静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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24時間だったんだ。


 東海道新幹線などJR東海の路線で駅弁などを販売するジェイアール東海パッセンジャーズ(東京)の消費期限偽装問題で、偽装は消費期限の社内基準を短縮した2005年4月以降、推計で1500万食に上ることが11日、同社の調査で分かった。
 今年2月の発覚までの約3年間に出荷した商品の3割に当たるという。
 記者会見した同社の建守猛社長は「慣れによって(偽装が)常態化していた。信頼を損ない、おわびする」と陳謝した。
 同社によると、05年4月に品質アップのために消費期限の自主基準を製造開始から弁当で19時間から14時間、サンドイッチで24時間から18時間に短縮。注文量を出荷するのが困難な状況となり、工場長の判断で恒常的に製造開始時間を前倒しするようになった。最大で6時間40分消費期限を越えた弁当が出荷されていた。
 偽装していた東京都江東区名古屋市大阪市大阪府摂津市の4工場には地元の保健所が2月、食品衛生法に基づき立ち入り検査した。
駅弁など偽装1500万食 JR東海子会社、常態化■3/11静岡新聞
 学生の頃、新幹線の車内販売のアルバイトをしていた事があったのですが(と言うか、アルバイトはこの経験しかない)、その時に、別の列車での余った分が回ってきて「これから売ってね」って言う事を何回も言われた事があったり。当時は「おいおい、大丈夫なのかよ・・・」なんて思っていた事があったのですが、今となっては消費期限の中でやっていたって言う事で何か納得する訳で。そりゃ食材を無駄に余らせるのは勿体ない訳ですからね。でも、駅で積み込む工場で作ったサンドイッチと、こだま号のビュッフェの中で作ったサンドイッチ、どう考えても後者の方が持ったときのずっしり感があって、「金払って食べるんだったら車内調製の方がいいよね」なんて言う事を乗り合わせた人と話をした事を覚えています。
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 そんなおっさんホイホイな話題がメインではなくて。
 気になるのは「消費期限の短縮」って言う部分なんですよね。その理由が「品質アップ」って言うのは、競合相手が東京駅で言えばNRENEWDAYS、そして大丸の食品フロアって言う事で確かに納得できる部分はあるんです。とは言え、購入客数が減る訳ではないですし。問題は「消費期限短縮」と言う対抗施策を打ち出すための要件をどうやって整備したのかな?って言う所になるのではないかと推測してみます。
 購入客数は変わる事がないと仮定したとき、1個あたりの弁当にかかる調製に要する時間を短縮させなくては、現在の需要に対応する事は出来ない、どう考えてもそうでしょう。人を増やすか、生産設備の入れ替えとかしなくちゃならない訳ですし、そのような施策はやったとは思うのですが「慣れによって(偽装が)常態化していた。」って言う発言が出てくるって言うのは、本当に「慣れ」って言う面もあるかとは思うのですが、どうも「製造ラインの生産個数が限界だった」って言うような気がしないでも無いんですよね。要は「計画をささえる(広義の)インフラ」が追いついて無かったのでは?って思う所なんです。
 ここ最近、特に「食の安全」と言う事が盛んに言われているのですが、そんな中で「どうすればいいのか」って言う根本的な部分を見落としてしまったって言うのがこの結果になってしまっているのではないでしょうか。ただ単に計数だけで物を見ていると言うか何というか、現場をもう少し見ようよって言う所でしょうかね。