静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

確かに額としては小さいけど

 今朝の静岡新聞でこんな記事があった。ただ、web版には出ていないので、本人の日記ページから引用してみる。
お約束ではありますが、このエントリの内容は私個人の意見であり、私の所属するいかなる団体の意見を代弁するものではありません。


静岡県議会議長 大橋正己様       2006年3月15日

海外視察支度金制度の廃止について
県議会会派「市民の風」
 代表   松谷 清
 規制緩和構造改革がもたらした「格差社会」は、ライブドア事件をきっかけに、「勝ち組」「負け組」という言葉と共に、社会のキーワードとして多くの人々が口にするようになっています。そして、その「格差」是正に向けて政治の分野にいる側が、どのような対応をしていくのか多くの注目を集めています。こうした中で、有権者の側からの議員の特権(=以前より存在する格差)に対する批判の声は強まりこそすれ弱まることがないというのが昨今の状況であります。
 こうした中で、議員特権の一つとして批判を向けられている問題に、海外視察における支度金制度というものがあります。これは
1、 この制度は、海外旅行が本当にまだ少数であった時代に作られた制度であり、今日の多くの人々が海外に出る時代にその意味がなくなっていること。
2、 静岡県議会における実態として、この支度金は、支度金としてというより、海外での視察活動費に組み込まれており、その体をなしていないこと。
3、 全国においてこの制度を廃止する都道府県が続出していること。
 以上の経過からして、2006年度からこの制度は廃止すべきであります。以下の点を議長に申入れしますので、早急なる対応をとっていただけるよう要望します。
「1」 この制度廃止のための条例案の検討を代表者会議ではかり、廃止を決定する。
「2」 議会議決による廃止までの間、この支度金は、議長の責任において支出を凍結する。
「3」 条例案可決ののちに減額補正をはかり、支出をおこなわない。
まつや清の日記3/16確認

 確かに読めば納得できるものはあるのですが、果たしてそう簡単に「廃止」と言う事にしてしまっていいのか?と言う部分はあります。議員さんと一般の職員は違うよ、って言う意見は確かにあるかもしれませんが、基本的な考え方は同じだと思います。
 職員の海外出張の場合には以下のような根拠で支給されます。

第34条 支度料の額は、旅行期間に応じた別表第2の定額による。
2 外国に出張を命ぜられた者が過去において支度料の支給を受けたことがある者である場合には、その者に対し支給する支度料の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による額から、その出張を命ぜられた日から起算して過去1年以内に支給を受けた支度料の合計額を差引いた額の範囲内の額による。
 別表第2に関しては色々とあるのでここでは書きませんが、私みたいな下っ端の人間(5級以下)ですと、こんな風になっています。
 1ヶ月未満 53,900円 
 1ヶ月以上3ヶ月未満 65,450円
 3ヶ月以上 77,000円
 ですが、支度料を渡されて1年以内に「海外行って来い」と言う命令を貰った場合には、一番最初に支度料を渡された金額が差し引かれますし、2週間以内の出張の場合は1ヶ月未満の半額を支給すると言うルールがあります。今では、それこそ飛行機も多くありますので、2週間未満の場合が多くなってきています。
 とは言え、少なくとも遊びで海外に行くわけではないのですし、海外への出張費用そのものも嵩むわけですから、当然ではありますが「費用対効果はどうか」と言う事を厳しく吟味されるのは言う間でもありません。それこそ、本当に仕事が忙しい人ならば海外にそう遊びに行けるものではありませんし、業務で渡航をすると言う事はやはりそれなりのものを要求される筈です。例え、下っ端の職員であったとしても「県を代表して業務を執行する」訳ですので。そのための費用として考えた場合、そう簡単に「支度料を廃止する」って言う事を言ってしまっていいものか?と言うのは正直言って疑問だと思います。
 公金を使って遊びに行くような輩に渡す「支度金」なんぞ正直言って不要です。そんな連中からは3倍返ししてもらってもまだまだ足りないと思いますが、本当に仕事のために行く必要が生じている職員に対しては必要な費用だとは思うのですが・・・。