静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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また先を行かれた気がする。


 小田急電鉄東京地下鉄は17日、小田急の特急ロマンスカー東京メトロ千代田線に乗り入れることで合意した。08年春から座席指定の特急を平日の夕方から夜間にかけ小田急線町田・本厚木方面(神奈川県)−湯島(東京都文京区)間で運転する。両社で新型の特急車両を製造する。78年に本厚木−綾瀬(同足立区)間で相互直通運転を開始したが、通勤客からの要望で特急運行計画を進めていた。
小田急電鉄:ロマンスカー、東京メトロ千代田線に乗り入れ■2005/5/17 毎日新聞
 いや、東武とJRが「スペーシア」乗り入れやら、JRと相鉄が相互乗り入れとか「鉄ヲタでも想像できなかったこと」がまた一つ現実に。それよりも、東京メトロロマンスカーって言うのが萌え。
 一応、両者のWebページを見てみたところ「小田急東京メトロの協力を得て、地下鉄乗り入れ対応の特急用車両を作る」って言う話になっていたんですが・・・、おいら的には東京メトロ所属のロマンスカーをマジ見てみたい所かと思います。まぁ、鉄ヲタネタはこれくらいとして。
 結局は「需要の掘り起こし」って言うものではないでしょうか。JRは旧国鉄から継承した貨物線と言う資産を有効活用して「湘南新宿ライン」を開発しました(この湘南新宿ラインの大宮から横浜までは、昔は貨物列車しか走ってない路線でした)し、昼間しか走ってない特急列車の電車を活用して「湘南ライナー」と言う全席定員制の通勤特急的な列車も走らせています。まぁ、遊休資産、とまでは言いませんが、ビジネスと言う面から言えば「ちょっと発想を変えて、全く新しい価値を生み出す」って言う手法だと思います。まぁ、王道とは少なくとも言えませんが。また、東武とJRの相互直通も全く同じだと思います。JRは新宿と言う大きなコアを持っていますし、東武は日光と言うリソースを持っている。で、その両方の路線は昔繋がっていたワケなんですから、その資産を活かしてwin-winの関係を作ると言うものですね。
 今回の東京メトロ小田急の「通勤ロマンスカー構想」、確かにお客さんからの要望があったとは言え、既存のリソースの価値を再度点検し、その上でそのリソースを活用してwantsを充足しようと言う考え方があると思います。実際、小田急東京メトロの間では列車の相互直通運転だけではなく、小田急沿線発の東京メトロ全線一日乗車券と言う設定もありましたので、どことなくJRをやっぱ意識していたのかなと思えます。確かに沿線の人にしてみれば、オフィスのすぐ近所の駅に自分の家の近所の駅まで直行する「必ず座れる電車」があるワケですから、プラス幾ばくかの特急料金を払ったとしても「今日はだりーから特急乗って帰ろう」って言う需要はあるワケですからね。
 色んな場面で「自分達の持っているリソースを活用しよう」と言う事が言われていますが、差異化であると同時に、その差異を「付加価値」にどうやって転換するのか?って言う事のスキルが多く求められると思います。なおかつ、その道一筋・・・って言う人には恐らく見えて来ないでしょうね。色んな部分で複眼的な視野を持ち、何が必要なのかをアンテナを高くする事、これが色んな部分で大事になってくるのではないでしょうか。