静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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原風景としての商店街

で,色々考えていくと,この中板橋〜板橋本町ラインって自分の中の「原風景」になっている事に気付くわけで.武蔵野の雑木林の中で遊んだこともあるし,親父の転勤で行った先の沼津にも思い入れはあるのだが,やっぱり自分にとって一番忘れられないのはこのラインになる.何しろ,生まれは都立豊島病院だし,親戚(って言うかお袋の実家)はあるし,色々とお世話になりっぱなしって言うのもあるんだが.
 考えてみれば物心がついて初めて見た商店街って言うのは中板橋駅前商店街だし,そのお袋の実家そのものも自営業な訳で.そう考えると「商業」って言うものに知らず知らずのうちに興味を持って来たって言うわけだし,それを取り巻くコミュニティとしての商店街って言うものにも興味を持ってきたんじゃないのかと思うし,自分が「地域」って言うものの存在が気になるのはこの場所があったからじゃないのか?って思う.結構後付の理由もあるかもしれないが.
 だけど,今になって考えると中板橋駅前商店街って結構レアケースのような感じがする.確かに中核としてはスーパーが入っているものの,近隣にSCが立地してないところ(そりゃ西台や東武練馬,赤羽まで行けばあるけど)はそんなに無いんじゃないのかな,って思うわけで.実際に土地がないって言うのもあるんだが,それ以上に「いい感じに商業核が形成されている」って言うように思う.まぁ,武蔵小山の商店街なんかと比較は正直出来ないって思うんだけど,ちょっとした買い物ならばわざわざSCに買いに行くなんて言う事をせずに済むわけだし,いい感じにまとまっている.立地条件的なものもあるかもしれないが,おいら自身にとっては結構理想的な商店街なんじゃないのかな?って思う.そう言えば,シャッターが降りているって言うのをそんなに見た事ぁないしね.
 確かに静岡のような田舎と東京のような都会を一概に比較するって言う事は危険すぎるし,一律のものを解として用意する事をしちゃぁならないって思っている.けど,着飾った賑わいじゃなくって,普段着の賑わいがあるまちって言うのは本当に必要なんじゃないかと思うし,そんな中から色んなネットワークができはじめ,自分たちの問題を解決するための試みって言うのが生まれるんじゃないだろうか.
 お役所の中の人に「このままじゃ不味いからどうにかしてくれ」って言うんじゃなくって,「このままじゃ不味い,だからこんな事をしてみようと思う,けど,こんな問題点があるんだけど,何か解決出来るいい方法を一緒に考えようよ」って言うような方向性を自分たちの側から言えるような人が増えて欲しいと思うし,そうあるべき何じゃないのか,って思う,補完性の原理から言って.少なくともこれは都心部だけじゃなくって何処だって同じなんだが.
 これと同じ事ってSCの進出に関しても言えると思う訳で.以前のように大規模小売店舗法が無い状況だし,それこそ周辺に対して問題がなければ出店して良いって言うスキームになっている訳で(まぁ,いい加減にやって県からちょっと待ったコールがかかったお店が静岡市内にあるが).けど,単純に反対,って言うのはどうなのかって思う.むしろ使えるリソースは十分に使うべきだろうし,SCと地元商店街,SCと地元スーパーって言う棲み分けと言うか補完関係を築く事って言うのも大事なんじゃないかと.結局は地元に住む人にとって最良の結果を出すようにしなきゃならないし,
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 そう言えばその近所に流れている石神井川には桜の木が結構植わっていて,春になると結構綺麗なんだわ.確か都営地下鉄の駅貼りのイベントインフォメーションなんかでも紹介されている桜祭りってのをやっているんだわ.うちの親戚なんかは和菓子屋だからお団子を売りに行っている.
 満開の桜の中で,お店を閉めてもそっちの方でお客さんと一緒になって楽しむ,いや,楽しんでいるかどうかって言うのは分からないんだが,むしろしんどいって言っているようなんだけど,やっぱりそんな感じで地元に溶け込むことの出来る商業,いや,商店主って言うのは地域にとって本当にかけがえのない存在だと思う.そんな人にどんなことができるのか,いや,どんなお手伝いをすればいいのか,それを探すのが何か自分が今,この仕事をやっている一番の理由のような気がする.今年の春は,行ってみようかなぁ.