静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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最後の、旅路。-特急東海号・最後の乗車記(2) 静岡駅-


 待つこと暫し、下り方面から東海号は2番線ホームに入ってくる。今日は東京方からF10編成とF12編成の組み合わせ。先頭車付近には多くのファンが集まっていてゆったり撮影できる雰囲気ではなかったので、敢えて最後尾〜逆光ではあるが〜に向かう。予想通り、逆光と言う事で殆ど誰も居ない状況。今日は2号車の指定席券を持っていたので自分としても非常に都合がいい。普段は普通電車で乗ってばかりの373系であるが、やはりその姿は特急が一番似合うような気がしないでも無い。普段余りにも見慣れている空気のような存在。だが、その存在が一番華やぐ運用がこの「東海」号の運用かもしれない。

 ヘッドマークJR東海のコーポレートカラーであるオレンジ色をベースにして、富士山と駿河湾を描いたそのマークは、静岡を走る特急列車である事を印象づけてくれる。夜にはこの「東海」と言う文字が印刷の都合か緑色っぽく見えるのであるが、やはり朝と言う事もあり、しっかりと黒に見える。

 今回の改正では東海号そのものが廃止になってしまうのであるが、それ以外にももう一つ大きな変化がある。それは、静岡県内を走る在来線の昼行特急列車が全面禁煙になってしまうと言う事である。ふじかわ号然り、踊り子号然り。そして、夜行快速ではあるがムーンライトながらも然り。確かに世の中全体が「禁煙」と言う流れに向かっているものの、スモーカーの一人としては何とも言えないものが残る。そんな中でこの「2号車」の案内表示も見納めになってしまう。そう、東海号へのさよならだけではなく、東海道線特急の喫煙車へのさよなら、今回はそんな意味もまたあったりする。

 この電光掲示も、もう見る事はないだろう。
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 2時間と少しの小旅行を楽しむためのアイテムを窓際に置く。