静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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池袋駅0750-金沢駅1502 金沢エクスプレス1号

以降、バス好きな方だけゆっくりしていってね


車両:1759号車(西武バス 練馬営業所)
乗務員:西武バス 練馬営業所(ツーマン運行)
途中休憩:関越道上里SA、上信越道松代PA北陸道越中境SA
■想い出と現実が交差して 〜池袋駅前→上里SA〜
 池袋駅0720。駅構内のそば屋で朝飯代わりのざるそばを何故か啜ってから、一昨日とは違う高速バス乗り場へと向かう。この「金沢エクスプレス」号、JRバス関東西日本JRバスが運行に入っているものの、池袋駅前では西武バスの乗り場を使っている。国際興業東北道方面への路線を持っているのに対し、西武バスは関越道(新潟行)、上信越道(長野・軽井沢・富山)方面への路線と明確に方向が会社によって分かれている。
 目の前を長野行の便が出て行った後、自分と同じオケに入っているH女史がやってきて、昨日の羽後町土産を渡す。本当だとこの日は練習があったのだが、それをブッチして乗りバスに勤しんでいた訳で(苦笑)。その後、最後の一服をしている間に金沢行がやってきた。車両はいすゞの新セレガ。何だ、普段乗っている駿府ライナーと同じじゃねぇか、と思いながら乗り込むと座席は1-1-1の3列シート。指定された席は2C席だったので、それこそ以前書いた「駿府ライナーの座席お薦め」と全く同じ訳で(苦笑)。ところが、乗り込んでみるとお客さんはわずかに2人しか居ない。いくら臨時便であるとは言え本当かよ・・・なんて思っていると、バスは金沢に向けて雨の池袋を滑り出す。

 見慣れた西武百貨店もこのバスの中から見ると非常に新鮮な光景。駅前の通りを左折して目白方面へと向かい、暫くの間は明治通りを南下。車窓には都電の姿も見える所を走り、神田川を渡った交差点で右折し、関越道の練馬ICを目指す。途中、下落合駅前で停車。

 お客さん、誰も乗って来ません。恐らく西武新宿線からの乗換を図ったものだとは思う所ではあるが、下落合で高速バスに乗れると言う事を知っている人もそんなに居ないのではないか、なんて思ってみたり。その後、14日に自家用車で走った環七の豊玉交差点を直進し練馬駅前に到着。ここから1人お客さんが乗って来た。

 そして、いよいよ関越道に入り高速道路のクルージングが始まる。練馬駅前を出た段階で交代の運転士さんから「今日は好きな席に座っていいですよ」と言う許可を貰ったので、早速8A席に移ってゆったりする事にする。外は相変わらずの雨、そんな中を安全に気を配りながら高速で走って行くが、轍に貯まった水を蹴散らしながら走る姿は車内から見ていて結構気持ちいいものである。そんな中で新座料金所を通過して東武東上線に沿って小川町の付近まで走る事になるが、この関越道はちょっとした想い出がある。

 川越市内に入ったばかり、地名で言えば砂新田になるのであろうか、今から30年程前にここの付近に住んでいた事があった。そんな時に来たぶどう狩り農園から見た関越道が結構印象強く残っている訳で、正直どうでもいい光景かもしれないがここを通るのを楽しみにしていたりもした。その頃、今の自分がここまでバスヲタになっているとは正直思わなかった訳だが。そんな感傷に浸っている間に川越的場BSに到着。

 他の便を待っているお客さんが一人居ただけで、この便には乗って来ない。この段階で乗客7名が確定と言う寂しい状況になってしまった。これで運行は大丈夫なのかよ?などと思ってしまったが、この心配はその日の夜にあっさり解消される事になる。その後、小川町やら寄居やら聞き慣れた地名の場所を走り抜け、上里SAに辿り着く。埼玉県の一番外れまで来た訳だ。

