静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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12/23 あさぎり5号 新宿→沼津

 前回(12/17)の「あさぎり2号」が松田以遠無念の運休、と言うのがあったのかはどうかは別にしても、来年3月17日のダイヤ改正で「あさぎり」号の運転区間が新宿沼津間から新宿御殿場間に短縮になると言うことや、JR東海371系小田急20000形が撤退と言うこともあり、「早いうちに乗っておきたい」と言う事もありました。
 本当だったら「渋谷・新宿ライナー静岡57号」で草薙一里山まで帰ってくるつもりでしたが、何だかんだ言って、結局「あさぎり5号」で帰ってくることにしました。

 何度も「あさぎり号」には乗りましたが、乗車当日に特急券を買ったりとか、乗車券を草薙まで通しで買ったりとか言うのは正直珍しい話で。いっそのことグリーン車乗ってしまおうと言う事も考えたものの、何れにしても普通車も乗っておきたいと言うのもありますので、今回は「窓側」と言う希望で。空席は相当あるので問題は無かったのですが。

 新宿を13:50の定刻に出発。複々線区間の始まる梅ヶ丘までは前の列車に頭を抑えられているのかのんびりとしたペースで走って行きますが、複々線区間に入ると加速。運転開始をした頃には複々線区間は殆ど無かったのですが、確かに20年。本当に時間は流れていました。途中の新百合ヶ丘も更に建物も増えていたりとかしていましたし、混雑している区間も相変わらず新宿から町田までと言った状況。町田まではほぼ満席だったのですが、町田で半分位になり、次の本厚木で更に1/3位になると言う状況。この混み方も相変わらず、と言った感じでしょうか。


 
 小田急車はJR車と同様にグレーを基調にした車内になっているのですが、少し薄めのグレーと言った感じでしょうか。比較的好きな車両ではあるのですが、やはり20年と言う時間がもたらした「疲れ方」と言うのはあるような気がします。20000形が嫌いな訳ではない、むしろ好きなのですが、どうもJR車と比べると「やっぱり短距離特急」なのかな?と思うような造作は相変わらずな部分もあるのですよね、特に普通車に関しては。しかし、ハイデッカー構造と言うのは眺めも良く、気がついたらうとうととしてしまう感じもありました。
 小田急線はそんなに乗って居るわけではないのですが、やはり「あさぎり」で何回も通ったルート。駅名は分からないまでも「ああ、どのへんなんだな」と言うのが分かります。すぐそばには東名高速が通っていますから、「ああ、このあたりを外から見るとこうなんだ」と言うような結構新鮮な発見もあったり。

「あさぎり」号の面白い所は、小田急線内はしずしずと走っていたのが、御殿場線に入ると豹変して、峠道をグイグイ登っていく所なのかと思う。それが故の専用車両と言うものかもしれないが。この連絡線を走るのもあと数ヶ月、そして、御殿場線を走るのも後数ヶ月。天候もそんなに良くないのに沿線にはカメラを構えた人が多くいたり、車内も「お別れ乗車」と思しき人も見られる状況。
 ・・・とは言うものの、御殿場から先は相変わらずの乗車状況。自分の乗っていた号車は5人しか居なくなってしまったわけで、これが「あさぎり」の現状であるのかもしれない。また、実際に沼津新宿間は高速バスも走っているし、三島新宿であれば小田急グループ小田急箱根高速バス沼津登山東海バスが「三島エクスプレス」として三島新宿間を結んでいる。それこそ、この位のお客さんならば「高速バスで行けるかも」ということで、ひょっとしたら「三島エクスプレス」が「あさぎり」に引導を渡したのかもしれないのではないのかな、などと考えてみる(実際には新幹線を使う人が多いけど)。

裾野の手前で雲間の太陽から照らされる駿河湾をようやく眺めることができ、新宿行の「あさぎり6号」と交換する。今日はたまたまこの「あさぎり6号」に知人が乗車しており、車内でお互いに手を振ってしまうと言う事をしていたりするのも、本当に「最後が近づいている」と言うことなのかもしれない。

そして、何事も無かったかのように沼津駅にたどり着く。
自分は東海道線で更に東へ、車両はつかの間の休息のために車庫に引き上げる。

こんな風景があった、と言う事もどこかに留めておきたい。
ある寒かった冬の日のことを。