静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

楽座シート車の話。

 昨日作った画像で「乗り心地に関してのコメント希望」と言うリクエストを色々と頂戴したみたいなので、ネタが無いのをいいことに少し書いてみます。
1 全体として
 「楽座シート」車、って言うものを定義すると、
 1 座席横幅が通常タイプのものと異なり、大幅に拡大されている椅子を用いている事。
 2 ヘッドレストのサイド部分が立体的になっている椅子であること。
 3 幅の広いセンターアームレストがある椅子を用いていること。
 4 横幅拡大のため、補助席が設置されてないこと。
 5 2−2アブレストの4列シート配列であること。
 と言うのが必要条件になってくるのかな、と思います。乗車定員数は椅子の設置ピッチでどうにでもなる問題なのでこの際「関係無い」としておきましょう。現在、この条件を満たすのが昨日作ってうpした画像の車両になってくると思います。おいらの行動範囲の中では(苦笑)。
 実際に登場しだしたのは2004年、JRバス関東の子会社であるJRバステックの東名ハイウェイバス参入時に使われたのが初めてで、それ以降当初はJRバス関東の新車が「楽座シート車」として登場しましたが、2008年にしずてつジャストラインが運行開始した「静岡成田空港線」の同社担当便に使用される相良営業所所属の新車に「楽座シート」が導入され、その後、JR東海バスにも採用されているのが現在の状況です。
2 楽座第1世代 2004年登場
 楽座第一世代として登場したのがJRバステック所属の車両と、JRバス関東所属の車両。

JRバステック所属 04年車(いすゞガーラ)外観

JRバステック所属 04年楽座シート
 まず、一番最初に登場したのがこのJRバステック車両。現在でも東名高速線の超特急便を中心に一部特急便でも運行されており、比較的乗車しやすい車両であると思われる。シート全体は柄の入っていない紺色となっており、このシートの色に合わせてかベージュ色の枕カバーもしくは白色レースの枕カバーが付けられる。なお、シートは従来のモケット生地ではなく、無地のニット生地となっている。

JRバス関東所属 04年プレミアムコーチ車(いすゞガーラ)プレミアムコーチ車外観

JRバス関東所属 04年プレミアムコーチ車 04年楽座シート

JRバス関東所属 04年プレミアムコーチ車 04年Gシート
 こちらはJRバス関東所属の04年プレミアムコーチ車。導入当初は東京富士宮線に充当されていたが、今では長野原支店に転属となり「上州湯めぐり号」で運用されている。この車両からJRバス関東でも本格的に楽座シート車が導入される事になった。

JRバス関東所属 04年車(西工車)外観

JRバス関東所属 04年楽座シート背面
 こちらは同じくJRバス関東所属の04年西工車。ただし、04年の導入車両に関しては初期の車両は通常タイプの椅子が設置されているものが導入されていたが、年度途中からこのタイプの椅子が採用される事になった。前出のJRバステック車作りそのものの違いは無いが、シート表面の生地に「JR BUS KANTO」と言うロゴが織り込まれている事が相違点として挙げる事が可能である。
3 楽座第2世代 2005年登場

JRバス関東所属 05年車(西工車)外観

JRバス関東所属 05年楽座シート背面
 翌2005年には西工車が6台導入されたが、この車両に関しては側窓固定・38人乗り・楽座シートと言う車内スペックになった。この椅子も04年に登場した第1世代と大きく変わるところは無いが、04年車の背面に入っていた「JR BUS KANTO」がシート着座面だけに入る形に変わった。
4 楽座第3世代 2007年登場

JRバス関東所属 07年車(日野車)外観

JRバス関東所属 07年楽座シート背面
 駿府ライナー・知多シーガル号の運行開始に併せて2007年度新車が導入されたが、この第3世代から椅子の作りが一部変更になった。まずはテーブルが大型化されたと言う点。もう一つはセンターアームレスト格納部後方が塞がれなくなった点である。テーブルサイズ拡大に関しては、駿府ライナーの共同運行相手であるしずてつジャストラインの車両とテーブル仕様を共通化したのか、それともコストダウンなのかは良くわからない。だが、これで4種類目の楽座シートであるのは間違いがない所である。
5 楽座第4世代 2008年登場

JRバス関東所属 07年車(ふそう車)外観

JRバス関東所属 07年楽座シート車内
 車両そのものに関しては07年度導入車両であるが、登場年としては2008年3月となっている。久々のふそう車として中央道統括支店や東北道統括支店等に配属になった車両。基本的には第3世代の椅子と同じような形になっているが、シート表面がニット生地からもケット生地に変更になった(「JR BUS KANTO」のロゴが入っている座面)。
 今まで楽座シートはその表面生地がニット生地であったために「滑りやすかった」のが難点としてあったが、モケット生地に変更された事により滑りにくくなったらしい・・・が、実際にこの車両を見たのが中央道統括支店の一般公開の時なので、実はまだ未乗。機会を見つけて乗ってみたい所。


ここまでが「楽座シート」初採用のJRバス関東における流れであるが、その後他社でも採用される事になった。


6 楽座第5世代 2008年登場

しずてつジャストライン所属 08年車(西工車)外観

しずてつジャストライン所属 08年楽座シート車内

JR東海バス所属 08年車(日野車)外観

JR東海バス所属 08年楽座シート車内
何れも2008年度導入の新車ではあるものの、流れとしてはJRバス関東で採用されている第4世代の楽座シートではなく第2世代の楽座シートがベースとなっているものである。両社の違いと言えば、しずてつは背面テーブルのフチが金属押さえになっているが、JR東海バスはプラスチック加工品になっていると言う点である。
両社ともシート表面はニット生地ではなくモケット生地が使用されている点が第2世代楽座シートと異なっており、しずてつは光沢のあるブラウングレーの生地(比較的生地の繊維は長い)に、JR東海バスは蒼色をベースとしたデザインになっている。なお、JR東海バスに関しては40人乗り仕様となっている。


 以上、概観を外観から見てきた。実際に「楽座シート」と言っても導入年次や会社によってその仕様が微妙に異なっているのが実際の所であるが、特に寝るときに首を傾けてもしっかりとサポートしてくれる点は非常に楽なものである。また、センターアームレストが大型になっているため、隣席のお客さんとの干渉が少なくなっているのが利用者としては有り難いというか何と言うか。
 ちなみに個人的に「どれがいいか」と言う事を言えば、「重厚感」と言う事で言うならばしずてつジャストラインの楽座車が好きであるが、正直、どれに乗っても同じと言うか何と言うか。38人乗りであれば、個人的に8D席の眺めの良さと足元の広さは非常に快適であるし、40人乗り仕様ならばやっぱり8A席であろうか。とは言え、座席そのものはどれも非常に良く、どうせ乗るなら・・・、と思う所だったりする。
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 いや、本当に今日のエントリも「どうでもいい話」だわwwwww。