静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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高速バスのwebページから考えてみる。

 ここでも高速バスのネタかよ!と言う事でお許し頂きたいのですが、今回はバスそのものの話ではなく、そのPR方法と言う事について書いてみたいと思います。
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皆さんが「どっか出かけるとき」には恐らく色んな交通機関を使用する事を考えるかと思いますが、その時に「高速バスもいいよね」って言う事を考えて見られるページはどこになるでしょうか。中には物好きなページもあって、そこを「地元のポータルサイトだ」的な勢いで作っている中の人も居るでしょうが、やはり基本的にはそれぞれの会社のページを見る事だと思います。
そんな中で、まず見るのは「バスの時間」であるとか「運賃」の話、これはあると思いますが、その他にも「どんな所にどんな風に行けばいいのか」って言うこともあるでしょうし、「長い時間過ごす車内、どんな感じなんだろう」って言うのがあるのではないでしょうか。
今回と言うか7/16に開業する遠州鉄道の「イーライナー」浜松横浜線のWebページと、地元静岡市しずてつジャストラインが運行する「静岡横浜線」のwebページを見ていると結構違いが出ているのに気付きました。
■横浜まで行ってどうするの?
路線開業の背景にあるものについては省略しますが、横浜と言う事で「横浜まで行ったら後はこんな所に行けますよ」って言うことを分かりやすく書いているのが遠州鉄道なんですよね。具体的にこのページになるのですが、単純に「横浜市内の観光」だけではなく、観光・ショッピング向けの路線乗換案内羽田空港・成田空港向けの路線乗換案内、そして、意外だったのがビッグサイトパシフィコ横浜と言った展示会会場向けのビジネス利用客向け路線乗換案内と、「こんなお客様でもご利用頂けますよ」と言う提案が出ているところです。
その一方でしずてつジャストラインは一応は横浜観光のモデルコースを掲示してあるものの、基本的には観光向け路線と車内で定義づけているのか、観光客向けの案内しか出ていません。
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恐らくはそれぞれの会社で「路線の位置づけ」的なものはあるのかもしれませんし、特にしずてつの場合は同社が運行している東京都内行の「しみずライナー」や「駿府ライナー」と言った路線もありますので「社内で余計な競合をしたくない」って言うのはあるのかもしれませんが。・・・どうなんでしょ、
このこのPDFファイルを見て「横浜行こうか」って言う人がどれだけ居るのかな、って思わざるを得ません。そう言う面では「お客様の事をあんまり見てないんじゃないのかなぁ」と思う部分が正直あるんですよね。遠州鉄道の場合には更に横浜市バスと組んで一日乗車券の案内もwebでしていたりとか、YCATから羽田空港行バスの乗車券を遠州鉄道の各窓口で販売もすると言うような「お客さんが必要とされるものをそこで提供している」って言う所は相当力が入っている(逆を言えば顧客層が掴めない)なぁって考えます。
■バスの車内はどんななの?
まぁ、流石に市内を走っている路線バス用の車両は絶対に来ないものの、やはり4時間程度かかる事を考えると「どんな車内なんだろ」と言う事も考えてしまうかと思うところです。そんな観点から見た場合には、やっぱりしずてつの方が一日の長があります。こちらのページでは実際に使われている車両(実際には微妙に座席が違いますが、椅子の数は一緒なのでここでは「実際に使われている車両」とします)の中やどんな椅子なのかって言う事も出ています。
その一方で遠州鉄道の高速線ページにはそのような記載がないところで。トイレ無しでも実際には2回ほど浜松からですと休憩を取ることが出来るのですが・・・やっぱり心配ですね。
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前振りが異常に長くなってしまいましたが、webページって言うのは「お客様が最初に目にする場所」であると言っても過言ではないでしょう。そんな中でお客様が「どんな事を知りたいのか」と言うのをマスで考えるのではなく、「どんなお客様が【イーライナー】と言う検索ワードで来るのか」と言う事を仮説でいいから設定した上で、それらのお客様でも分かるような構成にしないとならないのでは、と思うところです。その中でwebの雰囲気が良かったから「○○を選んだ」と言うようにお客様は感じ、お客様はお金を落としていきます。そんな風にお客様にとって「何をお客様は望んでいるのか」を常に市場の中から感じつつ、そんなお客様に良い経験をして頂くためには何をすべきなのか、と言うことを考えて広告に関するアクションプランの詰めを本当はしないとならないのではないでしょうか。
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今回はただ「バスの話」をメインに据えてみましたが、どんな商売であっても「お客様に一人でも多くの方に自分たちの商品を体験して貰う」と言うのは全く替わりはない」と思います。そのためには「自分たちの強みや弱み、周辺環境の脅威や追い風は何なのか?」と言う根底の部分から考えて行かなくてはなりません。

さて、皆さんのビジネスでは「お客様が何を求めているのか?」と言う「お客様目線」に立って様々なことを考えていらっしゃいますか?