 他の観光バスの大群の中で「金沢」と言う行先表示は一段と目立つ。トイレも売店も余りに込み合っていたので、結局雨の中で撮影をして一服するだけでおしまいと言う状況であった。そして、いよいよ今回始めて通る「上信越道」の旅が始まる。
■昔は電車、今はバス。 関越道上里SA→上信越道松代PA
 相変わらず止まない雨の中、上里SAを出発した金沢エクスプレスは上信越道に入り、長い坂道を右に左に曲がりながら長野を目指す。晴れていれば山々の風景も奇麗に見えるはずだったので少し残念な部分はある訳なんですが、まぁ、6月に雨が降らないのはそれで困ってしまう所なので仕方は無い所かと思う訳で。

 この道路も東名と比べると流石に通行量が少ない。正直どうかなぁ・・・と思う所もあるが、実際に中央道〜長野道では時間もかかってしまう訳だし、冗長性と言う事や地元の利便性を考えるとやっぱり作るべき高速道路だと思う訳で。実際には東名高速のような通行量がある面異常って言うのもあるかもしれないが。

 碓氷峠に向けて高度を上げて行くと今度は霧も出始める。が、これはこれでいい風景なのかな、なんて思う所もある訳で。普段は東名からの景色しか見てない訳だし、自分でハンドルを握っている限りはこんな景色をのんびりと眺める訳には行かない。まぁ、そこが「バス旅」の良い所であるんじゃないのかな?と相変わらず思う。一応は本を持って来てはあるが、やっぱり景色を眺めながらぼんやりとすると言うのもまた楽しみな所である訳で。この「何もしない、けど、のんびりできる」と言うのが長距離昼行バスの楽しみだと思う。

 そして、峠も頂上に登りきると碓氷・軽井沢と言う文字が現れる。トンネルをくぐると・・・

 雨に煙る佐久平が迎えてくれた。去年に来た小諸も近い。その時は一般路線車で諏訪を目指して走って行ったが、今日は快適に高速道路を抜けて行く。本当だったらこのあたりものんびりと歩いてみたいもの。
 この「金沢エクスプレス号」のJR担当便は、JRバス関東小諸支店と西日本JRバス金沢支店のドライバーさんが東部湯の丸PAで乗務員交代を行うワンマン運行をする路線であるが、西武バスは始発からツーマン運行と言う形になっている。そんな訳で休憩場所がJR便と西武便では異なっている所もまた面白い訳で。機会があれば、今度は晴れた秋の日にJR便で乗ってみたい所だったりする。
 そんなこんなで
 
 上山田温泉を眼下に見下ろせば、長野道との合流である更埴JCTを通過する。そして、2回目の休憩場所である上信越道松代PAへ到着。

雨の日でも寝ている暇はない程、この付近の景色は美しいが・・・いかんせん松代PAでご飯を、と思うと少し貧弱かもしれない。まぁ、信州の蕎麦でも食べるのが通とは思うが、取りあえずおやきを二つ食べて長野気分を味わう事にする。

 案外「切り干し大根」がウマウマだったりする訳で。
■日本海を右手に眺めながら。 上信越道松代PA北陸道越中PA
 松代PAを出るとすぐに小布施PAを通る訳だが・・・個人的にはこっちで休憩して欲しいと思う所であるが、まぁ、混雑を考えると仕方が無い所かもしれない。晴れていれば(ryと思う所だけど仕方な(ry。気がつけば上下4車線から上下2車線になっていて、新規に2車線分の工事も一部では始まっていた。そして、新潟県突入となる。実際、秋田県新潟県って言うのは間に山形県を挟めば近い訳だが、今回は切符の都合で東京経由しているって言うのは一体何なのかなぁ、なんて思う所もある。
 上越JCT北陸道に入り、トンネルを幾つか通り抜けると糸魚川。進行方向右側には日本海の風景を見る事が出来るようになる。

 西へ向かうバスなのに、海が進行方向右側に見えるのは不思議だ、と地図の上では理解しているもののやっぱり「どことなく違和感」を感じるのはやっぱり太平洋岸に住んでいる人間であるが故の話なのかもしれない。そんなギャップを感じながらの旅もまた楽しいものであるが、ここで席を少しの間だけ移動することにした。同行者からは「どうした?」と声をかけられた訳だが。その理由は簡単。

