静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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100億円?


経済産業省は5日、商店街の活性化を支援するため総額100億円を投入すると発表した。ハード、ソフト両面で支援する地域商店街活性化法案を5日に閣議決定し、国会に提出する。高齢者の暮らしや子育ての支援、地域ブランド開発などに取り組む商店街を補助金や優遇税制で後押しする。
 商店街が作った事業計画を各地の経済産業局が認定し、1件あたり上限5億円を補助。2009年度予算案には42億円を計上した。また、空き店舗活用などが目的の土地売買では土地譲渡所得から1500万円を特別控除。数億円の税制措置となる見通しだ。
 人材面からの支援として、日本商工会議所などが今春設立する「全国商店街支援センター」に中小企業基盤整備機構から今後10年間の運営費として50億円以上を拠出する。同センターから各地に大手流通業OBらを派遣し、売り場作りや集客などのノウハウを提供する。
経産省、商店街活性化を後押し 100億円“開けシャッター”■フジ・サンケイビジネスi(3/10確認)
 取りあえずこれだけでは全体の様子が分かりづらいので、経産省のwebページで詳細な情報を見てみた。

経済産業省は、「商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律案(通称:地域商店街活性化法案)」を、第171回通常 国会に提出することになりました。
本法案は、地域住民に役立ち、地域の魅力を発信する「商店街ならでは」 の取組を支援することで商店街を活性化することを目的としています。この法案を柱として、総額100億円を超える商店街対策を総合的に推進します。
「地域商店街活性化法案」と今後の商店街支援について経済産業省(3/10確認)
 またやるんすか、経産省さん。TMOをつくるお!とか意気込んでいた割には何か(´・ω・`)ショボーンな結果に終わってしまった事もあったりとか、「中心市街地を活性化するお!」なんて言っていた割には・・・何かそう芳しくないような結果で終わったのをおいらは記憶していますが。まぁ、そこらへんはそこらへんとして。

