静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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東京駅1510-新清水1745 7805便 しみずライナー5号

車 両:747-03959号車(JR東海バス 名古屋支店)
乗務員:JR東海バス 静岡支店

 帰りは素直にしみずライナーに乗って帰宅。正直、東海号のお別れ乗車に来てこれで帰るって言うのは正直アレげでもあるんですが。
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 確かに「東海号」の廃止は正直言って残念な部分はある。しかしながら、良く考えてみると「良くもまぁ今まで残っていたな」って言う所も同時にある。
 東海号で清水から東京まで乗ると、ほぼ2時間で行けるものの金額としては約5,000円程度。一方、しみずライナーを使えば2時間30分、渋滞にはまってしまうとそれ以上ではあるものの3,000円程度で移動する事ができる。元々「東海号」は、清水や富士と言った新幹線を使うには微妙に不便な所と東京・横浜を結ぶ足として重宝する列車ではあったが、去年の2月にしみずライナーが運行を開始して、その優位性が思いっきり失われてしまったと言う事が言えなくはないだろうか。実際に清水駅発着の特急券がどれだけ合計で売れているのかどうかって言う事の数字そのものが分からないので何とも言えない部分はあるものの。

交通機関 所要時間 運賃 運賃/時間
新幹線 約1.5時間 約6,000円 約4,000円
東海号 約2時間 約5,000円 約2,500円
しみずライナー 約2.5時間 約3,000円 約1,200円

こうやって比較してみると、時間あたり運賃を考えると断然にしみずライナーが安い。だが、単純な時間当たり運賃だけではなく、乗り換えの手間とか本数とかを考慮した費用対効果で考えると「東海号」が余りに低いのではないだろうか(本当だったらここらへんも変数を設定して出さないとならないけど)。東海号が1日2本しか無いのに対して、しみずライナーは平日なら6往復運行と言う点や、東京の最終が2110発って言うのも非常に大きいのではないだろうか。
 ここから先は、完全に自分自身の推測。
 JR東海バスが去年の4月1日に「しみずライナー」に参入したのは、「東海号」の引導を渡すためのデータ取り、と言うJR東海本社の意向を汲んでなのかもしれない、と。時間帯的にも静岡ベースで考えれば東海2号-東海3号のダイヤに比較的近い所を走っているし、「清水」と言う東海号の主要な市場から出発している。
 確かに東名高速線を運行しているものの、清水って言う事で言えば決して使いやすい所にあるとは思えない。運行を開始してからある程度の確証(って言うか裏付け)を取る事が出来たが故の「東海号」の廃止って言うのもあるような気がする。そう思うと確かに「複雑」な心境になってしまう。
 そう思うと、結構したたかな戦略をJR東海はグループとして取っているような気がしないでもない。明らかに急ぎのお客さんは新幹線に誘導し、そうで無いお客さんは自社グループの高速バスへの誘導と言う方向が確かにあると思う。話では今日の7806便は35人と言う数字であったようで、変な言い方をすれば、バスでも十分対応可能な輸送需要と言うのかもしれないと思う。また、新幹線からの転移分も存在している事も考えれば、「東海号」の意志を継ぐのは、案外「しみずライナー」なのかもしれない(ただ、横浜に行くのには正直面倒なんですが)。
 それにしても、しずてつが参入するのは一体いつの事になるのだろうか・・・。