静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

その10 留萌豊富線 羽幌BT→豊富駅






 前回の続き。と言う訳で案外二日酔いにもならず5:30には布団を這い出し、何とか起床成功。その後、身支度をしてから羽幌ターミナルまで向かう。距離にしてたかだか100m程度。昔、ここには国鉄羽幌線が走っていて、その羽幌駅の跡が今では広場になっていると言う。ちなみに、この宿から羽幌ターミナルまでの通りは「ターミナル通り」と名前がつけられており、つい最近まで日通の荷物扱所もあったと言う。
 確かに言われてみれば、日通の荷物扱所・旅館・食堂は「あの頃の風景」の風景を彷彿とさせてくれるものがあるが、今では海岸沿いを国道が走り、「国鉄羽幌線転換バス」としての「留萌豊富線」が公共交通機関として残っているだけである。
 少し細かい事を書いてみれば、これから乗る「留萌豊富線」の羽幌以北の区間に関しては、豊富行が6本、遠別行が3本、幌延行が3本(内1本は旭川から直通の快速便)となっている。そう言う意味で言えば「本数的に少ないなぁ」と思う部分もあるのだが、実際にはどうなっているのか、その様子を見たい、と言うのも今回の「萌えふさ奇行」の1つの目的でもある。あ、そうそう、切符は









留萌☆豊富 日本海ふさふさ街道
萌えっ子フリーきっぷ(2日間)

 を使用しました。だからこそ、昨日は「はぼろ号」を留萌で降車して快速便に乗った訳なんですが。実際、留萌〜豊富間を留萌羽幌線の単純往復(当然途中下車不可)で5,400円するのですが(静岡東京間の高速バスより高い)、この切符だと途中下車し放題で3,200円と非常にリーズナブル。





 羽幌ターミナル6:33発の始発便豊富駅行。ちなみに手前のバスは2分後に出る留萌行始発便。ターミナルには自分達以外誰も居ないと言う状況だったのですが・・・ドライバーさんは、昨日留萌から羽幌まで乗ったドライバーさんと一緒の方。ちなみに帰りの羽幌までの便はこの始発便の折り返しになるので、都合、昨日の留萌から今日の羽幌に帰り着くまで同じドライバーさんにご案内して貰う事になりました。
 沿岸バスは本州のバスでは信じられないのですが、一般路線の車内でもラジオを流しています。そう言えば一時期伊豆箱根鉄道のバスでも「ライオンズナイター」は流していたのですが、正直それ以来と言うかなり珍しい経験。考えてみれば昨日乗ったはぼろ号も前方のテレビでBSを流していた訳でして(音声は各座席にあるヘッドフォンで聞く事が出来る)、なかなかサービスが凄いなんて思った訳で。でも、一体何でなのかなぁ・・・と思ったのもまた事実。
 理由は案外簡単な話でした。あくまでもこれは自分の推測ではありますが「道路が余りにも単調」なのかなぁと思う訳で。なおかつ、その単調な道路をずっと走る訳ですから、やっぱり眠気とかが出て来るのではないかと。その「眠気解消」の1つの方法としてラジオを流しているのではないかと思う所で。
 そのラジオからは「今日は全般的に曇りや雨模様」なんてニュースが流れてきましたが・・・いや、曇りや雨模様なんてとんでもない。





 前を見ても霧。後ろを見ても霧。朝一番のバスは霧を突いて北へと走っていきます。昨日も色々とお話しさせて頂いたドライバさんからは、「ここらへんで熊が出るんですよ〜」とか「鹿もこの時期出るんですよね〜」と言ったような話も聞かせて貰いながら、何故かパソコンの話も出て来ると言う、非常にのんびりとした雰囲気。まぁ、案外そんなものなのかもしれません。 
 初山別、豊岬を越えていくと遠別の手前で旧道(と言うか集落でしょうか?)に入っていくのですが、その付近になると霧もウソのように晴れて来ます。いやぁ、マジでこの付近で走るバスの姿を撮りたいなぁなんて思うのですが、それをやったら2泊3日では済まないどころか千歳からレンタカーで来ないとならない訳で。流石に今回はそんな気持ちを抑えていたり。
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「この便は遠別から天塩高校まで立客が出ますよ」
遠別の手前でドライバーさんからそんな話が出てきました。バスの中は自分と同行している友人しか居なかったのですが・・・





 第1富士見(かな?)から通学の高校生と小学生が乗車してきました。そして、遠別営業所、遠別ターミナルと進むにつれて車内は満席どころか立席も出て来る状況。ドライバーさんの話では天塩にある天塩高校までの通学客が多く乗るとの事。今日はいつもだったら座れるはずの学生さんが少なくとも約2名ほど約30分程立ち席になってしまったわけで、正直ご免なさい。とは言え、これだけのお客さんが乗っていると言うのは正直驚いたというか何と言うか。
 だけど、よく考えてみれば人口減少の中で高校なんかも統廃合が静岡でも行われている訳ですし、そんな中で免許を持たない〜と言うか、仮に免許を持っていても冬期の通学なんかはどうするんだと言う話もありますが〜高校生や地元のお年寄りの足を「守る」と言う役割を担っているのは確かな所。ならばそれこそ系統分割してしまってもいいのでは?と思う所なんですが、それは後で「実は違うんですよ」と言う話を聞くことになるので、ここでは書かないようにしておきます。
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 羽幌から豊富まで約2時間30分。自宅近所の大内観音入口から新宿駅まで行けてしまうだけの時間になりますが、この付近にある主要な街は大体「30分」毎に出現すると言うような距離関係になっているのが面白い所で。実際に沿岸バスの時刻表を見ても主要ターミナルを示す赤塗りの所は30分おきと言う状況。また、それらのターミナルは各行政区域の中心地となっている。これも実際に時刻表を見ながら乗って行かないと分からない所だったりする。


 天塩高校前で高校生が一気に下車すると、遠別までの区間のようにお客さんは殆ど居ない状況になる。外は札幌とかの天気とは大違いの青空が広がり、「ひょっとしたら一番タイミングのいい時に来たんじゃね?」なんて言う話も出て来る訳で。ますますみなぎってきた自分は、沿線の風景をカメラに納めていく訳で。



留萌行のバスとすれ違い、



遠くの海岸には風車が立ち並ぶ(オトンルイ風力発電所)。



緑の平原が織りなす地平線。


 そんな風景の中をバスはゆっくりと走っていきます。そこに流れている時間は「同じ時間」かもしれないですが、どこか早いようでいてゆったりとしていて。気がつけば





 幌延駅に到着。ここからは山を越えて豊富温泉を抜け、目的地の豊富駅まで向かいます。またここから豊富まで約30分。



色々とありますが「幌延深地層研究センター」を横目で見ながら。取りあえずこの施設に関する是非をここで問うものではないので念のため。と言うか、余所者にはどうこう言う資格はないワケでですから。





 まるで石油のようなお湯で体の芯から温まる最北の温泉郷「豊富温泉」を通り(雨が降っていればここでゆっくりして行く所だったのですがw)ます。ここまで来るとお客さんはもう自分達しかいません。





 そして、羽幌から約2時間30分。バスは豊富駅に到着しました。乗る前は「何か長そうだなぁ」と思った訳なんですが、実際に乗ってみるととんでもない、あっと言う間の2時間30分。





 それこそ冬ダイヤだったら約5分ほどで稚咲内行のサロベツ線に乗り換えが出来たのですが、この日は夏ダイヤと言う事で既にバスは出た後。さて、一体どうしましょうかねぇ・・・。