静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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静岡甲府線復活の狙い

 と言うわけで上のエントリの考察です。相変わらずチラシの裏書くので、興味のない方はスルーして下さい。

この「静岡甲府線」、「7月20日〜9月30日の期間限定運行」と言う形になっていますが、この先10月以降も運行する意思があるのではと思います。
というのも、ダイヤや料金設定を見ていると「こりゃお客さんの付き方では継続運行になるのでは?」と思わせるような部分が多々見受けられるのです。

(1)ターゲットは「特急ふじかわ号」

101号(山交) 竜王5:50→甲府駅6:05→甲府昭和6:16→西八幡6:21→上今諏訪6:27→静岡駅前8:53
ふじかわ2号 甲府6:25→南甲府6:30→東花輪6:37→静岡8:37

甲府方面の地理には弱い(と言うか良くわからない)のでなんとも言えない部分はあるのですが、竜王には駐車場も設置されていますし、甲府駅から先の停車バス停は恐らく結構住宅地があると思える所で。恐らく中部横断道には白根インターから入る事になると思うのですが、この沿線からふじかわ号に乗っているお客さんをバスに引きこもうと言う設定があるのかと思うのです。また、静岡駅では9:11発の「ひかり」号に接続しますので名古屋・大阪方面へも接続可能と言うのが今回の設定の味噌なのかと思うのです。

しずてつのこちらのプレスリリースでは片道2,000円の差、と言うのもありますが、今回は相手が新幹線ではなく在来線特急。そうなると完全に「ふじかわ2号」を狙った便設定なのかと思います。ま

また、静岡発7:25のしずてつ便1号。こちらは甲府駅に10:15着になってます。
で、「ふじかわ1号」は静岡8:17→甲府10:27になってます。どうしても時間はかかりますが、それでも甲府に一番早く辿り着く交通機関になる訳ですから、これも狙っている部分はあるのではないかと思うところです。ちなみに、このしずてつ便1号には名古屋発6:20の「ひかり500号」(N700系)から接続しますので(静岡7:14着)、名古屋方面からの最速でもあるわけで。

見た限りでは「何でこんな時間帯なんだろう?」と思う部分もありますが、相当「ふじかわ号」を意識したダイヤ設定ではないかと思うのです。

(2)「中部横断道開通後」を狙って。
 この「静岡甲府線」の運行復活、これにはこの春までの「身延線長期運休」と言う要素もあったのかもしれません。静岡から甲府に行くためにはそれこそ自家用車で行くか、新横浜〜八王子を回るしか無かった訳ですから相当不便になってしまっていたのは言うまでもありません。では、バスでは・・・と言うと新東名がまだ開業していなかったこともあり、清水から興津、そして宍原(ししはら)まで延々と一般道を走らないとならなかった訳ですから、どうしても設定が難しかったと思うのです。ですが、今年の4月に新東名が開業して静岡の中心部からの時間も短縮されることになり「これならば設定することができる」と言う判断があったのかもしれません。
 そんな中で、早めに路線設定を行なって「甲府へは高速路線バスで」と言う認知度を高めていきたい、そんな戦略があるのかと思うのです。

 実際、今回の運賃設定の中では往復割引運賃が「4,000円」となっています。
 この「4,000円」と言う運賃を見ると「9/30までの運行開始往復割引」と言う事になっており、別途「4,500円」という通常の往復割引運賃も設定されています。確かに今回は「期間限定」と言う事になっていますが、お客さんの付き方によっては「10/1以降の運行も行う」と言うのがあるのではないでしょうか。

 それともうひとつ、車両の話。
 今回のしずてつ便に関しては「車内にトイレの設置がない」旨がブローシャーに書かれていますし、写真を見ると特急静岡相良線に使用されている車両が出ています。恐らくは現在所有の高速車リソースが足りないのでは?と思うところです。それこそ10月までは「試験運行」的な形態で運行し、10月頃になって高速車の新車が入ったら「本格運行」になるのではないかと勝手に推測しているところで。

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 今回の「22年ぶりに復活」した静岡甲府線、これからどんな展開をしていくのか気になる部分です。