静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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処分で終わる問題じゃないと。


 静岡市清水区の山間部吉原地区に向かうしずてつジャストライン(本社静岡市)の路線バス「庵原線」で、最終バスに乗客がいないと終点まで約1キロを残して営業運転を取りやめ、脇道に入って営業所に戻る運行が行われていたことが23日、分かった。同社は、目撃した住民が指摘した2回について事実を認め「公共交通機関への信頼を損なう、あってはならない行為」(総務課)と話している。
 問題の運行があった場所は停留所「吉原温泉上」。同線はJR清水駅を出発し、静清バイパスの清水区尾羽付近から山あいに入り吉原に至る経路。バスは同停留所以北の吉原口、新吉原橋、吉原に向かわずに左折し、伊佐布地区を通って営業所へ戻った。最終バスは折り返し運転をしないため、この脇道は日常的に利用するという。運転手が“節約”した終点までの所要時間は片道4分だった。
 2回の運行は別の運転手で、いずれも50歳代のベテラン。それぞれ「経験から(近道に入る交差点より)上の方では乗る人はいないと判断してしまった」などと説明したという。
 地元住民は「乗る人もいないからバスが時々、途中で帰ってしまうことは知っている。地域がないがしろにされているようで寂しい」と話した。
 同社によると、ダイヤ編成上、約50人の運転手が同路線の運行を担当しているといい「どの程度こうした行為があったのかは不明。事実を確認し再発防止を徹底する」と説明した。
山間地「乗客いないから」 バス終点前“営業終了”静岡新聞 10/24確認
 静岡市はこれでも「オムニバスタウン」に指定されているわけなんですが、ってこれは関係無いですね。
 片道4分の節約、そんだけでんな事すんなよぉって思うと同時に(いや、公共交通機関って言う前に「ダイヤ」と言う商品を蔑ろにしている事が問題なんですが)、「どう考えてもお客さんが居ない所を走る」って言う非効率性って言う事も同時に思う訳なんですわ。
 この問題って「面倒くさい」って言う事で終わらせてならないんじゃないのかな、って思います。ただ単にショートカットをやったドライバーさんに対して処分をするって言うだけで終わらせてはならないって思うんですよ。地域の人が「自分らの所が蔑ろにされている」って言う気持ちも分からないではないんですが。いや、やってはならない事だと言うのは大前提なんですけど。
 たとえば、最終便に限って末端の停留所は「降車専用」にするとかって言う方法もあるかと思いますし、「デマンドバス」って言う方法もあるんじゃなかろうと。停留所から乗車するときには、事前に何らかの形で「乗る人が居ますよ」って言うのを知らせ、その連絡があった場合には末端区間の運行を行うって言うのもアリだとは思います。それこそ、携帯電話のシステムを使えば安く上がると思いますし、バス本体にだって携帯電話を付けるのもそう難しい話じゃないでしょう。
 市街地を走る路線であっても自家用車や自転車との競合が発生していて、それこそノンステップバスを導入したりとか、バスロケーションシステム(次のバスは○○に居ますよ、って言う表示を出すアレです)を導入したりとかしているんですが、確かに一応は採算がまだ取れる区間に主に設置している訳で。モビリティの問題を考えたとき、そこにはエリアによる格差が存在していていいのかな?って思う部分があるんです。むしろ、本当にノンステップバスが必要なのは都心部じゃなくって中山間地を走る路線のような気もしますし、バスロケーションシステムが欲しいのは、本当は中山間地を走る路線のような気がします。・・・だって、中山間地でバスに乗り遅れたら本当に悲劇じゃないですか。都心部だったらオルタナティブな交通機関が存在する訳ですし。とは言え、バス会社が慈善事業で路線バスを運営している訳じゃない、って言うのもまた事実な訳で。自家用車があればそれをメインの足に使う事も可能ですし。
 何かいい問題解決の方法はあるような気がします。それこそ、自家用車の共同使用を可能にするとか、それこそ定期運行が困難な路線に関しては「バス」ではなく「マイクロバス」で運行してコストダウンを図るとかって言う方法もあるような気がしないではないんですが。はい。