静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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山手線の話


 以前も上げたんですが、どうやら本当に山手線から205系が撤退したみたいですね。某駅の駅員氏からは「205系お目当てのファンが多かった」と言うタレコミが入っていましたし、某車掌区の車掌氏からは・・・入電無いや。
 で、ふと考えてみると205系が山手線にデビューしてから、もう20年くらい経っているんですよね。でも、それでも「古くささ」ってもんを感じないって言うのは、デザインの観点から見た場合に一体どうなのかな?って思います。
 色々と考えてみると「奇を衒ってない」って言う所が最大の要因なのかな?って思います。確かに登場当初はかなり先進的なデザインだったと思います。ですが、多くの人が毎日の通勤通学の足として使う車両なだけに、奇をてらったものよりも「最大公約数」的なものを目指していたのではないのかな?と思います。恐らく、自家用車のデザインと比べるとその許容されるレンジは相当狭いものかと思いますが、その狭いレンジの中で、当時の「未来」を体現したデザインだったのではないかと思います。いや、エッジなデザインって言う事を考えればもっと尖ったものもあるかとは思うのですが。
 ですが、一番大事なのは「車両そのもの」のデザインではなく、山手線が走る地域性とのマッチングと言うものでは無いのかな?と思います。風景にとけ込める車両であった、それは205系のデザインを考える上での重要なファクターであったと思います。そのデザインの成功が故に、登場後20年経った今でも「新しい」と言うイメージを私自身の中に持たせているのかもしれません。

 後継の車であるE231系、そう言う意味では確かに山手線の持つイメージを受け継いで走るのに相応しい車両ではないのかな?と思います。まぁ、今じゃ帯だけ色違いの電車が山手線はおろか丹那トンネルを越えて沼津まで顔を出している今日この頃なんですが(苦笑)。
 まぁ、それは別の話ではあるんですが。
 社会から求められるデザインは確かに変わっていくのかもしれません。ですが、電車と言うものに対して何が求められているのか、それだけは変わらないのかもしれません。当たり前の話ですが。