静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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4/1以降決済分運賃変更まとめ

 
【本エントリを読まれる前の注意事項】
本エントリの内容は、今回の消費税増税に関する事象を個人的な解釈によって記載したものであり、筆者が所属する各団体の意見では無く、個人的な意見であることを予め記載します。また、エントリを読まれた方が、本エントリを読まれた事に起因する不利益を被っても、筆者はその損害賠償には応じかねますので、予めその点ご了解の上お読み下さい。
 もし、この注意事項に関して同意できない方は、本エントリを購読しないようにしてください。

 と言うわけで、静岡市内発着分の直行便系統に関して3日間にわたって変更になった運賃をまとめてみました。くれぐれも実際に金額を確認する際には各社ウェブページをご確認を・・・。

JR東海バス:渋谷・新宿ライナー静岡号、ドリーム静岡・浜松号、京阪神ドリーム静岡号、京阪神昼特急静岡号、静岡富士五湖号
しずてつジャストライン駿府ライナー・しみずライナー、横浜ライナー、京都大阪ライナー、静岡甲府線、静岡成田空港線

 例えば、4月26日〜4月27日に東京に行くと言うケースで考えます。

【切符を買う日で運賃が異なります】
 予約開始は3月25日(火)ですので、3月31日(月)までに切符を購入(インターネットでの決済)するのであれば、現行運賃(消費税5%)で購入が可能ですが、4月1日以降の決済になると改訂後の運賃(消費税8%)での購入になります。
【予約変更にもご注意を!】
 3月中に購入した切符を別の便に変更する場合には、3月中の変更(便変更・乗車日変更)ならば差額は発生しません。が、4月に入ってから変更する場合には差額の支払いが必要です。
 また、3月中に購入した往復割引乗車券の「帰りだけを4月に入ってから変更」することはできません。

 この辺りもご注意頂ければ幸いです、はい。

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 金額も1,000円単位の大きな値上げは発生してないほか、JR系各路線に設定されている「早売り」運賃に関しては変更なしと言うことで落ち着いている、と言うのが今回の運賃改訂です。で、何で「早売り運賃」を変更せずに済んだのか、と言う部分を書いておきましょう。

 まず、消費税は以下のようにして計算されます。

 消費税の納付税額=課税期間中の課税売上げに係る消費税額−課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額

 「課税売上」とは「商品の売上げのほか、機械や建物等の事業用資産の売却など事業のための資産の譲渡、貸付け、サービスの提供」を指しますので、考え方としては税抜きの商品価格の総合計と考えれば間違いはないと思います。そこから「課税仕入れ」(商品などの棚卸資産の仕入れ、機械や建物等の事業用資産の購入又は賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサービスの購入、そのほか事業のための購入などをいいます。事業のための購入であれば、仕入先が免税事業者や消費者の場合でも課税仕入れに当たる)分の消費税額を差し引いて「納付すべき金額」を確定させます。
 
 この中でミソになってくるのが「税抜きの商品価格の総合計」と言う部分です。
 5%と8%、消費税額の端数調整をして行くとどこかで帳尻を合わせる必要があります。本来ならば広く3%分を付加すべきところではありますが、その「端数調整の積み重ね」や「社内の経費削減」の結果「一部の運賃に関しては値上げをしない」方向でも増税分を賄えると判断したものだと考えます(実際に他業種である外食産業では一定の価格以下の商品は値上げを行わなかったりとか、静岡鉄道(本体)でも120円区間や130円区間は運賃据え置きになっています)。
 「早売運賃」は他交通機関に対する政策的な運賃施策ですので、各バス会社もそんなに弄りたくない運賃であるのかもしれません。そんな中で「早売運賃はそのままにしよう」と言う各社の判断があってこその据え置きなのかと考えています。実際にどうなのかは分かりませんが、駿府ライナー・しみずライナーの「トク得割」は結構上がっている印象も受けますので。

 また、基本的に各社別の系統であっても「静岡〜東京・新宿」や「静岡〜大阪」など原則的には同じ運賃なのも、今回はあくまでも「消費税増税分の転嫁」ですので、今回は税抜き運賃の改訂はしないと言う所なのかと思います(基本的に人件費や車両費、高速通行料、燃料費は多少の工夫の余地があるとは言え大きく変わるところはないと思いますし、この中で何が削りやすいかと言えば人件費位でしょう。とは言え、最近の事故もあっただけに、人件費もそんなに削れないのはまた事実ですし、車両費も削れないでしょうね。後削れるのは販管費部分かと)。

 いずれにしても、今後の運賃戦略がどのようになるのかは気になるところです。