静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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デザインって何よ?

 裏のBlogで書くべきネタかもしれませんが、日野自動車が作っている貸切バス/長距離路線バスのデザインが大幅にチェンジされるらしい。→日野セレガ
 おいら自身は「バスや電車そのもの」よりも「ハードとしてのバス・電車を使いこなすためのシステム」そのものに興味があるので、あんまり車両そのものには興味が無いのだが、正直言ってこのデザインには驚いてしまったって言うか、「ガキの頃に考えていた未来が来たのかな」って言うように感じる訳で。ちょっと拝借してデザインを比較してみたい。



これが新しいバスのエクステリアデザイン。色はまぁ・・メーカー塗色って言う事で。

これは現行(少し古いかもしれないけど)のエクステリアデザイン。JRバス塗色だけどね。
 まぁ、下のバスのエクステリアデザインに関しては、前の会社を辞める直前(1999年)にはすでにあったし、見慣れているって言う事もあるんだろうけど、正直かなり衝撃を受けている自分が居る訳で。けど、実際に各社の見慣れた塗色になってしまえば感じている違和感もそんなに大きくなくなるんじゃないのかなぁ、とも思う。個人的にはどの会社が静岡近辺で最初に導入してくれるのかが結構楽しみな訳で。
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 まぁ、バスそのものの話を書く訳じゃない。
 感じるのは「何か《未来》になったのかな?」って言う所なんだよなぁ・・・って言う事で。これは色んな所で本当に感じている。それこそ、Macの話にしてもそう。約30万近い金を出してローンで買ったPowerBook2400c/180に比べてみれば、今使っているPowerBookG4/1.33GHzなんかは性能が格段に上がったくせして10万近く安くなった訳だし、この比較はiBook/G3 500MHzと比較してもそうだ。ほぼ同じ値段で性能は段違いのものを買えるようになった。
 技術の進歩にふさわしいデザインのありかた、って言われればそうなのかもしれない。微妙にパッケージングを変えて「新しいものですよ」って言う事はマーケティングの方法としてあるかもしれないけど、果たしてそれが本当に有効なものかどうか、って言われればそれは正直な話疑問。モノノカタチって言うものはそう簡単に変える事は出来ないと思うし、本当にデザインのは時代を超えて受け継がれる訳で。それ故、今でもアンティークなものが好まれるって言うのはあるかもしれない。それは、「モノの本質」と「デザインの本質」のバランスが取れているが故だと思う。
 確かにユーザーのデザインに対する認識って言うものが時代の流れの中で変わってきたと思うし、社会がデザインに対して求めるものが変わってきているのかもしれない。環境問題やユニバーサルデザインとか、デザインを考える上で求められる「社会システム」、これを見ずしてデザインの評価って言うものは出来ないような気がする。その時々に見合ったデザインをする必要はあると思うし、これはハードだけではなくソフトも併せて考えるべき必要があると思うし、常に変わりつつある社会システムの動きに対するアンテナを持つ必要があるって思う。
 けど、現実の社会システムのデザインって事を考えると一体どうなのかなぁ・・・っても思う。例えば以前のエントリに書いた中小企業助成制度。確かに社会が即する問題に対する解決策の提示になっているとは思うし、無いよりはあった方がいいって思うのは一人の支援機関職員としては当然の話ではあるが、トータルに他の政策課題とミックスして考えたときに、「本当にトータルデザインの文脈で話をしているのか?」と思う所があるのは隠す事が出来ない。言うなれば、個々のモノのデザインが美しく洗練されていたとしても、それら個々のものをただ並べただけでは決して綺麗にまとまったものは出来ない、と言う部分である。
 自分自身決してデザインの専門家ではないし、正直言って専門的な勉強をした訳じゃない。けど、これからの社会の中で「デザイン」と言うものの持つ意味は大きいんじゃないのかな?って思う。それは、単純に「意匠」と言った狭い意味ではなく、世の中のあり方を考えるための一つの方法って言う意味で。