静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

「マジカルミライ」(8/31)に行って考えたこととか色々。

 と言うワケで、横浜と言っても珍しく行ってきたのは

 横浜アリーナでした。ええ、ライブで。

 ミクさんのライブは09年(確か新木場)、10年(確か有明)、11年(ライブビューイングを新宿で)、12年(東京ドーム)と言うことで都合4回目でした。午前中は物販に行くために東名江田で駿府ライナー4号を捨てて横浜アリーナへ向かい(なぜしみずライナー2号にしなかったのだ、と言う事を永楽町のバス停に到着して気づいた)、その後都内へ一旦行ってから・・・と言うのは前回のエントリで書いたので省略。
 また今年も前回(2012年3月)のフォーマットを借りて書くことにしましょう。

■選曲
 昨年までとは全く違う趣向だったのかなぁと思うところです。相変わらず聴く音楽ジャンルが偏ってますので、聴いたことが無かった曲も約半数程度あったのですが、8曲目の「Hello ,Worker/KEI」、9曲目の「erase or zero/クリスタルP」が個人的に聴いていて「これいい感じじゃん」って言うのを感じ、早速宿舎でもう一度聴き直しました。このあたりは個人の趣味が色濃く出ているので何とも言えないものはあるのですが、やはり「主要な聴き手の年齢層」が好きだと思われる曲を持ってきたのかなぁと言う所だと思っています。
 アンコール2曲目に「ゆめゆめ/DECO*27」を持ってきたのは「そう持ってくるか!」と言う所で驚いた部分でもありますし、アンコール1曲目の「1/6 -out of the gravity-/おどP」は「あれ、これ・・・何かボカコンでも聴いたよ」と言う事もあって、非常に意外な選曲だったように思います。そう言う意味ではおっさんの聴き手にも優しい選曲ではなかったのかなと思う所で。

■編曲
 去年はバンドアレンジの話はあんまり書いてなかったのですが、今年は聴いていてアレンジ的なものも気になったので書き起こしておくことにします。ニコ動やYouTubeに上がっている音源の中には当然全部DTMでやったのもあれば、バンドで演奏したのもあるとは思うのですが、ライブの時のバンドアレンジって言うのは「創り手側の考え方」が出てくるので、結構面白いと思っているところです。
 そう言う意味で意外な解釈を見せてくれたのが22曲目の「 ODDS&ENDS/ryo[supercell]」でした。最後のサビの1回目の所でテンポを落として、2回目に入る時にテンポを戻す、と言うのは「ああ、そう言う解釈なのね」と感心して聴いておりました(本当は歌詞を掲載したい所なのですが、はてなダイアリーでは歌詞掲載が公式に認められてないので掲載できません。)。
 その一方で「え?そんな解釈なの?」と思ったのが3曲目の「キャットフード/doriko」。ドラムが妙に細かいビートを刻んでいて、良く言えば疾走感、悪く言えば落ち着かない、そんな印象を受けました。他にも20曲目の「Tell Your World /kz[livetune]」が妙に軽く感じてしまった・・・というのもあったりします。
 バンドの色、と言うか色々とあるのだとは思いますが、そう言う面では何か妙に引っかかる(良い意味でも悪い意味でも)が多かったように思う所です。

■演出
 今回はスタンド席で座ってのんびりと見ていたのですが、場内が暗転してからのアリーナ席の葱畑っぷりはやはり綺麗でしたし、「erase or zero/クリスタルP」になった時に場内のサイリウムが黄色と青色になって「ああ、千葉支社だな」(鉄ネタです)と思ったりとか、バンドの上にあるスクリーンに映し出されるPVすごい、と思ったのですが・・・あれ?肝心のミクさん見えないっすよ、と言うのが正直ありました。フロントアクトで雪風の中の人が出ている時ははっきりと「そこに人が居る」と言うのが認識できたのですが、肝心の本編になってから「あれ?何処行ったん?」と言う状況で、モジュールとかは2日の夜にニコ動のタイムシフトでようやく確認出来たと言うところ。
 こちらのBlogを拝見してその理由が分かったと言う所だったりします。ステージ上のスケールの問題とかではなく、透過スクリーンに後方から投射しているプロジェクターの光であるとか言うところで。詳細はリンク先を読んで欲しいと思います(自分にゃ技術は正直分からない部分が多いですし)。

■気になったこととか諸々
 自分の中で意外だったのが「感極まる」って言うのが無かったことです。
 確かに演出とかは「大感謝祭ともミクパともミクフェスとも全く違う」と言うのは良く分かりますし、それぞれの良さがある、と言うのは自分もよく分かります。流石セガさん半端ないです。一緒に行った方の言葉を借りれば「エンターテインメントとしては最高」なんですが・・・何かどっかに大きな乖離があるような気がして仕方ないのです。

 開演の前、C社の社長さんが挨拶で「この場に創発された創り手を増やして行きたい」(大意)と言うのがあったのですが、さて、この「マジカルミライ」と言うイベント全体を通して見た段階で、このイベントが「創発の場」たり得たのか?と考えているのです。別に自分がそこまで考える必要はないとは思うのですが、ついつい。
 理念が「創発の場」であると言うのは間違いないとは思います。が、実際に自分を含めた参加者が「何かやってみようか」と思えるような積極的な仕掛けがどこかにあるのか、と言えばさてどうなんだろうか、と言うのが実際のところではと思うのです。恐らく今回一押しだったと思われる「カルエリア」は確かに幾つかのワークショップが開催されていました。実際自分も興味惹かれるものがあったのですが、諸事情あってワークショップには参加できずでぐぬぬと言うのがありました。
 ライブはライブであっていいと思います。やはり何だかんだ言って「登り詰めたPの皆さんの曲の発表の場」ですし、その面では一切否定しませんし、いいぞもっとやれと思うのです。ミライエリアについても、何だかんだ言って色んな創り手の方の発表の場であるのは言う間でもありません(静岡市内の企業さんも出展されていましたし)。
 言うなれば「トップスターの発表の場」が今回のイベント総体であり、そこに至るまでの人をどうやって取り込んでいくのか?と言うのが実は今求められているところではないのか?と考えるのです。その場がニコ動であり、YouTubeであり、ピアプロであり・・・とその「場」はあるのかもしれませんが、やはり何だかんだ言って「実際に面と向かって」「お互いにリスペクトしながら」と言うのが実は大事な部分になってくるのではないのかなぁと思うのです。
 そんな事を考えると、果たしてこの「マジカルミライ」と言うイベントが「創発の場」たり得たのか、と言う事に対して「理想と現実のギャップ」を感じ、「感極まる」と言う所まで至らなかったのかなぁと思う理由です。
 あともう一つは、C社さんがよく言っている「CGM」と言うものの考え方が「どうなんだろうねぇ」と言う部分に関して考えている所もあるのですが、これを書くとなると色々と別の観点で考えないとならないので、後日考えがある程度纏まったところで垂れ流してみたいところです。

 総体としては非常に楽しかったイベントでした(無茶苦茶暑かったのは流石に体に応えましたが)。ですが、このムーブメントが果たしてどっちの方へ向かっていくのか・・・と言う事を非常に考えさせられたイベントでもありました。

 相変わらず書く事が固いって?
 仕方ないでのです、仕様ですから。