静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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解決方法無いのかなぁ?


圏央道訴訟、国の事業認定は違法・東京地裁判決  
東京都あきる野市首都圏中央連絡自動車道圏央道)建設予定地を巡り、地域住民らが国土交通相による事業認定と都収用委員会の収用裁決の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、東京地裁であった。藤山雅行裁判長(異動のため鶴岡稔彦裁判長が代読)は事業認定の違法性を認め、請求通り事業認定と収用裁決を取り消した。  土地収用法に基づく事業認定を取り消した判決は異例で、圏央道建設を巡る同種訴訟や公共事業の進め方に影響を与える可能性がある。  訴えていたのは、圏央道あきる野インターチェンジ(IC)の建設予定地の土地所有者や借地権者、近隣住民。  藤山裁判長は「圏央道が供用開始されれば、周辺住民に受忍限度を超える騒音被害を与えると認められる上、大気汚染の被害について十分な調査をしないまま事業開始を是認した」と指摘。「事業認定における要件を満たしていない」として、事業認定は違法と判示した。

 まぁ,東京地裁の藤山裁判長って言えば,小田急線梅ヶ丘の訴訟やら何やらで色々と言われている裁判官なので,まぁ,こんな判決が出るのは目に見えていたんだが,果たしてこんな判決を出してしまっていいのか?って言うのは正直言えば謎な所ではあるんだが.
 家の目の前に高速道路のインターチェンジが出来,生活環境が悪化するのはやっぱり勘弁だし,かと言って都心部を貫通する交通需要のために都内の交通事情や環境がさらに悪化するって言うのもやっぱ問題な訳で.言い方は悪いが,一体どっちの事を考えている裁判官なのかなぁ,って正直思う.色んなステークホルダーが地域の中に居るとき,どうやってお互いを納得させるようにするのか,って言うのは正直厳しい問題だと思うし,その双方の歩み寄りの努力が結果として実らなかったが故の訴訟であると願いたい所,って言うのがおいらの偽らざる所ではあるんだが,どうも判決を見るとそうじゃないような気がしてならない訳で.で,裁判長もその片方の意見に寄った判決を出している,ここが問題なんじゃないのかな?って思う所.
 色々と環境問題が言われ出している頃の計画ならば,それこそ道路の両側にグリーンベルトのような緩衝帯を作るって言うのも一つの方法かもしれなかったし,設計そのものも環境に配慮する方法を取れたはずなんじゃないかと思う.と言うか,今の日本だったらそれ位の技術力もあったんじゃないだろうか.多少コストがかかったとしても先々の持続的発展が可能な地域を創るための投資として出来たんじゃないんだろうか,って言うのが国に対して思うこと.
 で,その一方で地域住民に対して思うのが「本当に環境問題だけなのか?」って言う所.仮に,国が環境問題に最大限考慮した計画を持ち出していたとしたときに,本当にその計画を真摯に受け止めると同時に,全体の最適性を考えてその計画に反対したのか?って思う.まさか「自分の土地が取られるから反対」などと言う下卑た理由で反対していたりしないだろうなぁ,って思うわけで.それこそ,高速道路が開通してもたらされる経済効果がどれだけあるのか,その経済効果によってどれだけ自分たちの暮らしが良くなるのか(まぁ,この部分に関しては正直疑問な部分もあるんだけど,少なくとも税収が増加する事によって行政が何らかの施策を行う時の財源にはなりうる,って言う考え方に由来しているんだけど.)って事を考えたのかな?ってこと.
 正直言えば国も国だし,住民も住民だし,「おまーら両方ともたいがいにせぇ.確かに住民のの事も考える必要はあるんだけど,ここまで工事したものを現状復帰させるって事はそれだけ貴重なリソースを消費するんだぞ.つーわけで,国は計画を進めて構わないが,今からでも遅くはないので環境対策を万全に進めて工事をすること.住民はこの高速道路の意義を考え,可能な限り国に協力すると同時に,地域住民の立場から工事をモニタリングすること」って言う位の判決が出なかったのかな?って思うんだが.
 確かに地域住民が被害を受ける事が目に見えているのは分かる.けど,誰が一番損しているのか?って言えば,この道路が出来る事によって利益を得る(金銭的な利益だけじゃなんく,時間的な利益もそう)人じゃないかと.そして,その利益は巡り巡って自分たちにも返ってくるんじゃないのかなぁ,って思うんだが.