静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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東京に「地域性」は存在するのか?

 てな事を昼間の野暮用の最中に考えていた。
 個人的には「地域性」ってもんはどこにでも存在しているし、その「地域性」を活かした地域づくりをやって行かなくっちゃならないって思っているんだが、やっぱり個人的には「東京の場合、ソレが言えるのかな?」って思う部分も有るわけで。


危険な街、とか女子高生が、とかギャルが、というが、ひさしぶりにきたらそんな感じがするのかなあ、と思っていたのだが、やっぱり俺にしてみたらただただ人が多いだけの乱雑な街であった。きっとその何もない空虚さが、渋谷109とかを進化させ、空虚に若者を吸収させていってるんだろうな、と思うと、ちょうど駅前のスクランブル交差点から見る109が巨大な舞台装置に見えてきた。
Peanuts Butter Sea - [holiday]久しぶりに見る渋谷の街
 正直言って、おいらは渋谷って好きじゃないんですわ。個人的には「出来る限り行きたくない」って前々から思っていたし、友人と話をするときは「渋谷と呼ばれていたまち」って言う程だし。まぁ、考えてみれば板橋に親戚が居るって言う事や、それより以前に川越に住んでいた自分にとって「渋谷」って所は行動範囲外の所だった、って言う事があるかもしれない。事実、池袋や新宿、銀座だったら一人でも平気で歩けるが、今でも渋谷は正直言って歩けない(まぁ、それでも一応は何処に何があるかって言うランドマーク的な場所は理解しているけど)。それどころか、今では東名ハイウェイバスから見下ろすのが精一杯or湘南新宿ラインで通過するだけの所な訳で。まぁ、その手の論者に言わせれば「池袋文化圏」と「渋谷文化圏」の違いって言う人もいるらしいが。
 空虚さの裏に存在しているであろうものを考えると、そこには「マーケティングの巧さ」って言うのがあるんじゃないのだろうか。すなわち、東急資本による「イメージ先行の地域作り」って言う言葉に収斂されるのではないだろうか。変な話ではあるが東急田園都市線が開業したばかりの頃は、畑の中を電車が5両編成で走っていたと言う話である。そこに小綺麗な住宅地を作った上で、東京のベッドタウンにしてしまうと言う発想。確かに商売的に見れば非常に「巧みなマーケティング」だと思うし、なかなか真似の出来る事じゃないと思っている。でも、実際に「地域のイメージ」って言う事を考えると、明確なものが存在していないって言うのもまた事実なんじゃないのだろうか。同じ東急沿線でも東横線は「渋谷」とか「田園調布」、そして「日吉」や「横浜」「桜木町」・・・あ、今じゃ「みなとみらい」や「元町・中華街」か、って言うように後背に物語を持つ土地が存在している。そして、目黒線なんかはそれこそ「武蔵小山」に代表されるような「どこか垢抜けない」イメージもある訳で。で、結局そんなイメージって言うものの背景を考えると、そこには「人が長い間住んできて、その営みの中で自然に醸成された」って言うものが存在するんじゃないのだろうか。
 極端な言い方をすれば、「沿線の歴史の中に埋没してしまった【空虚】が田園都市線と言う水脈を通り、渋谷に湧出した」って言うような言い方が出来るんじゃないのかな?って思っている。まぁ、その「空虚さ」が「地域性だ」って言われればそれまでなんでしょうけどね(苦笑)。確かに松濤とかの上質なまちも存在しているし、代官山の再開発なんかはそれこそ学ぶべき所は多いと思う。
 歩いていて面白いって言うのは分かるんだが、やっぱり池袋文化圏な静岡人のおいらにゃ「渋谷」って別世界です。まぁ、静岡から在来線だけの乗り換え1回で行ける場所じゃないので・・・って、あ、湘南新宿ラインなら沼津と小田原で乗り換えれば行けるか。(新宿は、沼津から「あさぎり」乗れば乗換1回です)