静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

総括

 てな訳で総括みたいなものを少しばかり書いてみようと思う訳で。あくまで行っている当日に関しては「当日の記録」な訳だし。
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 実は結構福岡っていうまちが好きになってしまった自分が居たりします。だからと言って静岡のこののんびりさ加減や、東京のエキサイティングな部分が嫌いと言うわけではないです。何と言えばいいでしょうか。普段の生活がそこにありながらも、色んなエキサイティングな部分も楽しめる「コンパクト・シティ」と言うような言葉に修練されるのではないかと思うわけで。
 確かに都市計画の中において「コンパクト・シティ」と言う言葉がありますが、本来の使い方とは思いっきり違うのかもしれません。ただ、その根本にある「一つのまちの中で暮らす・仕事をする・遊べる」って言う部分では同じなのかな、なんて思う訳で。そりゃ実際に住んでいる人にしてみれば「そんな事あるか」って言う激しい突っ込みが来るような気がしないではないですが。
 実際、市内をくまなく走り回る西鉄ヤクザバス軍団に乗れば天神のまちにも行くことが出来ますし、東京とか大阪に行きたくなったら福岡空港まですぐそばですし、そう言う部分でのフットワークの良さもあったりします。ですが、それ以上に魅力的なのは、「シャレを分かる会社が多い」って言う所でしょう。何か去年も同じような事を書いたような気がするんですが。まぁ、その続きって言えばそうなんですけどね。
 話のスジは、天神で起こった流通戦争の話をコミカルなタッチで書いた内容です。当然物語の中には「悪役」として出てくる人(・・・って言うかデパートとかの擬人化なんですが)も居たりする訳で。個人的には某イ○ングループあたりが「悪の総帥」的な立ち回りで描かれていたのに「ちょwww、おまwwww」って言う感じで思ってしまったんですが、良くもまぁそれぞれの会社の広報がその「描き方を容認している」って言うように感じた訳で。正直、普通の会社ならば「この書き方は常識的に考えて、不味いだろ」なんて突っ込んでしまいそうな部分もあったりするんですが。もう一度、去年の日記で引用した大塚ムネトさんのインタビュー記事を引用してみたく思います。


「福岡の中でも天神という街は常にダイナミックに変化している。そして街の中には、例えば『交通の便利をよくしよう』『流通をもっとよくしよう』など、それぞれに命をかけて一生懸命働いている人たちがいる。私は、そういう人たちに感動し、その感動を演劇で伝えているつもり。だって、自分が住んでいる街のことを全然知らないって、もったいないと思いませんか?日々通っている天神は、家と会社の往復だけだが、例えば通勤で使う電車には泣ける話があるし、駅やデパート、新天町などにも語り尽くせないストーリーがある。そうした話を知っている方が、楽しくなるし、街を身近に感じることができる。せっかく住んでいる街なのだから、その街の魅力をみんなで再認識して欲しい。私たちは、実は街から恋をされているようなもの。例えば、お店は『あの人は、どんなものを置いたら買ってくれるのだろう』とか交通なら『どういうサービスをしたら乗ってくれるのだろう』というように、私たちは、それぞれから愛されている。だから、たまには、その思いを受けて街に『ありがとう』って言ってもいいんじゃないかと思う。毎回いろんな題材で芝居作りをする中で、どれか一つのキャラクターを好きになって帰って欲しいと思う。そして、何か一つでいいのでその人と街との繋がりのきっかけになってくれたらと思う」
■自分の街について「何も知らない」のはもったいない 天神経済新聞 06/05/25確認
 去年は「創造都市」って言う観点から書いてみたんですが、今年はちょっと違う観点から考えてみたく思う訳で。劇の一番最後に言った「それぞれのお店が、それぞれのお客さんに愛されるように頑張っているんです」って言う言葉が、何か解読するヒントになるんじゃないのかな?なんて思うんですよね。
 流通戦争、正直言えば福岡にそのころ居た訳じゃ無いですし、ましてや福岡とは何も関係なかった人間です(まぁ、親父が一時期福岡に単身赴任していたって言う話を聞いた事はあるんですが)ので、正直言えば細かいネタに関しては分からない部分が多いって言うのは実際の所なんです。
 確かに地元の商店街店主の人にしてみれば「何だあの大型店は・・・」って言う感じになってしまう所もあるんでしょうけど、それぞれがそれぞれの思惑を持ちながらも、やっぱりそれぞれのお客さんに使って貰いたいって言うような「心意気」って言うものがそこにはあったのではないでしょうか。その「心意気」が、大丸自身で地下街を掘ってみたりとか言う話もあった訳ですし、岩田屋の本店移転って言う事に現れているのかもしれませんし、そんな中で自らにとって重要な地域である西鉄も存在するのかと正直思います。
 確かに「知らない」事って本当に多いって思うんです。福岡の事だけじゃなくって、今、自分がリアルに居るこの「静岡」って言うまちの事も。そう思うと、そんな「まちの魅力」を探し出す人が居る福岡って言うまちの事が正直羨ましい部分があるんですよね。恐らく、この物語に出てくるそれぞれの会社も描かれ方はどうであれ、やっぱり自分たちのやってきた事に「誇り」って言うのがあるんじゃないかと思いますし、多少茶化されようとも、そんな「誇り」を色んな人に知って欲しいって言う想いがあるのではないでしょうか。
 そんな「伝えたい」と思う人の想いが幾重にも重なる事が出来る土壌って言うのがこの福岡のまちにはあるんじゃないのでしょうか。この「想い」って言うのは決して決算書の上では出てくる事のない「資本」なんじゃないのかな?って思う所がある訳で。
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 仕事で色んな会社さんにお邪魔して、確かに決算書をチェックしたりとか言う仕事を実際に私自身はやっています。正直に言えば、「この会社、こんな過大投資して大丈夫なのかな」なんて思う事も正直しばしばあります。ですが、実際に訪問して社長さんの話を聞くと「何とかしたい」って言うようになる事も結構あるんですよね。ですが、やっぱり最後は「数字」が全ての世界ですので、その「想い」に応える事が出来ないケースも多々あったりするのですが。
 そんな色んな人が持っている「想い」と言うものをコーディネイトすると言う事、それに魅力を感じているって言うのが今の自分です。なかなか思い通りに行かない事も多いんですが。
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 あと思うのは、「外部の視点で自分たちを見る事が出来る人間を地域の中に持っている」って言う事なんじゃないのかな、って思う訳で。
 どうしても、その地域に住む人はいろんなしがらみに囚われる事が多いって思うんですよね。確かにその地域に関するステークホルダーですので、やっぱり自分たちの利益を極大化するって言う事がその行動原理になるのは否めませんし、それは重要な事だと思うんです。
 ですが、何かをブレイクスルーするためには「外部の視点」を持っている人間を内在化させる事もまた重要なんじゃないのかな・・・なんて思う訳で。そんな部分を内在化させている福岡ってやっぱりすげーって思うんですよね。ええ、正直な話。
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 何かとりとめとなく書いてしまいましたが、今回も色々と考えさせられてしまいました。