静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

長くなるのでエントリで。

 9/29のエントリに貰ったid:sa-50さんのコメントに対するResponceです。


sa-50 『いつも拝見させていただいてます.
出店だといっては軋轢を起こし、退店だといっては町に大きな負を残していく、大型小売店の問題はいつも影響が大きいですね.
ただ、新潟なんかではもうロードサイトの店の淘汰が始まっているようです.ダイエーも郊外型のハイパーマートでかつて大失敗し、大量に閉鎖をしたことが過去にもあった記憶がありますが、同じような風景しかない郊外店舗のほうが撤退の危険性は強いのかもしれません.店と居住者をどう繋いでいくか、そう考えると中心市街地の店舗のほうが考えようがあるのかもしれませんねえ.』
 このコメントと、同じくid:sa-50さんのこのエントリを読んでふと思った事がありました。

 民間って経済合理性でばかり動いていて、官はそうでもない、社会的な影響とかを考えて動いている.民と官はそこがちがうんだよ、という整理があったと思うんですが、実際それってちがうよなあ、とこのごろようやく思えるようになりました.結局どんな企業でも、企業として目指す方針があって、そこにはいろんな姿が絡んでくるんですよね.たとえば小売業だったら、「地域一番店」だったり「お客様に支持される店」という地域的なものから、「○○という商品を売りたい」「その商品を世の中で使ってほしい」(むしろこっちは製造業ですかね)というのまであるわけです.そこにはもちろん「儲かる」というテーマがあるわけですが、その裏にはいろんな人のいろんな思いがある訳ですね.そこには経済合理性で図れない、地域の姿とか社会のあってほしい姿というのが必ずあったような気がします.
ただ、それが通じなくなったとき、経済合理性で判断せざるを得ない状況まで追い込まれてしまったとき、というのがその企業の終焉なのかもしれません.
あとは、その想いをどうやって残していくのか、どうやって次の人に引き継いでいくのか、そのテーマはあまりにも重いような気がします.
[works]
 それは「地域社会」と言うものを法律の中でどこまで考えているのか、と言う事です。と言うわけで、ググってみると「大規模小売店舗立地法関係資料集」 (経済産業省商務情報政策局流通政策課)ページがありました。仕事柄(と言うか、最近ではこの方面の業務を担当してないので、半ば自分の趣味もありますがw)この手のページは色々と見てきたのですが、改めて国で考えているものを見直してみます。

1.法律制定の目的
(1) 大型店が地域社会との調和を図っていくためには、大型店への来客、物流による交通・環境問題等の周辺の生活環境への影響について適切な対応を図ることが必要。
(2) このため、大規模小売店舗立地法を制定し、地域住民の意見を反映しつつ、地方自治体が大型店と周辺の生活環境との調和を図っていくための手続等を定めている。
大規模小売店舗立地法の概要*PDFファイル
 確かに「地域社会との調和を図る」と言うのが立法目的であり、その目的を達成するための法律である、と言うのは分かります。まぁ、複数の目的を一挙に解決するって言う法律だと正直分かりにくくなってしまうだけに。この部分に関しては確かに同意なんですよね。今まで何も無かった所に、いきなり大規模小売店舗が立地すれば生活環境が一変してしまう事が有るわけで(事実、自分の近所もそうだし)、一番重要な所を抑えている所は重要だと思います。ですが、これは本当に「最低限度」の事なんじゃないのかな?って思います。
 実際、確かに自分の家の近所にジャスコが出来て相当便利になりました。しかしながら、土日の昼間は渋滞が激しかったりとか(「ジャスコ渋滞」って呼んでますがw)、昼間に行っても駐車場に止められないので21時以降に買い物に行くとか言う捻くれた行動パターンを取らざるを得ない状況になっています。とは言え、便利と不便を天秤にかけりゃぁ「便利」に振れるのは間違いないので、トレードオフを受け入れているって言うのが実際の所です。
 ただ、ここ最近で問題にしているのは、単純に地域内の経済活動や生活環境の話ではないんですよね。「消費行動」に関する話なんです。
 たとえば音楽に関して話をしてみましょう。
 前はLPレコードやシングルレコードを買ってからカセットテープに録音し、ポータブルカセットレコーダーやカーオーディオで聞いていたりしました。その後、供給メディアがレコードからCDになり、保存メディアがカセットテープからMDに、MDからiPodに遷移して行きました。また、供給メディアの購入元もお店からダウンロード販売へと(iTMS-Jの場合は曲数がまだ少ないですが)遷移しつつある状況になっています。
 果たして、この動きは可逆的なものかと言われると、個人的にはNoと言わざるを得ない部分があると思います。不可逆的な状況であるって言う部分なんですよね。確かにこだわりのある人だったら「こんな曲iTMS-Jじゃ扱ってないよ」(例:エロゲOP曲のマキシシングルw)とか「Jazzはレコードじゃないとダメだ」って言う部分はありだと思いますが、あくまでもそれはメインストリームではなく、マスから見た場合にはニッチになると思います。個人的にはニッチも十分商売になると思うので、決して市場そのもが無くなるとは思っていませんし、むしろ色んな形で展開を考える必要があると思います。
 少なくとも「生活の中に無くても問題ない」(俺的にはNo Music,No Lifeですが)音楽ですらこのような状況なのですから、一般消費財に関して言えばもっとこの傾向は大きなものを示すと思います。購入方法が可逆的ではないと言う事、それは大規模小売店舗が提供した消費行動パターンは変えることが出来ないと言う部分です。
 そりゃまぁ、近所の小さいスーパーに行けば一応のものは手に入る事があるかもしれません。中には色々と特徴のある品揃えをしている所もありますし、伊豆の方に行けば「フードストアあおき」と言う有名なスーパーもあったりとかして(富士市内にも出店してたのかよΣ(゜д゜lll)ガーン)、十分競合が出来るような体勢になってる所もあったりしますが(と言うか、ナショナルチェーンと対等の選択肢となっているって思う)、やはり自分自身の経験から見て「難しいなぁ」って言う部分があるのではないでしょうか。
そう考えると、多くの住民にとっての必要性はあるのではないかと思う。
(続きは後刻)