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医工連携


実用化へ共同研究 専門医の負担軽減
 県立静岡がんセンター(長泉町)と富士写真フイルムはこのほど、次世代医療用画像診断ネットワークシステムの実用化に向けて包括的な共同研究契約を結んだ。同センターの豊富な臨床事例と同社の画像処理技術を融合させることで、これまで医師の頭脳で行ってきた高度な画像診断のノウハウをコンピューターに取り込んで肩代わりする人工知能システムの構築を目指す。同システムの実用化によって、がん診断の精度や効率の向上が期待されている。
 共同研究は、CT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像装置)、PET(陽電子断層撮影装置)、超音波エコーなどあらゆる画像診断に関する技術が対象。ヘリカル(らせん型)CTからMD(多列検出器型)CTまで撮影装置の進化によって、1回の検査で得られる画像情報は膨大な量に上る。読影(画像診断)する医師には大きな負担が掛かるため「効率よく判断しないと見逃しが起きる」(同センター)とも言われる。経験の差によるばらつきも考えられる。
 そこで過去の臨床事例から得られた画像情報と比較することで、画像診断を高精度で効率よく進める支援ソフトが求められている。同センターでは蓄積された画像情報などを活用することで、経験を積んだ専門医と同レベ=ルの診断を行う人工知能の開発を目指す。

共同研究推進に弾み がんセンターと企業や大学
 富士写真フイルムとの共同研究契約を結んだのを皮切りに、県立静岡がんセンターと企業や大学が共同研究を進める動きが加速しそうだ。同センターは「21世紀型共同研究としてブレインストーミング(自由な意見交換)から始め、何が患者に役立つかを押さえながら技術や機器の開発を進めたい」(山口建総長)と意気込む。
 同センターによると、同社との話し合いは以前からあったが、都内で1月に開いた説明会後、急速に進展した。また、ほかにも問い合わせてくる企業があるという。
 同センターは共同研究を3つのグループを対象に進めていく方針。第1グループは同センターが利用中のハードやソフトの製造企業などで、既存製品の改良や改善を目指す取り組み。新規性は高くないが、すぐに医療現場に役立つ技術や機器の開発が期待できる。
 第二グループは同センターの機能や特色を利用したい企業など。第1・2グループはいずれも製品化に直結する取り組みになるという。第三グループはベンチャー企業や地元企業で、第1・2グループとの取り組みを利用しながら育成を図るとしている。
 目指すのは「ベッドサイドクラスター」(山口総長)で、臨床支援に直結したものづくりと人づくりを図る。テーマに基づいて始まる企業との共同研究に大学も巻き込み、産学官連携で取り組みたいとしている。
医療用画像診断 人工知能が肩代わり 静岡がんセンターと富士フイルム -2/6 静岡新聞
 コメントが遅くなってしまいましたが、書いてみます。
 医療系の事って言うのはおいらの守備範囲外(興味がない、って言うわけじゃないけど)なので、明後日の方向の事を言ってしまうのかとは思いますが、画像診断のノウハウをデータとして持つって言うのは「なるほど」と思う部分もあります。恐らく、色んな方の診断データをデータベースの上に持ち、そのようなデータの中で「似ている」と判断するのは可能なのではないのかな?って思っています。まぁ、いわゆる「先例」って言うものでしょうね。ある一定の事象が発現するためには、当然ながら様々なプロセスを持っているわけで。そのプロセスをパターン化する(まぁ、例外パターンがあるって言う点にも注意なんでしょうけど)事によって診断支援を行うって言う事なんでしょうか。確かにがんセンターでは高度な診療が提供される訳なんですが、やっぱりそこまで行かなくても一般の病院でも高度な診断が出来るようになって欲しいとは思うわけで、そんな部分で地域の医療機関でも使えるようなものが出てくるのならば、それはそれで嬉しいかなと思います。
 あと、共同研究の件なんですが、むしろ既存の枠に縛られないって言う事に関しては第三グループの役割が非常に大きいと思います。それこそ医療従事者の視点ってのも大事ですし、医療従事者の使いやすさって言うのがあってこそだとは思うんですが、それこそ患者からのFeed Backってのも重要なのではないでしょうか。患者さんから「○○の検査は苦痛だ。何とか出来ないもんなの?」って言う事は恐らく出てくるんじゃないのでしょうか。そんな中で「ここをこんな風に変えたらどうよ?」って言うような意見も出てくれば・・・って思うわけで。それこそ、治癒した患者さんがベンチャー立ち上げて開発して貰うって言うのもありだと思いますし、それこそ患者さんと医療従事者、メーカー等の懇談会なんてもんをやっても面白いって思いますし、それこそまさに山口総長が言う所の「ベッドサイドクラスター」なんて言うものになるんじゃないでしょうか。
 産学官連携に関しては、正直言ってまだまだ足りないって思います。確かに「医工連携」って言う事に関しては実際に工学部系の大学との連携が行われていますが、ファルマバレー構想全体で言えば様々な学問領域との連携が必要なのではないでしょうか。例えば美学的領域から地域をどうデザインするのか?って言う取り組みも必要でしょうし、産業的な面からはMBAやMOTって言う部分もあるでしょう。そしてそれら個別の学問領域でFollow出来ない部分をカバーするための学際的な部分(政策科学とかね)からの連携って言うのもありだとは思います。このあたりはもう少し色々とやってみても面白いと思いますし、私がこの構想を追いかけるって言うのも、やっぱり「ファルマバレー宣言」に共感できる部分もありますし、もっと色んな所のknowledgeを巻き込んで地域の持つ価値を高める必要があるって言う部分に起因しているわけですから。