静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

「Twinkle in the Town〜バスの向こうにある人の温度(きもち)」に込めた想い

 昨年12月31日のC85で発刊した「その後の井笠鉄道バス」。今回もまた編集作業に参加させて頂いたのですが、数本原稿を私が執筆させて頂きました。その中で「Twinkle in the Town〜バスの向こうにある人の温度(きもち)」と言うものがあるのですが、折角なので多少ネタバレしつつも、その原稿に載せきれなかった「自分の想い」と言うものを書いてみたいと思います。

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 このBlogを日頃から見て頂いている方は、私がミク廃と言う事は先刻ご承知のこととは思うのですが、この原稿にもお約束と言うか何と言うか「下敷き」があったりします。


【初音ミク】トゥインクル・イン・ザ・ワールド【オリジナル】

 タイトルをパクった、と言われればそれまでなのですが、2013年に聴いたボカロ曲の中で一番のモノを選べ(但しニコ動で聴けるやつ)と言われれば自信をを持ってこの曲を挙げます。で、その10曲(実際には9曲しかありませんが)のリストに、この曲に対するコメントとしてこんなことを書きました。

誰もが持っている「想い」、そして、想いを叶えるための「道具」。この曲ではミクさんをその「媒介」として表現していますが、この関係性って言うのはこの界隈(注:ボカロ界隈を指す)だけの話ではなく、他の世界でも成り立っているのかなと思います。

 最初に聴いた時、「ミクさんを中心としたボカロ関係の話ではなく、色んな世界でこの話って言えるんじゃないのかな?」と思ったのです。そんな中でこの曲を聴き込んで行って10月に井笠へ向かいました。初めは「何で笠岡から福山を結ぶ路線でも山間を走る路線が残ったのだろう?」と言うことから始まり、何故中国バスと言う法人が「井笠鉄道」と言う企業が持っていた路線(お世辞にも収益源となるとは思えない)を引き継いだのか、何故2012年10月中頃から11月までの間でギブアップする事無く走らせることができたのかと言う事を考えて実際に3路線を乗り、3つのまちを歩き、京都で立場は違うものの同じ目的のために活動している大学校の同期生と話し、静岡まで帰ってきました。

 本文中にも書きましたが、2012年10月に発生したあの事態は「どこのまちにも遍在する問題」ではないかと思うのです。ただ、その遍在する問題がどのような貌を見せて居るのかと言うことの違いではないかと思うのです。そんな中で「公共交通機関を失いたくない」と言う様々なアクターの想いがそこにあったのでは、と思うのです。当然ですが事業者だけではありません。利用者、行政などなど「井笠鉄道バス」に関係する全ての人の想いがそこにはあったのではないでしょうか。

 バスはバスだけで走らないですし、色んな人の色んな想いの先に今日も走っていると思うのです。

 翻って考えれば、それはバスだけの話ではありません。
 自分の本業で見れば、井原の中心街にあった商店街協同組合が「倒産している」という事態に一番戦慄を覚えましたし、その後ニュースで伝えられた尾道の商店街振興組合の破産(奇遇なことに、10月の井笠行の際にその商店街も歩いており、イベント開催に合わせて各店舗毎の協力体制に凄いと思ったのです)にも背筋が凍る思いをしました。

 筆者としての願いはただひとつ、「自分のいる場所をもっと見て欲しい」ということです。
 その「見る」と言うことは一つの方向性から見ると言うことではなく、様々な観点から見ることだと私は考えています。多分、その「様々な観点」から見る事によって、意外な方向性を見出すことができるのかもしれません。そのためにも、「自分の足で歩き、見て、感じて、考える」ことが必要だと思うのです。
 
 なんか偉そうな事を書いてしましましたが、あの記事で伝えたかったことを纏めてみました。