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本当に要らないのか?<外郭団体

 浜松市の話ではあるんですが、色々と考えさせられます。


 浜松市は30日、市建設公社の将来的な解散または統合も含め検討していく方針を、同市で開いた第5回行財政改革推進審議会(会長・鈴木修スズキ会長)の中で明らかにした。
 市は、市土地開発公社が旧天竜市土地開発公社から引き継いだ「阿蔵山土地開発事業」についても、現在の計画では採算性の見通しが立たず、大幅な計画変更が課題、との見解を示した。
 市によると、建設公社は「ゆう・おおひとみ分譲事業」だけで約47億円の赤字を見込んでいる。土地開発公社も長期間保有している土地の簿価と時価の差による借入金利子の増加が大きな課題となっている。
 平木省財政部長は「簿価の6割程度までに時価が落ちている」と、バブル後の地価下落の現状を説明した。
 建設公社は土地分譲や市営駐車場の管理など、土地開発公社は市の事業化のための土地の先行取得というそれぞれの役割を担ってきたが、行革審複数の委員が土地処分計画の徹底や責任体制の明確化を指摘した。
 次回の審議議題も外郭団体についてで11月13日、プレスタワーホールで開く。
浜松行革審 建設公社の赤字問題 解散・統合も視野■10/31 静岡新聞
 まぁ、ウチの所は不動産を持ってなかったりとか、事業目的が違ったりとか、一概に「外郭団体」って言っても色々有るわけで。ただ思うのは「採算ベースに乗るものは民間へ、採算ベースに乗らないものは公的機関で」って言う棲み分けが明確に出来ればいいのかな、って言うように思っています。
 たとえば、この浜松のケースの場合でも、民間ディベロッパーが投資を実行してそれを回収出来るのであれば民間が実施すべき問題だと思いますし、仮に、民間じゃ「とてもじゃないけどそんなリスキーな事ぁ出来ない('A`)」って言う反面で、将来の浜松の事を考えた際に「行政が先行投資をし、そこから生まれる便益を市民が享受できる」って言うのであれば、公的機関が進めてもいいのかな、って思います。まぁ、当たり前の話ではあるんですけどね。
 ですが、そこで気になってくるのが「公的事業における損益分岐点」を何処に設定するのか?って言う所だと思う訳で。公的機関が自らの組織を維持するだけの事業をするのは当然無駄な話ですし、かと言って民間が「赤字を出して」仕事をしたとしても、それはそれで従業員や株主の利益にもならないし、ひいてはその企業が立地する地域にとってもマイナスになってしまうでしょう。この部分の制度設計って言うか線引きの基準が明確でないとこの手の問題って結局は収まらないような気がしないでもありません。
 ただ、このケースのような土地開発=住宅整備や、中小企業支援って言うのは確かに分かりやすいんですよね。仮に支援をしたA社と言う企業が見事にブレイクし、株式を公開したりとかって言えば、回り回って「税収の増加」って言う事で効果を見る事はできます。だけど、いわゆる狭義の「文化」って言うものに関連する財団って一体その効果をどう捉えればいいのかな?ってぶっちゃけ考えてしまいます。
 指標としては・・・そりゃまぁ、会館の稼働率とか会館で行われる様々な公演から得られる収入って言うような指標になりうるものはあるんですけど、何かClassicの公演なんかをやったとしても、結局来るお客さんって言うのは毎回決まったお客さんって言うような「狭い範囲」での評価にしか成り得ないって思うんです。果たして、そんな状況で「儲からないからダメね」なんて言うような了見の狭いような事を言って欲しくないって思う所もありながらも、「別に絵画や音楽が無くても人間は生きていける」(いや、俺はNo Music, No Lifeな人なんですが)って言うのも現実としてある訳で。そうなってくると「損益分岐点」って言うのは一体どうなってくるのか?って思うんですよね。
 ただ思うのは「市場に適切に財を提供できるシステムになっているのか?」って言う所なんじゃないかな、って思います。ただ、この場合の「市場」って言うのはいわゆる一般的な「市場」ではなく、多分に「地域性」と言うものが入り込んだ定義であるんですが。強いて言えば「地域住民の欲求」って言う事が出来るんじゃないのかな?って思いますが、明確な定義が出来ません。正直スマソ。
 恐らく、浜松の土地公社さんなんかも、ある一定の時期には「地域に対して適切に財を提供するためのシステム」を持っていたと思うのですが、これが結局そうも行かなくなってしまった。それ故に様々な問題を抱えているのかなって思いますし、ウチの所だって今の所は一応「大切な所」って言ってくれているものの、先々の変化によっては無用の長物となるかもしれません。金融制度が大きく変わったりとか、起業を取り巻く環境が変わればなんですけどね。まぁ、色々とあるらしいですが・・・。
 結局、常に「必要なものは何なのか?」って言うアンテナだけは持ってないとならないんじゃないのかな?って思います。本社じゃ法律の制約があって出来ない事をするための実働部隊な訳ですから、やっぱりターゲットをしっかりと見据えながらも、常に冷静な視点を持ってないとならないのかな、って思います。