静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

放置自転車等対策推進税問題


本日、総務省より東京都豊島区に対して「放置自転車等対策推進税」条例に関し同意したとの発表がありました。
同条例の撤回を求めている(社)日本民営鉄道協会、(社)日本地下鉄協会、JRグループ(旅客鉄道会社6社)としては大変遺憾であり、合同で「放置自転車等対策推進税」新設に係る総務省同意について意見表明を行いました。
これは、本税の新設に伴い、各地に同様の課税条例が広まり、全国の鉄道事業者に影響が及ぶ恐れがあるため、鉄道事業者として同条例に反対する立場から行ったものです。
豊島区「放置自転車等対策推進税」新設に係る総務省同意についての鉄道業界意見について - JR東海
見解はここからPDFファイルで見ることができます。まさに日本の鉄道会社全てが参加しているって言う状況ですな。
で、この税金を誰が負担するのか?って言うと・・・

(納税義務者等)
第四条 放置自転車等対策推進税は、区内に所在する鉄道駅における前年度の旅客運送に対し、当該前年度の乗車人員を課税標準として鉄道事業者に課する。
(税率)
第五条 放置自転車等対策推進税の税率は、千人につき七百四十円とする。
(徴収の方法)
第六条 放置自転車等対策推進税は、申告納付の方法によって徴収する。
○豊島区放置自転車等対策推進税条例 -東京都豊島区
鉄道会社が負担になっている。こりゃぁ、反対するのも当然ですな。鉄道会社から見れば「そんなの行政がしっかりやってねぇから悪いんだろ。税金なんて言う事になったら俺らの売上が減るじゃないか」って言う部分もありますし、行政から見れば「お前らこそ、しっかりと整備しないからこんな事態になるんだぞ。整備費用に充当するから税金払え(#゜Д゜)ゴルァ!!」って言う不毛な言い合いなんでしょうね。あー、やだやだw、って言うか行政と民間での争いっていつもこんなような気もするし。
受苦圏と受益圏って言う話で考えてみようと思う。
まず、この問題で誰が「利益を得ているのか」(受益圏)って言う事を考えると、まずは「駅まで自転車や原付でやってきている人」でしょうね。だって、歩いて行くより確実に楽ですし、自転車をうっちゃらかしておけば、多少は盗まれるリスクが高まりますが、自転車置き場に置くより確実に楽な上駐輪場の代金を払わないでいいんですからね。で、後は鉄道会社。まぁ、実際には真面目に駐輪場に置いている人も置いてない人も、それどころか駅まで自転車で来る人も来ない人も電車に乗る訳ですから、鉄道会社としてはその放置自転車がどうこうって言う事を抜きにして楽な訳で。あと、駅の近所に買い物に来ている人で「そこらへんに置いておけ」って言う人や、お店の人も受益圏でしょうな。
で、次に考えるのは「誰が損しているのか」(受苦圏)って言う部分。確実に言えるのは身体的なバリアがある人でしょうね。高齢者の方とか障害者の方。いや、普段は「関係ネーヨ」って言う人も怪我や病気な時には、思いっきり邪魔な訳です。ええ、クソ邪魔になるかと。他に考えられるのは、その放置自転車置き場の近所で商売をやったりとか住んでいる人。それこそ、ブロークンウィンドウ理論じゃないですが、放置自転車が盗難されると言うか、しやすい環境を一度作ってしまうと地域全体の治安が悪化してしまうのではないかと思います。現に、そんな傾向にあるらしいですからねぇ。地域の防犯は放置自転車の盗難を無くすことから始まるって言っても過言じゃないと思います。
個人的には「ケチケチしないで、鉄道会社が負担してもいいんじゃないの?」って思います、って書くと何か非難されそうですが・・・。何でこう思うのか?って言えば、「鉄道会社が上手く商売にしてないから」って思うんですよ。つーかこれ、商売になるんじゃないの?って思うんですわ。
確かに地下鉄の駅なんかじゃ余剰の土地ってもんは無いのが実際の所ではあるんですが、多少は現在使ってない土地もあるって思うんです。特にJRなんかだと。そんな土地を駐輪場にしてしまって「○○駅で定期券を買った方には、多少は駐輪場使用料金を安くしますよ」とか「駐輪場に改札口を作りました。駐輪場ご利用者だけ使えます。長い階段も歩かなくていいですよ!」とか言うような自社運営の駐輪場利用者に対するインセンティブを与えれば結構( ゜Д゜)ウマーなんじゃないのかと思います、と言うか、マジで俺なら地元の草薙駅にそんな駐輪場あったら喜んで使うって(苦笑)。本当は駐車場借りたいのが本音なのだけどね。まぁ、利用料金は建設費や人件費がペイ出来ればいいワケなんだし、少しでもその駅の利用者(切符等の売上が上がるようにすればって言う話)が増えればいいって思うんだけど。まぁ、多少は利益を出してもいいんだろうけど。その上で行政の出番なんですが、例えばそのような形で駐輪場を整備した鉄道事業者に対しては固定資産税の減免(まぁ、その駐輪場に係る部分程度でもいいと思います)って言う事業者に対するインセンティブもありなんじゃないかと思うんですが。他にも法人所得税を減免するとかって言う形もありかとは思うんですよねぇ・・・。まぁ、池袋のようなターミナル駅なんかの場合なんかだと、乗換客もカウントしてしまうんじゃないのか?って言う問題もあるんでしょうけど、ここの部分は何とかして計算で出せるんじゃないのかなぁって思っても居ます。
少なくとも言えるのは、「払え」「払わない」って言う二元論で話をしている所なんじゃないのでしょうか。確かに三位一体の改革で歳入減が激しく危惧されている今日この頃なんですが、地域の問題解決には色んな方法があるんじゃないのか?って愚考するおいらであります。