静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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東京モデルの崩壊

 がある、って土曜日に聴講したシンポジウムのパネラーの方が言っていたんだが。


 本当かよぉ〜〜〜〜


 いや、マジでそう思うんだわさ。
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 話の内容としては「これから先、地域におけるコンテンツを活用した地域活性化」が必要である、って言う全体の方向性であった訳なんだけど。確かに個人的には必要だと思うし、それぞれの地域の中に眠っているいわゆる「地域資源」ってもんを活用した地域作りって言うものをしなくちゃならん、って言うのには大いに賛成だし、そうやって外部からどんどん人をあつめてこなくちゃならない、って言うのも同感。
 確かにそんな「地域資源」と言えるコンテンツって言うのは確かにあると思う。静岡市で言えば昨日までやっていた大道芸ワールドカップもそうだし、他にも色々ある訳で。
 だけど、どうもそう素直に思えない自分が居る訳で。
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 ■例えば、深夜アニメの放送率なんかはどうなんだろう。
 静岡地元発のコンテンツでは絶対にないけど、「文化の受容性」って言う観点から見た場合にはどうなっている?
 ■例えば、静岡市内を普通の休日にブラブラ歩いてみた。
 んじゃぁ、そん時に大道芸を楽しんでいる人って居るのかいな?大道芸って言う「文化」が本当に地域に根ざしてるん?
 ■例えば、東京から色んなアーティストの方が静岡に引っ越してきているの?
 軽井沢に住んでいる人なら個人的に知っているけど。「文化」を創る人がこの地域の中に居るの
 ■それこそ、静岡から東京(渋谷・新宿・東京)に行く高速バスは多くなったよね。
 静岡にも109やPARCOがあるのに、何で東京まで買い物に行くの?
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 一番最初と一番最後は、まぁ、個人的な関心事項で偏っているって指摘されればそれまでなのかもしれないけれども、本当に「東京に依存しない文化」って言うものが静岡と言う地で本当に成り立つのかどうか、って言う事を本当に考えてしまう、と言うか、今の現状を見ている限り「東京モデルの崩壊」って言う事が本当に言えるのか?って言う事が凄い疑問だったりする訳で、どうも土曜日からその事ばっかり考えていたりする。
 確かに色んな成功例って言うのはあるのかもしれないんだけど、何を以て「成功」と言うのか、って言う評価基準そのものが「消費する立場の人々」、すなわち大都市圏住民の観点からでしかないような気がしてならない訳で。いや、確かに「大都市圏住民の観点」と言うのは「成功」と言うものの判断基準にはなり得ると思いますよ。成功することによって、地域に入り込んでくる人が多くなってくる訳ですし、その分地域経済が回るわけですから。でも、本当に成功するって言う事の意味って違うんじゃね?って思う所。地域の中で稼いだお金を地域の中にどうやって循環させるのか、と言う仕組みを作り出し、それがしっかり回る仕組みが出来上がった事が「成功」って言えるような気がしないでも無いんだよねぇ。
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 「東京コンプレックス」って言うものは捨てなくてはならない、そう言っている。
 だけど、変な話だけどメディアが「東京コンプレックス」を生み出す要因を毎日毎日垂れ流し、知らず知らずの間に洗脳しているとしか考えられない。これは自分自身にしてもそう。浜松の産業集積にしてもそうだけど、「元から色んな集積がある」地域には、自ずからその集積を目指して様々な人々が集まってくる訳で。その中で形成される様々なネットワークから発信される情報、最近ではネットと言う便利なものもあるので、以前のように大きな時間差は発生しないモノの、それに触れる事によって「都会」と「地方」の格差が出て来る訳で。
 口の悪い人に言わせれば「地方に住んでいる事こそ、負け組である」って言う論調もある。まぁ・・・確かに現状じゃそうなのかもしれないし、東京(って言うか首都圏)に居ないと流れに追いつかないって言うのは確かな所。
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 んじゃぁ、それだったら「自分たちの足元をもう一度しっかり見直す」と言う作業が本当だったら必要なのでは?
 コンテンツで地域を活性化していくのか、それともものづくりで活性化していくのか、そこは正直色んな方法があると思うし、他の所のベストプラクティクスを持ち込んだとしても、本当に根付くかどうかは分からない。色んな所の色んな考え方を「翻訳」する必要があると思う訳で。まぁ、その部分に国の補助金が入ってしまうとなかなか自分たちの思い通りに行かないって言う部分もあるんですけどねw。

考えれば考えるほど、「理想」と「現実」の間で呻吟してしまう所だったり。