静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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東京を楽しもう/スカイツリーシャトル東京駅線

 スカイツリーの入場券を確保することができ、先日早速登って来ました。はじめは「東武グループ必死だな」程度にしか思っていなかったのですが、実際にスカイツリータウン(と言うか東京ソラマチ)の中を歩いたり、実際に登ってみると「こりゃやっぱり凄いわ」と言うように田舎者は感じました。
 その東武グループである東武バスセントラルJRバス関東が共同運行を開始した「スカイツリーシャトル東京駅線」。運行開始当初は「お客さんが少なくてどうなるの?」と言うことも言われた他、鹿島営業所の11年新車〜それも44人乗り〜が運用に入っていると言うこともあり、一部のバスファンの間では話題になっていました。
 スカイツリータウンは仕事面から気になり、スカイツリーシャトルは趣味面から気になる、と言うことで、東京に用務で出かけた際に早速乗車です。

 梅雨の晴れ間の月曜日、昼間は都内某所で式典に出席していたために長袖シャツとスーツ、それもネクタイ付きと言う「どこがクールビズだよ!」と言う姿でスカイツリーに登ってからおみやげを買ってバス乗り場にやってくると、丁度東武便の東京駅行が出発した所。その後には「回送」表示のJRバスが。すると、前に進んで「東京駅」と言う表示を出していました。

 丁度この日に乗ったスカイツリー発17:10の便は話題になっていた鹿島営業所の新車H657-11405号車。そう、44人乗りの非楽座車です(運転席側12列、ドア側10列)。他にも東京支店の楽座車が入っているとのことですが、楽座車はそれこそ駿府ライナーでしょっちゅうお世話になっているので今日はこちらの方が自分的にはよかったりしますが、この44人乗りと言うのが後々「役立つ」ことになります。

 車内を見てみるとフローロング調の床材がはめ込まれており、椅子はブラウンを基調にしたデザインとなっています。椅子そのものの作りはしずてつの初期高速車やJR東海バスの05年新セレガ車と同様なタイプでセンターアームレストがあり、補助席がありません。言うなれば「44人乗りワイドシート車」と言うところでしょうか。
 当然ではありますが、待機中はアイドリングストップ。車内は暑いわけですので上着を脱いでネクタイも外してと言う状況。そんな間にお客さんがどんどん乗ってきます。現金で払う人もいればICカードで払う人も居ると言う状況。この路線、乗車時に運賃を支払うと言うことでは東名高速線と同じ扱いなのですが、乗車券は渡されません。乗車券はどうなるのか?と言えばドライバーさんが後で整理をしていたので、一応は「乗車券は発券されている」と言うことですね。そんなに人数乗ってくるのかなぁと思っていた所結果的には32人と言うお客さんが乗ってきた訳ですから、日によっては積み残しも出てしまう可能性もあるところ。やはりそうなってくると楽座車40人乗りもいいのですが、輸送力仕様の44人乗りと言うのを持ってきたのもわかる所です。

 そんなこんなでバスは30分の旅に出発します。狭い通路を通って行くと左手には業平・・もとい、とうきょうスカイツリー駅の電留線を見ることができますので、止まっているのは言うまでもなく東武の電車。そして右手には押上駅交通広場と京成電鉄の本社も見えます。この日は何故か消防車が京成の本社に何台か止まっていたのですが、さて、何かあったのかと気になる所になるんですが、お客さんは車中からスカイツリーを見上げて携帯電話で写真撮影。確かにこれは撮りたくなる風景かもしれません。

バスは浅草通りを駒形橋へと進んでいきます。
この当たりの商店もスカイツリーへのお客さんを見込んでリニューアルをしてあったりなどしますが、やっぱり「下町」の風情にあふれています。工事中にこのあたりを歩いた事があるのですが、結構良い感じのお店も多くあるので、機会を見つけて歩いてみる事をオススメします。こんな風景の中を走るバスの写真も撮ってみたいところですね。かなりマジで。JRのスカイツリー行きも走ってきますし、目の前には京成タウンバスの浅草行も走ってます。あれ?こんな区間のバス走ってましたっけ?そのバスには「葛飾で待ってるぞ」と言う葛飾区のラッピングも。

その駒形橋の上からは、スカイツリー首都高速アサヒビールの本社を眺める事ができるスポットも。こちらでもお客さんの多くがデジカメで撮影しておりましたので、その様子をパチっと。ちなみにスカイツリー行の車内からはこんな感じに眺めることができます(同じ日の東武便で撮影)。

こりゃ、やっぱり撮影したくなりますよね。
駒形橋西詰交差点を左折して江戸通りを今度は浅草橋南交差点まで進んでいきます。このあたりには「駒形どぜう」やBANDAIの本社(静岡にあるのはガンプラの向上です)などもあったり、総武線浅草橋駅を過ぎると日本人形のお店があったりなど、このあたりも非常に面白いお店が揃っています。ですが、お店によっては「問屋」なので・・・

こんな看板が出ているお店も。このバスの経路になる浅草橋付近から馬喰町付近は問屋街になっているのでこのような看板を出しているお店もありますし、中には「お気軽にお入り下さい」と言う看板も出しているところもあったりします。お店の考え方がそれぞれ異なっているところですので、このあたりをブラブラと歩いてみるのも結構楽しいかもしれません。

浅草橋南交差点を右側に進み、今度は総武快速線が走っている所の上を進んでいきます。日本橋ではありますが、三越とかが有る所からは少し外れているところなので特にこれと言って見所はない?のかもしれませんが、このあたりは研修中の実習先の近所だったりしますので一時期は来た事があったのですが(密かに東京でビジネスマン気分を味わっておりました)、今では地図を見ても「あれ?どこだっけ?」と思うところです。

そして、新常盤橋交差点を左折して呉服橋交差点、右折して東京駅日本橋口に到着します。

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経路としては常磐道の方からやってきた高速バスの東京駅日本橋口へのアプローチとほぼ同じになると思うのですが、23区内だけを走るJRのバス、それも高速タイプと言う事は正直「予想外」の路線でした。ですが、30分と言う短い時間ではあるものの「東京」のまた違った雰囲気を車窓から味わう事ができるって言うのは「バスの良さ」なのかもしれません。
片道500円、都営バスなら200円で行ける区間なのですが、確実に座ることができて、かつ、ハイデッカー車で眺めがいいと言う「観光的な要素」もありますし、何よりもスカイツリーに行くのに、新幹線を降りてすぐの乗り場(八重洲南口)から出ているって言うのは案外使い勝手がいい路線なのかもしれません。実際、地下鉄で行く場合には半蔵門線を目指してそこから押上まで行けばいいのですが(東武線を使うって言う手もありますが、如何せん始発が浅草なのは・・・)、新幹線(ないしはしみずライナー号)から真っ直ぐ行くにはいいかと思いますよ。

ですが、東京駅日本橋口でこのバスを見ると「どっから来た高速バスなんだろう?」と思うのは言うまでもないことで。