静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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その16 特急はぼろ号(高速経由便)元川町→札幌駅前バスターミナル

 最後を締めるのは沿岸バスを代表する都市間連絡バスの「特急はぼろ号(高速経由便)」。これはこれでトラボルタPの「オメデトウ」が使われている事で知る人ぞ知る路線な訳なんですが、残念ながらこの25便は色々な都合でまだ入ってない訳で。とは言え、こいつも一度乗りたかった系統なので結構楽しみだったところ。
 バスは留萌幌糠ICから深川留萌自動車道に入り、道央自動車道に深川西ICから入って札幌を目指す。この深川留萌自動車道は静岡近辺ではなかなかお目にかかることが出来ない「国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路」となっており、片側1車線の無料道路となっている。そのうち伊豆縦貫自動車道も出来る訳なんだが、一体どんな感じになるのか気になる所。


 


 留萌と深川の間の峠を抜けると、そこには良く見かける「北海道」の風景が広がっている。普通見る「北海道」って言うのはこんな風景なのかもしれない。


 


 暫く進むと、虹が見えた。それこそ、高速バスに乗って虹を見たのは初めてかもしれない。そう、普段は「ちょっと東京行ってくる」と言う気楽なノリで乗っている訳なのだけど、実はその毎回の往復の中に「見た事が無い景色」と言うのが案外転がっているような気がする。本当にそうなのかは良くわからない、だけど、こんな旅の途中で「虹」を見る事が出来たのは何か大事なものを見失ってない?って言うような問いかけのような気がした。あくまでも「気がした」だけだけど。





 自分は「非日常」の中を進んでいる。だけど、そこにあるのは「日常」だったりする。「非日常」を支えるのは「日常」な訳だし、「日常」を支えるのは「非日常」だったりする。そう考えると何か訳が分からなくなってしまいそうだけど、確実に言えるのは「今この場所に自分が居る」と言う事。それだけはどうやっても否定する事が出来ない。だったらそれを認めるしかないのかなと思う所で。一体何を書いているんだ?なんて思われるかもしれないけど、旅先の時間って言うのは得てしてこんな事を考えてしまうもんだ、実際の所。





 深川のPAで10分間休憩。外は雨。取りあえず1枚だけ「はぼろ号」の姿を納めてみる。考えてみれば一番最初の特殊ツアーで来た時はPAではなくってハイウェイオアシスの方に来たんだなぁ、と。
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 遠くに見えるのは札幌のまち。やっぱり高速バスは早いなぁ・・・なんて思っていると札幌の市内に入り込み、いよいよ最後の案内放送だなぁなんて思っていると流れてきたのは「オメデトウ」。あれ?この便は本当は入ってないのでは?と思った訳なのだが、一体何があったのかは良くわからない。だけど、最後の最後に一番聞きたかった案内放送を「バスの中で」しっかりと聞く事が出来たのは本当に良かった、と言うかかなりサプライズだった。


僕らそれぞれ異なる暮らしの中
だけど一つだけ変わらない
同じ時の中 生きてる事
D
【鏡音リン】 オメデトウ 【オリジナル曲】ニコニコ動画
 そう、自分は静岡に暮らし、沿岸バスは日本海ふさふさ街道を走る。お互いに場所は違っても、同じ時間の中で誰かの暮らしを支え、そして、誰かに支えられている。そんな当たり前のような事だけど、何かそんな事を思った。だからこそ自分は応援したいと思う訳で。「同じ時間を共有する事が出来た事」、言い換えれば「そのバスが走っているまち」を訪ねる事が出来た事。それはやっぱり「オメデトウ」と言う言葉で締めるのか一番ふさわしいのかもしれない。
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 その夜は札幌在住の友人と久々に飲み、非常に楽しい夜だった。そして、明日はいよいよ静岡に帰る日になる。楽しい時間と言うものは本当に過ぎるのが早いものだと再び実感した。
(明日に続く)