静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

ヲタ業界の経営資源。

 ここ最近の「萌え」ブームって言うのは正直な話一過性って言うか「踊らされている」だけなんじゃないのか?って思う部分が実際にあるんですよね。まぁ、そういう事を言いながら踊らされている自分もいるのですが。
 企業を見る観点として幾つかの経営資源があると思うのですが、市場はここ最近になって国からも認知されるようになって来たおかげかよくわからないのですが、とりあえずあると思うんです。「金」に関して言えば、それこそ昔から展開されているような戦略(深夜番組で販促の意味を含めた放送をし、その周辺分野で収益を得る)ビジネスモデルが成立すればそこそこの資金調達ができるとは思うのですが、問題はその根底にある「誰が作るのか?」って言う部分にあると思うんですよね。まぁ・・・確かにいろいろとあるとは思うのですが、果たしてその「人」と言う経営資源にどんんだけ投資しているのか?って言うのが気にかかる部分ではあるんです。確かに「物語を作り出す」と言う事は個人の資質に関わる部分もあるので、それを後天的に開発するって言う事が可能なのかどうかはわかりませんが、今の状況を見ると「吸い取ったらそれでおしまい」って言うような気がしないでも無いんですよね。
 今期の作品で楽しみにしているのは3本ほどあるんですが(ef - a tale of memories.もやしもん、スケッチブック~full color's~)、実はもう少し本数はありました。ですが、見ているうちに「媚を売られているような気がする」って言うのは容赦なく切っていったんですよね。結局「集金機械としての作品」としてのものもあるんじゃないかな、って思うんですよね。まぁ、それらを否定する訳ではないのですが、どうも見ていて継続して見ようとは思わない訳で。
 そういう面では「金」と言う経営資源だけにしか目が行ってないんじゃね?って思うところがあるんですよね。確かに企業としてはキャッシュフローが大きくなるのでそれはそれで望ましい事かもしれません。ですが、業界全体を考えた場合には富が偏在してしまう事になり、決してそれは健全ではないかと。実際中小企業と親企業のような関係になってくるんじゃないかなと思うんですよね。まぁ、その構造は仕方ない部分もあるんですが。
 でも、かと言って「人」が一番大事って言う事を言うわけではないんですよ。仕組みとして現在のシステムが回っている以上は。一番大事なのは、それぞれの企業が「企業の存続」って言う事をどう考えるのか?って言う事になってくるんじゃないかなって思うんです。コーディネイトする企業も「企業が存続」してこそ自社の業務ができるわけですし、実際に制作するスタジオも「企業としての存続」が必要な訳で。そこの部分を権利者側がどう考えているのかな?って言う部分なんですよね。権利者企業が自社の利潤を極大にするような方向で行けば、当然そのしわ寄せは下請け側に回ってきますし、製造業でも問題になっているような「技術の伝承」と言ったものが非常に難しくなるのはまた事実ですからね。
 そろそろ既存の「著作権ビジネス」と言う事だけではなく、そこを活かしながら業界に関わる人すべて(消費者も含む)がどうすれば「どうやれば業界or自分たちの好きなものを存続させることができるのか」って言う事を考えないとならないんじゃないのかな・・・と思います。