静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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1/9 e-LineR大阪1号(浜松エクスプレス大阪1号)/浜松駅→京都深草

 去年の年末に書かせて頂いた「乗りバスのススメ 参」。その中で「もう一つの『京阪神昼特急静岡号』」として少しだけ書かせて貰った「e-LineR大阪号」。静岡市内から乗りに行くのは静岡駅を始発電車(5:16)に乗って浜松まで出るか、新幹線の始発電車(6:05)に乗って浜松まで出ないことには乗る事が出来ない、静岡市内から乗るのは非常にハードルが高い便である。
 友人から「青春18きっぷ」の残り1回分を譲ってもらうことができ、さてどこに行こうか・・・と考え始めたらまっさきにこのバスが出てきた。「まずはe-LineRで関西方面に出ようか」と言う事を考えて早速高速バスネットで予約。席は運転席側が11列、ドア側が9列と言うことを把握していたので5A席を。
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 その前日は、高校の頃の同級生が静岡に20年振りに帰ってきていて、その友人たちと飲み会。結局終電になってしまったので静岡発の在来線始発に間に合うことはなく、新幹線で浜松まで行く事になった。いや、EX予約便利です。

 正直、そのまま新幹線に乗ってさっさと京都まで行ってしまいたかったのが本音ではあるが、今回の最大の目的が「e-LineR大阪号」であったので(ところがその後、事態は変わる)浜松で下車。いくら自分が最近浜松クラスタ的になっていると言ってもそれは無いだろ、と言うところではあるが仕方ない。

 e-LineR横浜号の出発を待って、大阪行のバスは入ってくる。

 実は何回も写真を撮っている割には遠鉄の高速車に乗るのは初めて、と言うか静岡に住んでいる以上乗る機会はないだけに車内も少し気になっている部分もあるのだが、グリーンとブラウンを基調にした落ち着いた車内でこれはこれでなかなか雰囲気はいいのかと思うところ。ちなみに1番前の席には電源コンセントも設置されているのに驚いた(大阪線用の516号車)。正直各座席にコンセントは欲しいところなんですけどね。

6:50に浜松駅を新宿駅行の渋谷・新宿ライナー浜松号に見送られて出発。乗車時点のお客さんは12人と比較的早い時間ながら(と言うか、早い時間だからこそ)乗っている。途中市役所前とかヤマハ前とかの停留所はあるものの、お客さんが乗ってくること無く浜松西インターへと向かう。途中には航空自衛隊浜松基地なども眺める事ができるが、特に何も動きはないような感じ。
恐らくこの経路は「京阪神ドリーム静岡号」でも運行されている経路であるとは思うが、窓の外を眺めながら走るのは実は初めて。いや、会社の車で何回もこのあたりは走っている訳なんだが、視点が高いので眺めもまた新鮮である。その上で、このバスは浜松西インターに併設されているバスターミナルで乗車扱いをするので、少し寄り道をすることになる。
浜松西インターバスターミナルでは4人乗車して合計16名で関西を目指すことになるが、ここでいきなりの乗務員さん交代。しずてつで言うなら「新静岡を出た駿府ライナーが、いきなり鳥坂営業所で乗務員交代をする」って言うようになるのか、正直「え?なんで?」と驚いたのは言うまでもない。だが、考えてみれば浜松から大阪までワンマンで往復運行するって言うのは結構時間がかかるわけで、おそらくはハンドル時間の関係もあるのではないかと推測するところ。
あと、このターミナルは駐車場も併設されていたりとか、遠鉄のバスツアーの乗車場所になっているとかもあり窓口や地上係員も配置されていると言うなかなか豪華な郊外型バスターミナル。静岡市内周辺じゃこんな感じの所は見ないなぁと思う所。

そして、浜松西インターから東名高速道路に入る。後は「東海道昼特急」であるとか「京阪神昼特急静岡号」でも走った経路なので大幅に省略するが・・・

この「e-LineR大阪線」で無いと味わう事ができない「浜名湖サービスエリア」をスルーするとか(いや、静岡市内から乗ると必ず最初の休憩地は浜名湖サービスエリアなんです)言う事になる。これもまた新鮮な所である。愛知県内に入り、豊田JCTから伊勢湾岸自動車道に入るが、最初の休憩は刈谷PAと、これまた静岡市内から乗車した場合にはなかなか入る事のないパーキングで休憩。

 観光バスと混じって休憩をするが、この観覧車をまさか路線バスで真下から眺めることになるとは正直思っていなかった。バスそのものは以前渋谷・新宿線で使っていた車両の転用であるが、車内には「大阪ー浜松」と言うステッカーが貼られており、浜松と大阪を結ぶ路線バスであることを明確に示している。ただ、これから先遠鉄も路線が増えてきた場合には一体どうなるのかなぁと思うと同時に、好調で増車と言う事になったらこの大阪線にも新車が入るのでないかと思う所ではあるが、さて一体どうなる事やら。

 バスは「京阪神昼特急静岡号」のドライバーさんが交代する湾岸長島パーキングエリアを通過して伊勢湾岸自動車道から東名阪道へ、そして亀山JCTから新名神に入っていく。東名阪に入ると鈴鹿山脈の山々には積雪が目立つとともに、新名神に入ると路肩にも除雪された雪が目に入ってくる。確かに関ヶ原のような雪景色ではないものの、関西に向かうにはこの峠を越えていかなくてはならないのは新名神になっても同じ事なのかもしれない。
 その後、甲南PAで休憩の後、草津JCT名神高速に入って更に西へと向かう。

 名神高速だけでしか見ることができない、長い下りと上りの直線を2ヶ所越えれば京都深草バス停。浜松駅からは4時間弱程度。「あれ?浜松と京都ってそんな近かったっけ?」と思う所はあるし、これってむしろ東京に行くよりも京都や大阪に行く方が時間的に考えれば短いのでは?と言う事を感じた。
 本当ならばそのまま大阪まで乗っていきたい所ではあったが、バスを降りて京都のまちへと向かう事に。

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 今回、初めて「遠鉄高速バス」に乗りましたが、普段から乗り慣れているしずてつ高速バスやJR高速バスと違う点もあり、色々と面白いものがありました。
 遠鉄バスは在来線路線バスには「見えるラジオ」の端末が次停留所案内と一所にLEDで設置されていますが、これが高速線用車両でも設置されており、「中国の業者がスティーブ・ジョブズ氏の人形を出火する」(見たまま。そりゃ出火するわなw)と言うようなニュースが流れていたり、次停車駅を案内するのではなく、『現在「大津IC」-「京都東IC」間運行中』と言ったような案内が流れていたりします(しずてつでもドライバーさんによっては、カーナビ画面を正面のモニタに映してくれますが)。
 また、それよりももっと驚いたのは車内にナイスパスのカードリーダーがあった事でしょうか。よく見ると浜松市補助金で設置したという旨を示すステッカーが貼ってあるので、そう簡単に撤去できないと言うものもなるのかもしれません。流石に予約だけしてナイスパスで乗ると言う人は居ませんでしたが(汗。

 同じ静岡県内の事業者が運営する高速バスでも、遠州鉄道は空港連絡バスの運行を積極的に行なっていることから独自の考え方と言うものがあるのかもしれません。既に中部国際空港・横浜、渋谷・新宿、京都・大阪と言う4系統を運行している事もありますので、今後どんな路線を展開していくのかと言うのは非常に興味深いところでもあります。

・・・でも、静岡から乗るんだったら「京阪神昼特急静岡号」だよなぁ、静岡市民的には。