静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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これってデジャビュ?


 産業再生機構の支援下で再建中のダイエーが閉鎖する54店の全容が29日、明らかになった。新たに閉鎖を決めた15店には津田沼店(千葉県習志野市)など基幹店も含まれ、中国・四国からは全面撤退となる。再生機構が昨年末に策定した計画では53店を予定していたが、採算性を精査した結果、1店上積みした。11月末までに閉鎖をほぼ完了する。
 新たに閉鎖を決めたのは津田沼店のほか、苫小牧店(北海道苫小牧市)、新潟店(新潟市)、ダイエーナウ芝公園店(東京・港)、ハーバーランド店(神戸市)、岡山店(岡山市)、南松山店(松山市)など15店。 (16:00)
ダイエー、中四国から撤退・54店閉鎖を確定 NIKKEI NET(9/29)
 郊外型の大規模小売店舗の話をしている時、こんな話が出てきた。
「営業をしている間はいいんだけど、何らかの理由で撤退したらその跡地ってどうなるんだろうね」って言う事が。実際、中心市街地に立地している大規模小売店舗の撤退後の様子については悲しいかな幾つも実例がある訳で。だけど、その近辺には曲がりなりにも人が住んでいて、規模こそは小さいものの商店街とかがあったりするので、完全な「ゴーストタウン」となる事は少ない。まぁ、「中心市街地」と名乗っている以上、鉄道の駅やバスターミナルがあったりとかして交通の結節点になっている訳で。(例:富士宮市など)
 ところが、日本の郊外型大規模小売店舗が廃業とか閉店って言うケースって言うのをまだ聞いたことがないような気がする。むしろ、現状としてジャスコが盛んに出店したりとか、それこそ駿河区内なんかでも11/3に新しい店舗がオープンする訳で。全体としては上がり調子であるのは間違いがないと思う。実際には色々な問題を抱えているにしても。
 今回のダイエーが撤退を決めた店舗のロケーションがどうなっているかは正直言って分からないのだが(個人的に知っているレヴェルでは神戸のハーバーランド店くらいだけど)、この中に郊外型の店舗って一体あるのかどうか正直な話気になる。正直かなりイヤな話ではあるが、流通の改革を進めてきたダイエーが新しい問題をさらに提起するって言うような気がしてならない。
 まぁ、実際に企業の存在が「永遠」であるとは毛頭思ってないし、同じ商業の中においても形態は時々刻々変化していくって言うのは当たり前の事だと思う。だけど、問題はそれらの企業が色々な部分で地域に対して色々な影響を与えているって言う部分だと思う。開店時の軋轢、消費者行動の変化を促し、そして、企業の論理での撤退。経営と言う観点から見れば「儲からないところからは撤退するよ」って言うのは余りに当たり前過ぎるんだが、果たしてこれが地域社会と言う視点から見た場合に「儲からないから撤退するって、それってちょっと身勝手すぎるんじゃないの?」って言う議論もまたあるんじゃないだろうか。恐らく、撤退後に別の店舗が入居するって言う方向で検討をしているとは思うんだけど、果たして本当に成功するかどうかって言う事は分からない。
 経営の論理と地域の論理、どちらも重要だと思うし、可能であれば妥協点を見つけて欲しいとは思う。だけど、確実に言えるのは「出店・撤退、どちらにしても地域を変えてしまう」と言う事ではないだろうか。その持つ意味をしっかりと考えないとならない時になってくるんじゃないかと思う。