか(=契約をいつするのか)と言う事で見てみたいと思います。話が面倒になるので、「バスツアー」に参加するときと「高速バス」に乗るときの申込みの仕方を書き起こしてみましょう。


1 お客様が、旅行会社に申込みをする。
2 旅行会社が、お客様からの申込みを受け付ける。
3 旅行会社が、お客様に「出発決定」の連絡をする。
4 旅行会社が、お客様に請求書or振込用紙を送付する。
5 お客様が、旅行会社に代金を支払う。
6 旅行会社が、お客様に契約書面を送付or手交する。←旅行契約の成立
自分が旅行会社に居たときの流れが大体こんな感じでした。タイミングによっては一気にやってしまう時もありましたけどね。では、高速バスに乗るときはどうでしょうか。流れとしてはバスの切符売り場に買いに行く事を考えて見ましょう。

1 お客様が、バス会社に申込みをする。
2 バス会社が、お客様の希望する便の空席を照会する。
3 バス会社が、空席が有ったときには乗車券を発券する。
4 お客様が、バス会社に代金を支払う。
5 バス会社が、お客様に乗車券を手交する。←運送契約の成立
誰ですか?業務フローチャート思い出させるなんて言った人はw。
でも、大体手順としてはこんなものになってくると思います。尤も最近ではインターネット決済もありますので必ずしも乗車券が手交される訳ではないですが。ですが、この流れの中で敢えて主語を明確にした理由があります。それは「契約先がどこなのか」と言う事です。バスツアーの場合には「旅行会社」が契約の主体になり、高速バスの場合には「バス会社」が契約の主体になる点が要注意です(まぁ、バスツアーの場合には焼津の某A社のようにバス事業部と旅行事業部が同じ会社のケースもありますが)。すなわち、「バスツアー」の場合にはお客様は直接「バス会社」と契約するのではなく、あくまで「旅行会社」と契約をすることになり、「高速バス」の場合にはお客様は直接「バス会社」と契約をする事になります(共同運行便の場合はどうなの?って言う事がありますが、本論とは関係無いので省略します)。

端から見たときには同じような流れ、ですが、バス会社と旅行会社、実は依拠している法律は全く異なります。
ここらへんの話は明日以降で書いてみたいと思います、はい。