静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

青春メガドリーム号炎上

 まぐろさんの所から。会社行く前だけど更新。


29日午前0時10分ごろ、大津市富士見台の名神高速道路上り線で、路肩に停車していた西日本ジェイアールバス(本社・大阪市此花区)の大阪発東京行きの高速バスから出火した。大津市消防局によると、約45分後に消し止めた。乗客60人と運転手は避難しており、けがはなかった。滋賀県警には「バスの後部から煙が出ている」との110番通報が入ったという。
 同社によると、走行中にバス後部のエンジン付近から白煙が上がっているのを運転手が確認し、路肩に緊急停車。乗客を避難させた約10分後に、燃え上がったという。
 現場は、大津ICから南東約2キロの地点。大津IC―瀬田東ジャンクションの上り線が午前1時半現在通行止めになっている。
高速バス炎上、乗客60人避難 大津市の名神上り線asahi.com
 1両に60人、となると完全に「青春メガドリーム号」しか無い訳で。はい、例の15mのあれです。

車体はこんな感じ。

車内はこんな感じ。
 まずはお客さんが全員無事で良かったです。
 国内に4台程度しか無い車両なだけに、今夜からの運行がどうなるのか気になる部分ではあるんですが・・・やっぱり日本の高温多湿な環境で無理して走らせていたのが祟ったのか、それとも他の部分に原因があるのか気になる所です。安全のためにも徹底した調査をやってほしい所。
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この「メガライナー」と言う車両、元々は東京駅〜つくばセンター間でJRバス関東関東鉄道が運行していた車両。定員が80人と言う「通常のバスの2倍」お客さんが乗る事が出来ると言う事で、つくばエクスプレスが開業する前は、「バス以外に公共交通機関が無かった」筑波地区と東京を結ぶ路線として多くのお客さんに使われていました。
かく言う私もちつくばセンターから東京駅まで一度乗っていました。その時の乗車記録はこちらを参照頂ければ幸い。

車内に並んだ4列シートの眺めは壮観、としか言いようがありません。結構サスペンションが固めのセッティングなのかな、なんて言うように感じました。
その後、つくばエクスプレスの開業に伴い、東京大阪間のドリーム号格安便である「青春メガドリーム号」に転じる事に。関東鉄道JRバス関東からリースを受けてこの「メガライナー」を運行していたのですが、当然つくば線での運行が無くなったのでJRバス関東にリースバックされ、その後西日本JRバスに移籍する事になりました。その「青春メガドリーム号」にもしっかりと乗車していた訳で、その時の事はこちらを参照。多少は夜行向けの改良をしていたのかな、と思ったのですが、全くそんな事は無く、ただ、側面のデザインを少し変更した程度だった訳で(JRバス関東の場合)。

今回炎上したのは西日本JRバスの車両でしたので、大幅に色を変えている(とは言えども中身は一緒)と言う訳です。


ただ、この車両はあまりにも長い全長のために国土交通省の特認を取って運行していました。具体的に言えば「走行できる経路が決まっている」と言うものです。「青春メガドリーム号」の場合、大阪方の千里中央駅付近から大阪駅付近まで新御堂筋を走るのですが、軸重の関係で本線ではなく側道を走らなくてはならないとか、本線上で事故等による通行止めが発生した場合には一般道を迂回する事が出来ない、と言う制限がついている訳で。別に「車体が15mもあるから」って言う訳ではないみたいなんですね。実際にドライバーさんの話を聞いてみると「小回りは下手したら普通のバスよりいい」ってな事を聞く事もあった位で。


この「メガライナー」車はネオプラン「スカイライナー」と言う車種のバリエーションなんですが、JRバス関東では通常の12m級の車両も持っており、東海道昼特急大阪号・ドリーム号でも運行しています。ただ、ドライバーさんの話ですと「空調の効きが悪い」とか「ちょっとエンジンが不安なんだよねぇ」と言う話もあり、完全に日本仕様にカスタマイズされてないと言う話もありました。あと、結構故障も多かったりとか。とは言え、ツアーバス対策の「安さ」と言う切り札として「青春メガドリーム号」が運行されている訳ですので、今後一体どのようになるのか気になる部分になっています。
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■補記(5/29 23:30過ぎ)
高速バス・夜行バスのJRバス」のページにこんな案内が出ていた。

5月28日23時55分頃、名神高速道路大津サービスエリア付近におきまして、大阪駅22時40分発「青春メガドリーム2号」東京行きのバスで車両火災が発生いたしました。
当該バスにご乗車いただいたお客様には全員避難していただいたところですが、お客様をはじめ関係する皆様方には多大なるご迷惑並びにご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
火災の原因等については、現在調査中でございますが、早期究明を図り、お客様に安心してご利用いただけるよう、再発防止に努めてまいります。
車両点検には細心の注意を払い、実施しているところですが、このような車両火災を発生させてしまいましたことを改めて深くお詫び申し上げます。
なお、今回の車両火災に伴い、青春メガドリーム号につきましては、以下のとおり運行する予定です。
【平成20年5月29日以降の青春メガドリーム号の運行計画】
西日本ジェイアールバスの車両が運行する便につきましては、当面の間、車両変更を行い運行いたします。そのため現在お持ちの乗車券の座席番号と異なる座席をご案内する場合がございますので、予めご了承ください。ご乗車時に係員が座席番号をご案内いたします。
青春メガドリーム号の車両火災に関するお詫びと今後の運行等について■高速バス・夜行バスのJRバス-新着情報
 う〜ん、車両変更の上で運行って言うのは分かるんだけど、同じタイプの車両を運行しているJRバス関東の方も点検すする必要はあるんじゃないのかな、と思う所なんだよねぇ。車両そのものは言うほど古くないし、財務的に見ればまだ使える車両であるとは言え、JRの最大の強みである「安全」を考えれば状況によっては廃車もあるんじゃないかと。ただ、確実なのは「徹底した原因究明」をして欲しい所。
 あと、やっぱり流石と思ったのは、異常を感知してお客さんを避難させたドライバーさんの判断かと思う。これだけは火災を抜きしても、ドライバーさんに賞賛を送りたい所だし、JRの最大の強みである「安全」を証明した事では。