静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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昨日の続き:DMVをどうやって活用するか。

 恐らく昨日のDMVデモンストレーション運行の評価を探しに関係各位にお越し頂いているみたいです。ネットの辺境の地でgdgdやっているこのBlogですが、ご意見とかあれば是非コメントとか直メを頂ければ幸いです。素性に関しては・・・良く読んで頂くと分かるかもw。
 と、イミフな前振りをかましたあとで、昨日の続きを書いてみたく思います。
■地域の交通事業者にどうやってモチベーションを高めてもらうか。
 まずはここです。今回運行したDMVに関しては確かに既存車両の改造(って言ってもかなり苦労したんだな、と推測<苗穂工場さん)で出来た部分があるんですが、やっぱりその車両は基本的にそんなに輸送の需要がない所向け、それこそ本当にマイクロバス程度のキャパシティで対応できる路線って言うか地域向けだと思うんですよね。ですが、実際に富士市内を走るって言う事を考えると、それこそ現在の9m車両程度のキャパシティが無いとならないのではないでしょうか。

確かに大型の車両に比べれば小さいですがそれなりの重量は在るわけですし、お客さんを乗せて走る以上はそれ相応の安全対策をしないとならないはずなんですよね。で、やっぱりこのご時世ですからハイブリッド車両とかCNG車両とかって言う環境負荷が低いような車両を入れないとならない訳で。そうなって来ると、正直な話「導入したのはいいけど、ペイ出来るかどうか」って言う部分はあると思います、バス会社にとっては。
 正直、自家用車からの転移を考えればペイ出来る部分はあると思うのですが、さて、現行のように30分に1本程度走らせるだけでペイするのか?って言えば正直言って私は疑問だったりします。車両そのものの単価が高ければ多くの車両を入れる訳にも行かないでしょうし。かと言って車両導入に関する補助金を出せばいい、って言う話にはならないって思う部分もあったり。それこそ、中心部の走行に関するインフラ整備もしなくちゃならないわけですからね。
■都市部の需要をどう考えるか
 これもこれで問題だと思います。
 これは凄い書きにくい(って言うか現地の状況を把握してない)部分もあるのですが、果たして本当に「需要そのものがあるかどうか」って言う部分なんですよね。実際、コミュニティバスの運行実績を見ないと何とも判断出来ない部分もあるのですが、本当に「市内中心部に出ないとならない用事」って言うものがあるかどうか、って思うんです。
 それこそ、郊外には大規模小売店舗が恐らくあると思いますし、通常の買い物だけではなくちょっと大きめな買い物なんかはそちらの方へ向かう流れは確実にあると思うんです。そんな中で「目的地として考えられる」商店街がどうか、って言うと個人的には心許ない部分もあるんじゃないのかなぁ・・・なんて思う訳で。ユニーの吉原店もあれば、西友の青島店もある。沢山の買い物をした後で荷物を持ってバスやDMVに乗るのか?って言えばちょっとばかし疑問な部分もあるんですよね。やっぱり基本的には自家用車で動くと思いますし、それこそ中心部はそんなに坂も無いので、下手をすれば自転車が競合相手になる、って言う事も考えられます。ましてや、商店街の競合相手は大規模小売店舗だけではなく、インターネット通販もですから、「いかに中心部に魅力あるコンテンツ*1を置くのか」って言う事も同時に考えないとならないんじゃないでしょうか。それこそ、中心市街地の問題とか商業活性化の問題とかとも大いに絡んでくる問題だと思います。
■「将来像」をどう考えるのか?
 とどの詰まりはこの問題に行き着くと思います。
 これは市町村だけではなく県全体の問題でもあるんですが、地域の中に「交通」と言うものをどう組み込んでいくのかって言うのが大事な部分なのではないでしょうか。DMV、確かに新しい交通機関として面白いものだと思いますし、地域の「核」になりうるものだとは思うのですが、あくまでも「DMVありき」になってしまってはならないと思う所で。やっぱり富士市には富士市の良さがありますし(個人的には・・・やっぱり富士山を真っ正面から見る事が出来る、って言う良さがありますね。あと、県東部地域の中では工業生産が多いって言うのも。マイナスの要素かもしれませんが、製紙のまちって言うのはもっとアピールしてもいいのではないのかと)、その良さを活かすための一つのスパイスがDMVと言う交通機関なのではないでしょうか。
 私はあくまでも富士市民では無い、それこそ「外野から色々と言うだけ」の人間ですが、やはりこの富士市DMVには成功して欲しいって一人の鉄ヲタバスヲタまちづくりに興味関心のある人間として思っています。某静岡市の色々な訳の分からない箱物構想に比べればよっぽど住民に還元できる部分は多いと思います。
 まずは、市民の間に「本当にDMVが必要なのか」って言う視点、「じゃぁ、まちなかにどうやって人を呼び込むか」って言う議論が起こす事が必要なのではないかな、と思います。

*1:狭義のものではなく、「まちの魅力」って言う意味でもコンテンツ、と考えて下さい