(2) 商店街活性化事業計画の認定及び支援
経済産業大臣が、都道府県及び市町村に意見を聴き、配慮した上で、商店街振興組合等が策定した商店街活性化事業計画を認定。認定事業に対し、以下の支援を行います。
(中略)
? 小規模企業者等設備導入資金助成法の特例により、認定事業を行う小規模企業者(商業・サービス業:従業員数5人以下)に対し、設備資金貸付(無利子)の貸付割合の引上げ(1/2以内→2/3以内)を行います。
「地域商店街活性化法案」と今後の商店街支援について経済産業省(3/10確認)
ちょwww、おまwwww今年度のパンフレット発送作業にかかってからいきなりこれかよwwww・・・この手のものをやるって言うのは「計画を作って、それを認定して貰わないとダメだよ」って言う事業のスキームになってくる訳で。それこそ経営革新とか農商工連携とかと同じスキームですね、分かります。
・・・などと見る人が見たら「ああ、あそこのあいつかw」と一発でバレてしまいそうな内容を書いていたりするのですが、個別のお店の取組みも必要だとは思うのですが、むしろ「地域の中で“商店街”がどのようなポジションに立っているのか?」って言う部分から話を考えていく必要があるのではないかと思う所で。要するに商業者への支援だけをするのではなく、商業者の地域の中における役割って言うものや、消費者との関係、地域外に立地する市場の関係、そこらへんまでもじっくり考えないとTMOや中心市街地活性化の二の舞になってしまうのでは、と愚考するところで。まぁ、霞ヶ関の中の人が考えていらっしゃる事なので、果たして今後どのように動いていくのか(・∀・)ニヤニヤしながら見ていくのが吉なんですけどね・・・と一概に言えないのが正直辛いところ。末端部でショッカーのように「キィー」と言いながら戦闘員は戦っていく訳ですからw。
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などと言う半分愚痴っぽい話は別にしても、正直な話「どう進めて行くのか」が非常に気になる所で。そりゃ、やっぱり表の顔ではそっち方面の仕事をしているおいらとしては「やっぱり地域経済の活性化は重要ですよね♪」と言いながら、裏では「高速バスで東京行くのが便利になったよ〜」と煽る事をやっていると言うこの無節操さ加減、正直氏ねと言われても仕方ない部分はあるんですが。
けれども、思うのは「何で駿府ライナーが11往復になるのか」って言う根本の部分になってくるんです。お客さんが多いからしずてつさんもJRバス関東さんも余りにゴージャスすぎる増便を行う、と言うのですが、その理由としてはやっぱり「東京」にそれだけの「モノ」があり「情報」があると言うのは否めない部分ですし、その「静岡では手に入れられないもの」を得るために高速バスに乗る、って言う背景だけは絶対のはず。この部分は行政の中の人がいくら規制しようとしてもそんな事は出来ないですし、むしろその路線で設けて税金を落として下さいよ、って言うのが正論だと思いますわ。
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いや、もっと言えば「東京」と言う「場所」ではなく、「ネット」による世界とのコネクションが広がった、と言うのが正解かもしれません。ネット上では物理的な位置関係は問題にならず、全てはユーザーの「興味」ここから始まるのではないでしょうか。ユーザーにとって興味のある情報は「草をかき分けてでも」探すものですし、amazonやら何やらで注文すれば自宅にいながらにして色々と手に入る訳ですからね。そんな中で「情報」と言うものに対する感度が高まった、それが全ての根底にあるもの、と考えた方が分かりやすいのではないかと思います。
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その上で、「商店街が賑わっていた頃」と言うものを考えてみるんですが・・・、おいらが我が家の中の人から聞いた話なんですが、「あんたが小さかった頃、魚屋に買い物に行くとお店の主人が“今日はいいマグロが入ったよ、おおまさん大間産だよ”なんてお薦めを教えてくれたんだ」なんて言う話を聞くわけで。おおまさん大間産と言うのはまぁ・・・たこルカ絡みのネタとしてもw、その道に精通した人が「近くに居る」って言う世界がそこにはあったと言う事ではないでしょうか。すなわち、身近な部分に「専門家」が居て、その人から色んな提案を受ける事が出来たって言うものがあったのではないのかな、と思います。そう思うと確かに今の時代は「専門家」が縁遠くなった時代と言えるのかもしれません。ただ、「専門家」が居なくなっただけ、色んな部分でのコストや手間と言うものが省けるようになったと言う事実はそこに存在しますけどね。
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確かにハード面として「魅力ある商環境を整備する」って言うのは非常に大事だと思いますし、それはそれでやって行く必要があるとは思うのですが、そのような「専門家」をどうやってもう一度地域の商店街に復活させるのかと言うのが一番大事な問題だと思いますし、そこの部分に関してどんな形で支援をして行くのかが問われてくるのではないでしょうか。「あの店長が居るから、あのお店に買い物に行く」と言うような個店のファンを増やすこと、まずはそこがスタートになるのかなと思います。その上で、「じゃぁ、売上げを上げるために什器をどんな感じでレイアウトすればいいのか?」と言う事を考えていったりとか、「この設備が足りないから、設備資金貸付制度を使ってみるか」と言うようなステップになって欲しいと思うんです、表の顔の人間としては。
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「情報」と言う観点で言ったとき、やっぱりそこにはお店の人の「熱意」と言うものがどれだけあるのか、って言う部分が最大のファクターになるような気がします。正直な話、その「熱意」と言うものを図るのが「商店街活性化事業計画」だ、と霞ヶ関の中の人は思っているのかもしれませんが・・・さて、それは一体どうなのかなぁ?と思いっきり疑問を持つわけで。ある特定のお店がなまら熱意があったとしても、周辺のお店の人が「もうだめぽ」と言っている状態ではこの「商店街活性化事業計画」も作る事が出来ない訳で、その「熱意」が空回りしてしまう事は起こして欲しくないって思うんですよね。それこそ「誰がamazonに負けるか」とか「値段じゃ敵わないけど、この商品を扱わせてみたら強いze!」と言うお店もあったりするんですよね。そう言う「熱意」をどうやってくみ取っていくのか、それが重要な部分になってくる訳で。
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まぁ、何か色々と書いてみたのですが、ただ単にお金を出すと言うのではなく、その「お金」が貰えるからとか、無利子融資を2/3してもらえるから、と言ったものではなく「こうなりたい」「こうありたい」と言うビジョンを描き、そのビジョンに向けて、それぞれのお店が「熱意」を持ち、地域に対して「ウチらはこんな事が出来るんだぞ」と言うようなものを見せて欲しいと思いますし、やっぱり買い物に行くことがwktkするような所になって欲しいなぁ・・・と思う訳で。
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で、裏の顔的に言えば「高速バスの本数が増える」って言うのは大都市との繋がりが増えると言う事でもあります。ただ単に「お客さんが逃げ出す」と言うチンケな考えでこの現象を捉えて欲しくないって言うのがあるんですよ。逆に考えれば「何をすればいいのか」と言う事が手に入りやすくなった、そう捉える事も可能なのかなと思うんです。
自分達の「まち」や「地域」と言うものに誇りを持つことは大事だと思いますし、その「誇り」が無い所は正直生き残れるとは思いません。ですが、一歩外に出て「他のまちや地域」と「自分達のまちや地域」を比べてみることは有意義なものであると思いますし、「何が足りないのだろう」とか「何を望んでいるのか」と言う事を今までより見る事が容易になった、と言えるのではないでしょうか。そう言う部分で「ストロー効果」を恐れるよりも、むしろ逆に「利用してやれ」と言うような部分、そんな発想の転換が出来るのではないのかな?と思う所で。