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民意は反対。


 静岡市との合併の賛否を問う蒲原町住民投票が13日、実施され、即日開票の結果、賛成3323票(43%)、反対4422票(57%)で、反対票が賛成票を大きく上回った。合併協定書まで締結した両市町の合併協議は土壇場でストップが掛かり、町議会は住民投票の規定で結果を「参考」にしながら、合併の最終判断をすることとなった。
 住民投票条例案を提出し、反対運動で庵原郡内での合併を主張した石川豊治町議は、投票結果について「これが町民の声で、合併は町民主体でなければならない。結果を踏まえ議会で発言したい」と強調。一方、山崎寛治町長は「静岡市との合併は必要。40%を超す町民の理解を得たことはむしろありがたく、非常に微妙な状況だと思っている」と述べ、議会の最終判断に望みを託した。
静岡市との合併 蒲原町民「反対」57% 町議会、最終判断へ ■2/14 静岡新聞
 昨日は一日中寝倒していたので、このニュースへのコメントを忘れてしまってました。と言うわけで今更ながらコメントしてみます。
 合併に反対、って言うのは感情論としてはおいらもよく分かります。実際に清水市静岡市が合併した時だって、やっぱりその新市の名前が「静岡市」って言う面白くも何もない名前に変えられちまった、って言うのは正直言って清水市民としては「言ってる事とやってる事が違うじゃねぇか<(旧)静岡市」って言う印象を持ちました。正直に言えば「日本平市」にでもなったら、今のようなアンチ合併の動きって言うのは正直無かったのではないのかな?って実は思っています。そりゃまぁ、今年の4月には政令指定都市になって「静岡市清水区」になるとは言えども、やっぱり地図の上から「清水」って言う区域の名前が消えてしまう事に反感を持つ人は少なくなかった訳で。また、静岡市清水市の合併後にあった色んな動きから「対等合併とは言っても、その実は吸収合併じゃなかったのか?」って言うようなものを感じた人も多かったのではないかと思います。それが故の「反対」と言う結果が出てきたものだと思っております。
 また、個人的には由比や蒲原が「静岡市」って言うのは正直な話疑問がある部分でもあり、無理して静岡市になる必要はないんじゃないのかな?って思う部分があったりもします。
 ですが、それ以上に「静岡市」になったとき、由比町にしても蒲原町にしても「自分達のまちをどのようにして行くのか?」と言う明確なビジョンを静岡市サイドや由比町蒲原町サイドが明確に示す事が出来なかったって言うのが最大なものではないでしょうか。
 それぞれの地域の持つ文化的資質は大きく異なっていると思います。同じ清水区内であっても、おいらの住んでいる草薙のあたりと興津らへんでは全然違うように、旧静岡市の中心部と蒲原町では文化的資質は全く異なるでしょうし、その「違い」をどのように担保し、どのように活かして行くのかが提示できなかった、それが故の「反対」だと思うのです。
 実際に財政的な面を見た場合、確かに蒲原町には日軽金の工場もあったりするので多少は自分達でやっていく事が出来るのかもしれません。ですが、変な話ですが、果たして蒲原の日軽金の立地の優位性がどこまで維持できるのかは昨今の経済情勢を見た場合誰にも分かるものではありませんし、正直な話、本当に蒲原町が独り立ちしてやって行く事が出来るのか?と思うと疑問ではあります。
 個人的に言えば、確かに庵原3町での合併が望ましいとは思うのですが、現実的な視点で見た場合、果たしてそれだけでやって行く事が出来るのか?疑問です。個人的には静岡市への合併も止む無しとは思いますが、その場合には何度もこのBlogで書いているように、「地域評議会」を旧町単位で形成し、補完性の原則を適用した上で「自分達の事は可能な限り自分達で決め、そこでFollow出来ないものは市単位で考える」と言う方向性を持たせるべきなのではないでしょうか。そんなに急ぐ事はないと思います。
 結局静岡市が合併を急ぐのは合併特例債などのような「アメ」目的なのでしょうか。それとは逆に、蒲原町も合併反対派の「既得権保護」が合併反対の最大の目的なのでしょうか。もし、その両方がこの問題に存在しているので有れば・・・「何考えているんじゃ、ふざけた事抜かしてるんじゃねぇよ」って言ってやりたい気分です。ええ。そんな近視眼的なもので見ても何も始まらないって思うんですが。
 浜松も「大浜松市」になる訳ですし、静岡県内でも都市間競争が激しくなる中で、それぞれの地域の持つ資質を活かしながら、都市間競争を勝ち抜いていく必要があると思います。確かに「蒲原」と言う由緒正しい名前が消えてしまうのは寂しいものではありますが、その地域の中にある「文化」ってそう簡単に消えてしまうものなのでしょうか?もし、そう簡単に消えてしまうものであれば・・・んなもんは文化じゃねぇよ。
 何にしても、蒲原町がどんな結論を出すのか、生暖かく見守っていきたいと思います。