静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

青春メガドリーム号炎上。(背景解説)

 と言う訳で普段のアクセス数から想像の付かない程の方がお越しになられている訳なのですが、簡単にこの「メガライナー」と言う車両がどんな車両かを解説しておきます。
■車両
【つくば号時代 2002年-2006年5月】
 
 元々は東京駅〜つくばセンター間で運行されていた「つくば号」専用車両としてJRバス関東が2000年に1台導入しました。しかしながら、車両の長さが通常の高速バスの12mではなく15mと言う事があったため、道路運行の許可が出なかったと言う曰く付きの車両でした。ですが、2002年に特認が下り、運行を開始します。
 その後、2003年に3両が追加導入され、JRバス関東が2台(D750-00501号車、D750-03501号車)持ち、JRバス関東から共同運行会社である関東鉄道にリースされ、都合4台での運行となりました。定員が86人と大きい事もあり、通常の高速バス(つくば号に関しては40〜42人乗りの車両が標準でした)2台分のお客さんを一気に運ぶ事が可能であり、TX開業前のつくば線では非常に重宝していたと言う話を聞いた事があります。ですが、その車両長もあり「定められたルートしか走る事が出来ない」ため、渋滞時には他のバスが迂回路を走行するのに、このメガライナーで運行している便は迂回路が無いと言うような事がありました。
 その後、つくばエクスプレスが開業したため、関東鉄道にリースされていた車両がJRバス関東に戻って来ました。
【青春メガドリーム号時代 2006年6月-】
 この大型のバスをどのように使うか勘案した結果、当時台頭しつつあった「ツアーバス」への対抗策として東京大阪間で「青春メガドリーム号」として格安の運賃で運行する事になりました。通常のドリーム号(3列シート)が片道約8,000円に対し、この「青春メガドリーム号」は片道基本運賃が4,300円と言う格段に安い値段と言う事もあり、ハイグレード指向の「プレミアムドリーム号」と格安指向の「青春メガドリーム号」、そしてその中間にある「ドリーム号」と言う3クラス制が成り立った頃でした。また、「青春メガドリーム号」運行開始に合わせて、関東鉄道で使用されていた車両がJRバス関東から西日本JRバスへ移籍したのは以前のエントリで書いたところです。

 実際に私も、7月にこの「青春メガドリーム号」(奇しくも今回炎上したD750-03501号車でした)に試乗して東京から大阪まで出かけた事がありました。詳細はこちらのエントリを参照して頂きたいのですが、一番前の席が確保出来れば比較的快適に睡眠を取る事が出来た、と言うのを覚えています。
【車両の特徴】

 車両の特徴としては15mもある車体の長さもありますが、後輪2軸もステアリングを切る事が可能と言う事もあり、ドライバーさんの話ですと「見た目より小回りが効く」と言う話もありました。実際に自分で運転は当然できませんので(苦笑)どうかは良くわからないのですが。

 写真は読者様提供なのですが、こんな感じになっています。15mの車体に88人も乗る事が出来ると言う事もあり、一度つくば線で乗ったときには「随分足元が狭いなぁ」と思った事がありました。正直、その時の記憶があったので「青春メガドリーム号」として夜行便で走ると言う事を聞いたときは「本気かよ!」と思った事を覚えております。
 正直、静岡ではただ通過するだけなので「関係無い」と言うのが実際の部分ではありますが。
【実際の車両として】
 JRバス関東では、このネオプラン社の車両で「スカイライナー」と言う車両を何台か所有しており、今でこそなかなか見かける事はありませんが、東京大阪間の「ドリーム号」や「東海道昼特急」でも運行していた事がありました。

ネオプラン・スカイライナー(車外) D670-01501号車

ネオプラン・スカイライナー(車内) D670-01501号車
 親しくしていたドライバーさんから話を聞いたところ、「正直運転しにくい」と言う話を良く聞いていました。ギア関係が国産の車両と違う事や、空調関係の調整が非常に難しいとの事でした。実際、この「メガライナー」も「スカイライナー」とほぼ一緒であると言う事もあったりしますし、車体が長くお客さんが多く乗る事ができるだけに、その細かい部分の扱いは結構大変だったのかな、と思う所があります。