静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

よもやの展開。

 と言うわけでここから先は情報としての価値がない「チラシの裏」。お前のチラシの裏なんか読みたくないわ、って言う方はこちらでお帰りください。

今回の改正で運行開始となる「渋谷・新宿ライナー静岡号(清水駅前経由)」の予想される運行経路です(大きい地図はこちら)この経路は、静岡駅北口から東静岡駅南口間は現行の「渋谷・新宿ライナー静岡号」が運行している経路であり、清水側の90度近くで曲がる交差点(市役所清水庁舎交差点)から先に関しては「しみずライナー号」が運行している経路となっており、その間の「東静岡駅南口交差点」から「市役所清水庁舎交差点」間が全く新規の経路となります。実はこの経路沿いにこのBlogの中の人の自宅もある訳で(どこかは秘密w)、地図上だけで見れば「高速バスのバス停が向こうから近づいてきた」と言う俺得な状況になって来ています。
 俺得とかそこらへんは別として、今回の路線開設にある「各路線の性格」と言うか何か的なものを考えてみました。

■「経由地多様化」戦術-渋谷・新宿ライナー静岡号(清水駅前経由)
 JR東海バスは東名間の夜行便で、名古屋地区の経由地を多様化して「近くのバス停から乗車可能にする」と言う戦術を取ってきました。この戦術を静岡でも展開したのがこの「渋谷・新宿ライナー静岡号(清水駅前経由)」です。今まで上の地図にある「東静岡駅南口交差点」から「市役所清水庁舎交差点」間には高速バスの経由は無く、静岡駅、新静岡もしくは清水駅、新清水まで鉄道線を使って出る、もしくは大内観音入口、永楽町バス停まで自家用車で行ってから乗ると言うのが流れでした。ですが、この路線開設により、草薙駅南・草薙一里山・桜橋駅前まで歩いて行ってから乗ることができるようになり、確実に利便性は向上しました。
 しかし、気にかかる点があるとすれば、3往復という本数の少なさもあるのですが、草薙駅南・草薙一里山両バス停の駅勢圏にあります。地元の方ならばわかると思うのですが、南幹線の南側は日本平がある有度山となっており、住宅はその山の中まで続いています。当然ですが坂道も多くあることを考えると「近くまでバス停が来てくれたのはいいんだけど、帰りにその坂を歩くのが・・・」というようなことがあるのではないでしょうか。また、山ということもあって住宅はどうしても限定されてしまいます。そうなるとバス停からの二次交通をどうするのか?というのが引っかかるところです。場合によっては「どうせ車で行くのならば大内観音入口や永楽町まで車で行くのも一緒だわ」という考え方も出てきます。
 また、特に渋谷マークシティーからの乗車の場合には「現金扱い」での乗客が多いので、新宿から土休日に乗った場合には15分程度は余裕でロスします。そこの部分は正直微妙なのかなぁ・・・と思うところもあります。
 実際に運行開始となってどの位のお客さんが草薙駅南・草薙一里山から乗車するのかが気になるところです。


■「多頻度・広域」戦術-駿府ライナー
 駿府ライナーは運行開始時点から無料駐車場を大内観音入口に設置し、更に直近のダイヤ改正で永楽町にも設置しました。駐車可能台数は両駐車場を合わせて約60台となっています(永楽町は他系統もあるため、全てが駿府ライナーに使用できるわけではありませんが)。また、本数も15往復となっており、新宿駅新南口発の最終に至っては22:20発と新幹線の最終「こだま」より遅くなっているのがポイントです。また、永楽町駐車場は清水駅前から車で10分もかからない場所にあり、その利用範囲は清水区内中心部だけに限らず、場合によっては三保や折戸と言った「しみずライナー」沿線からも十分利用は可能になっています。本数の多さと、利用出来る範囲の広さ、という面では「駿府ライナー」に一日の長があるのではないでしょうか。
 ただ、駿府ライナーの弱みとしては「新宿駅新南口」のターミナルが余りにも弱いという面があります。これから先、新宿駅の改築に伴い、バス乗り場が今までの新宿駅新南口から、かなり代々木駅に近いところ(高島屋タイムズスクエアの紀伊国屋書店前付近)にターミナルが移設されるという話も出てきており、新宿側が「渋谷・新宿ライナー静岡号(清水駅前経由)」に比べると非常に不便な場所になってしまいます。新宿駅の外れというよりも、代々木駅近所ですのでね・・・。普通に「新宿」と言ってイメージされる場所からは程遠い所ですので、この部分をどうやってカバーするのかが問題になってくるものと思われます。

■「飛び込み客対応」戦術-しみずライナー
 ここまで来ると「しみずライナー」の立場が非常に微妙なものになって来てしまうのでは?と思うところもありますが、都内の行き先は「新宿や渋谷」だけでなく、東京駅からアクセスした方が便利な所も当然多いわけです。銀座とか上野とか霞が関とか秋葉原とか。そのような場所へ行く場合にはやはり新宿の人ごみを歩いて中央線乗ってとか、と言うのも正直面倒臭いです。また、東京駅のバス乗り場は八重洲南口と言う誰から見ても分かりやすい場所ですので、そのような意味では「しみずライナー」の優位はやはり揺らぐところはないものかと思います。
 ですが、しみずライナーの弱点は「回数券しか割引運賃がない」ところです。早売7が「渋新(清水)」や「駿府」にはあるのですが、しみずライナーには現時点ではありません。また、往復割引も無いと言う事を考えると、単純に「しみずライナー」往復で使うのではなく、新幹線と組み合わせた「ビジネス向きの路線」なのかな、と思うところがあります。流石に土日は予約が必要でしょうが、平日に関しては「飛び込みで乗っても座席がある」と言うところが逆説的に見た場合の強みになってくるのかもしれません。

 単純に「安いから」とか「本数が多いから」とか言うのではなく、旅程のスタート地点と目的地、現地でどんな動きをするのか、と言う事を考えて、新幹線も組み合わせて使い分けを考えると言うのが一番賢い方法かもしれません。