静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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CtoB (Customer to Business)を考えるとっかかり(メモ的に)

 ここ最近、何故か自分の身の回りで"C to B"と言うものについての話が結構賑やかになって来ています。それこそ"BtoB"であるとか"BtoC"って言う文脈から「顧客から企業への商流」と言う定義は出来るのですが、さて、実際の部分でどんな所があるのかなぁ?と思う部分もあるわけで。
 おそらくこの手の話は興味がある方と無い方がいらっしゃると思うので、少し折り曲げておきおます。
 あ、あくまでも考えている事をたれ流しているだけなので、論考としてはまだまとまっていません、つか、今後深めて考えていくべき課題なのかなと言う認識に立って書いているだけですから(汗。

 あー、今日はバスの話じゃないからねw。
 BtoB にしても BtoC にしても、「昔からあったもの」を「言葉に表したもの」って言うような理解があります。"BtoB"であれば企業間の流れ(左側から右側に財が流れ、左側から右側にお金が流れる)ことを端的に表現したものです。それこそ「元請けと下請けの関係」でしょうし「メーカーと卸問屋」の関係。"BtoC"であれば企業と個人間の取引、すなわちメーカーから最終消費者への流れや店舗から最終消費者への流れになるわけです。正直、毎日の生活の中で「本を買う」とか「通販でパソコンを買う」って言うような行為を見る事ができるのです。

 そんな言葉面の定義で考えれば"CtoB"と言うのは「最終消費者から企業に財が流れ、企業から最終消費者にお金が流れる」と言うような構造です。例えて言うならば、今は流行っている「アフェリエイト」なんかも"CtoB"に含まれてくるのかもしれません。Consumerである個人がある企業の広告をBlogやウェブページに掲載し、その対価として金銭を得ると言う事になるのかなと思うのです。そうなってくると、既存の「商売」と言う頭では考えにくいのではないのかなと思うわけで。

 では、一体何でこの"CtoB"と言うものが使われるのかと言うと、結構それって「クリエーター周り」であるのかなと思いますし、まさにVocaloid界隈がその"CtoB"関係が非常に多いのかなと思うのです。例えばカラオケなんかで考えてみると、現象として「ある創り手(以下、"P"と表記します)が作った曲が某社の通信カラオケに入る」って言う事があります。今までのカラオケですと、それこそ「普通にCD屋さんで売っているミュージシャンの曲」がカラオケに入る、と言う事が殆どだと思うのです。その作り手は当然ながら「楽曲を製作する事によって何がしかの対価を得ている」訳ですから、"CtoB"の関係は成立しない訳なんですよね(いや、Creatorの"C"だろ、って言うツッコミは無しねw)。むしろ"BtoB"の関係で見たほうがすんなり行くのかなと思います。

 ですが。ですが。

 確かに"P"の中には本業として音楽をされている方も居ますし、本当に普通の会社員の方も居れば高校生(!)と言う方も居て、どう見ても"C"です、と言う方も居ます。実際にこのような方を「プロシューマー」って言うべきなんでしょう。でも、このような方って言うのは「何かを作ってその対価を得る(=業として営んでいる)」訳ではない、あくまでも「趣味」として楽しみ、色んな評価を貰うのが楽しいって言うような方なのかな、と思うのです。(実際「趣味」として自分もこんなBlogをやっていたりとか、某市内発の高速バスポータルサイトなんてもんを酔狂にやっていますw。)
 自分の場合で恐縮なのですが、数年前にJRバス関東さんが作成して販売したカレンダーに写真を提供した事があります。この場合、基本的に「高速バスのかっちょえー写真撮りたいよね」って言う自分の完全な趣味で撮ったものを提供したまでのものですので、「別にお金は要らないし。むしろ成果物を頂ければ嬉しいです」って言うような感じでしたので、お礼的に写真が使用されているカレンダーを貰っただけでお終いでした(尤も自分でそのカレンダーを更に何部か買いましたがw)。おそらく、そんな感じで普通は終わりなのでしょう。
 ですが、カラオケとかになると・・・また話は別モノではと思うのです。著作権の関係なんかもありますし、変な話ですが再生回数が増えれば使用した企業は儲かるわけですから、やはり何らかの形で「対価」を支払う必要が出てくるのかなぁと考える訳なんです。故に、"CtoB"と言う発想が出てきたのかなと思うところなんですよね。

 ここに「問題」が出てきます。

 「作品に対する【価値換算】をどのように行うのか?」
 
 この場合の【価値換算】とは、"C"の人が産み出した作品に対してどのような基準で【貨幣で】評価するのか?と言う部分なんですよね。企業から個人にどれだけのお金を流すのか、と言うビジネスな部分になる訳で。それこそ「好きな曲」「嫌いな曲」って言う定性的な評価はそれぞれの「価値判断基準」があるので何ともいえない部分があるのですが、ニコ動とかの場合であれば「マイリス」であるとか「再生回数」と言う評価指標が存在するわけで。そうなってくると、このような「評価指標」を一つの参考にすることによって【価値換算】は可能になるのかなと思います。
 ただ、これが可能になるのは「ニコ動」であれ「ようつべ」であると言った「システム」を背景に持っているメディアなのかなと思うのです。それ以外のもの、例えば「写真」であるとか「絵画」であると言ったものもありますし、実体のある「何か」(色んなものがありますが、ちと思いつかないので「何か」にしておきます)もあるわけで。そこらへんの評価軸がまだ定まってない部分も実はあるのではないかと思います。

 と言うか、「ビジネス」サイドに「評価」と言うシステムがまだ出来てないのでは?と思うのですよね。良く使われる言葉で言えば「目利き」ができる人がどれだけいるのか?と言う部分なんですよね。ユーザー視点から市場を眺め、どのような形で市場外にあるものを市場に投入していくか、と言うシステムの話になるのですが。そもそも"CtoB"と言う考え方が一般的になるのか?と言う部分に関しても検討はする必要はあるかと思いますが。
 とは言え、市場の構造が「大衆向け」から「個人向け」になっていると言うのは10年前から旅行業の世界では進んでいますし、ましてや昔はクソでかいワークステーションじゃないと出来ない様々な事が手元のPC1台で出来るような世の中になってます。そんな中で、「個人を満たす」と言うことを考えると、結論的には"CtoB"的な要素を入れていく必要も有るわけで。で、そうなってくると課題になってくるのはこんな所になってくるのかなぁと仮説的に課題をまとめてみるとこんな感じになってくるのかなぁと思うのです。

・"C"が産み出した財貨に対する【評価軸】をどのように定めるのか?
・"C"が産み出した財貨をどのように【目利き】をするのか?

 とりあえずはこの2点がさしあたっての問題なのかなと思います。
 正直言えば、この"CtoB"を考えると「コミュニティと企業の関係性はどのようにあるべきか?」と言った部分も問題ですしし、"C"と"B"の間に存在する情報の非対称性も問題でしょう。
 今後も、ボチボチこの関係については「産業支援」の視点で考えて行ってみたいところです。