静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

「旅」のすがた。

 明後日がボーマスでIYHしてしまいそうな倉庫番です。今日は本当に雑感(かつ固い話)なので、興味のない方はスルーする事を推奨します。と言う訳で折り曲げておきますね。
 おいらの本性はミク廃な高速バス好きなんですが・・・世を忍ぶ仮の姿と言う事で一応会社で仕事をしています、と言うか仕事しないとダメな事をする活動資金を確保出来ませんからね!
 で、そんな中で色んな会社さんにお邪魔して、お話を聞いて、調査報告書みたいのを書くだけの簡単・・・じゃない仕事なんですが、やっぱりお邪魔する前には色々とネタ繰りをしないとなりません(当たり前ですが)。来週には1件、月末には1件既に予定が入っているので、その今一番絶好調に忙しい・・・と言うか脳味噌をキリキリ酷使するシーズンなんです。事前に送って頂いた資料を分析し、「この部分はどうなっているんだろう?」と情報から推測したり、「この情報じゃ効果あるお話が出来無いから、事前にこんな資料を貰わないとねぇ」と言う事を日がな一日やっています。

 このあたりは世間で言う所の「仮説」とか「仮説検証」とか言うものらしいのですが、ここ最近実は「旅」なんじゃないのか?と思うようになっているんです。「旅」なんて書くと「物理的にどっかに行くこと」って言うのが普通の意味なんでしょうが、どうもそれだけじゃないのでは?と思うんです。

 貰った資料が正しいと言う前提に立てば、居ながらにしてその会社の社長室に居るようなもんですし、その中で色んな資料を見ると言う事は「その会社の今の状況を知る」事であり「色んないいこと・良くないこと」を知るようなもんです。当然、見ていく中で「まだこの部分分からないなぁ」と思う事も出て来るワケですが、そこは資料の行間を読んで「多分こうなっているんだろう」と言うような事になるんですよね。ただ、その資料は「ある決算期時点での資料」であり、決して「今この時」を反映しているものではありません。言うなれば「時間軸に沿って旅行をしている」みたいなもんです。

 ここで「旅行」というものの特質を見る必要が出て来ます。
 基本的に「旅行」と言うのは出発地と目的地があり、目的地での用務が済み次第に出発地に帰る行動です。その「目的地」と言うのはその旅行者が生活している社会とは別の空間であり、基本的には「通り過ぎるだけのところ」であると言う解釈を取る事ができます(現実的には経済行為を通してその空間との交流を持つ事になるのですが)。そう考えると、仕事の上で様々な会社の事を見る行為と言うのは「旅行」と言うものに通じるのではないかと思うのです。自分のリアリティが自分の所属している会社にある以上、その他の会社と言うのは「自分のリアリティのある場」ではないのですから。
 また、「旅行」と言うものには「何らかの知見を得る行為」であると思います。例えば何かイベントに参加して「今回のイベント楽しかったZE!」って言うのも十分な知見ですし、「○○はこうだった」と色々と考える事、これも「旅行」がもたらす効果であると思うのです。他の会社の事を見ること、それによって何らかの知見(この場合は自分のリアリティがある仕事に対するフィードバック)を得る事、まさに「旅行」なんです。

 ですが、自分の場合はその「知見を得る」事が「旅行」の目的ではありません。その「旅行先」に対して何らかの働きかけをすることが「旅行」の最大の目的なのです。これから先の進む方向性〜すなわち「物語」を創らなくてはならないのです。そんな中で「物語」と言うものの意味は何なのか?を考えないとならないのもまた事実です。
 「物語」と言えば「真っ白いキャンバスに〜」とか「何も無いページに〜」と言った枕詞(のようなもの)が付くことが多いですし、確かにそのような部分はあると思います。ですが、本当に「何も無いページにこれから先の事を描けるのか?」と言われれば、個人的に言えばそれは出来無いと思います。

 だって、「物語」を創るのは人間ですから。
 人間は「経験をする」事によって自らを広げる事の出来る存在ですから。
 その「経験」は「旅」なのですから。

 ボカロ曲を創っているどんなPでも、どんな素晴らしい物語を創る作家さんであっても、どんな素晴らしい演奏をする演奏家であっても、「自分のしてきた経験」が下敷として存在し、その「経験」と言う名前の「時間軸の旅」を自分の中で咀嚼して様々な事物を創造する訳ですから。

 そう思うと、結構この「経験」って言うのは大事なのかなと思うところです。
 ある一定の事物を詳しく知ってないとならないのは当たり前ですが、その「ある一定の事物」を知っているだけで全てが解決する訳では無いと思うのです。時には「これって全然関係無いんじゃね?」と言う、ある意味どうでもいいような事を経験したり、時にはバカな事を真剣にやったりして、その中から「あれ?これってこう回せば上手く行くんじゃね?」と言うことを自分なりに導き出す事が必要だと思うのです。

 ・・・まぁ、そう言うもっともらしい事を書いて色んなバカな事をやる口実にしてしまっている自分が居るのですけどねw。