さよならのかわりに〜「京阪神昼特急静岡1号」乗車前記

　3月に入って「京阪神昼特急静岡号」がダブルデッカー車からボルボ車に変わった、と言う話を聞いた。以前から乗りたいと思いながらもなかなか乗る機会が無かっただけに「これは機会があったら乗りに行きたい」と言うように思っていた。
　そんな中、3月中旬に大阪に行く機会があったのだが、スケジュールの関係で結局往復とも「東海道昼特急大阪号」を選ぶしかなかった、と言う事があった。どうしても時間との兼ね合いで出来ないものがあるのは仕方ない話だし、それはそれで諦めるしか無かった。
　それから1ヶ月も経たないある日、「GW中どうしようかなぁ」と言う事を考えたとき、「そうだ！」と言う事を思った。

この間のリベンジと言う事ではないが、折角なので「京阪神昼特急静岡号」に乗りに行こうと言う事を考えた。そうなると話は早い。帰りはどうせ東京に行かなくてはならないので、大阪から「プレミアムドリーム号乗ってみよう」、と言う事になり、早速高速バスネットで予約をする。
　結果として「京阪神昼特急静岡号」は難なく予約をする事ができたのだが、「プレミアムドリーム号」は肝心のプレミアムシートが全く取れない。しかし、辛うじてスーパーシートを確保する事が出来た。
　後は、５月のGW後半を楽しみに待つだけになった。

　しかし、話はいつも突然である。
　4月28日に何気なくJR東海バスのwebページを見ると、そこには何よりも恐れていたものがあった。
「京阪神昼特急静岡号廃止」
　来るべき物が来たのか、そう思うと同時に、個人的にはかなりショックは大きかった。一番最初にこのwebページに乗せた乗車記の路線が廃止になると言う事。そして、何よりも静岡発着の高速バス路線が定着する事無く廃止されてしまうと言う事に。
　事情が分かっているだけに、正直辛いものがある。

　だが、バス会社だってボランティアで運行をしている訳ではない。廃止になる事を知る前に予約が出来たと言う事、そして、この「京阪神昼特急静岡号」の最後を見る事が出来ると言う事だけでもよしとしたい。
　ただ、バスに乗るためだけに大阪に行き、翌日には東京で用事がある。まさに自分が一番最初に乗った「京阪神昼特急静岡号」初便と同じ構図になってきた。

　自分にとっては、昼間の東海道を静岡駅から乗る旅路。復路の「プレミアムドリーム号」と併せてせいぜい楽しんでくる事が「さよならのかわりに」なるのかもしれない、そんな事を想いながら。