 親不知の難所を越える様子を見たかった、ただそれだけである。確かに東名も由比の海岸では海のすぐ隣を走っている(それが故に台風シーズンには通行止になるが)が、親不知はそれ以上である。何と言っても「海の上」を高速道路が走るから。

 確かに「こんな無粋な建築物を作って」と思う人も居るかもしれないが、逆に考えれば「新しい光景」だと思う所で。正直この景色を見たかった、と言うのも「金沢エクスプレス」に乗りたかった、と言う一つの理由になるかもしれない。親不知の海岸を通り越えてしばらく行くと富山県内に入り、最後の休憩場所である越中PA

 この越中PA北陸道で最後のNEXCO東日本の休憩施設であり、北陸道そのものも次の朝日ICから先にはNEXCO中日本の営業エリアになる。まぁ、富山県内に入ったと言う事で、NHKのニュースなんかでは静岡の天気予報も流れるようになるので、微妙ながらも「地元に帰って来た」的な感じになるのが実際の所だったりする。
■8時間の旅の終わり 北陸道越中PA金沢駅
 朝日インターを抜けると富山平野を突っ切って金沢へと最後の区間を走る。

 何と言う事でしょう!雨もやみ、遠くに立山連峰が見えて来ました。当然ながらBGMは今まで聞いてみたミクうたから"true tears"のサントラに買えてしまいました(この当たりがヲタ丸だしなんですがねwww)。雲の切れ間に見える立山連峰と、その麓に広がる水田の光景。昨日羽後町で見かけた風景と同様に「何故か良く分からないけど心が落ち着く」風景だったりする訳で。いやぁ、こんな風景をゆっくり眺める事が出来るのも高速バス、それも長距離昼行便の楽しみかもしれません。

 川を渡る向こうに見える橋、だいぶ北陸新幹線の工事も進んでいるようで。完成した時には一体どれだけの時間短縮になるのか気になるものですが、確かに東京からは時間がかかってしまう訳で。そう考えると新幹線があってもおかしくはない区間だと思う所で。ここにどんな新幹線が走るのか、やっぱりそれはそれで楽しみだったりする所です。そして、富山市内を走っているとこんなものを見る事ができた訳で。

 これ、どう見ても飛行場だよなぁ・・・。

 富山空港は、富山県の中心を流れる神通川の河川敷に、1,200mの滑走路を持つ空港として、昭和38年(1963年)8月20日に開港しました。
 開港当時は、プロペラ機が就航していましたが、年々増大する航空需要に対応するため、滑走滑走路を2,000mに延長し、昭和59年(1984年)3月 18日にジェット機が就航する空港に生まれ変わりました。
 平成20年5月現在、国内線では東京便(6往復/日)、札幌便(1往復/日)、国際線ではソウル便(5往復/週)、ウラジオストク便(3往復/週)、大連便(4往復/週)、上海便(3往復/週)の定期便が就航しています。
富山空港の概要富山県
 国 際 空 港 か よ !!!
 いや、きゆろひさんの所で見て「存在する」と言うのは知っていたんですが、国際空港を河川敷に作ってしまうと言う発想には正直驚かざるを得ない訳で。増水したら一体どうなる事やら・・・。まぁ、山を削って作っている某S岡空港もどうなのかと思(ry。
 その後、県境付近で不覚にも居眠りをしてしまい、気がつけば金沢駅の直前と言う状況でした。

 そして、定刻より10分程早く金沢駅に到着。約8時間の旅は終わりました、いや、旅は終わっちゃ無いですが(笑)。
 なかなかこれだけの路線を乗る事はありませんが、東海道昼特急山陽道昼特急博多号とはまた違った楽しみのある路線だな、なんて思う訳で。関東平野をひた走り、碓氷峠にアタックしてから高原を走り、日本海を眺めて富山平野を突き抜ける。今回は雨が降っていて正直残念だった訳なんですが、機会があれば晴れた日にもう一度乗ってみたいと思う路線なのは間違いありません。
 と言う訳で、ここから先はレンタカーに再び乗り換えて何故か富山県内に戻ります。ええ、"true tears"の舞台訪問をする訳で(苦笑)。